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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年08月28日

J2第24節 栃木×熊本@栃木グリーン

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昨シーズンは栃木が17位で熊本が14位。今シーズンも正直アウトサイダーと目されていた両チームが、6位と5位の上位対決として激突。2010年のJ2を振り返った時に、間違いなくその躍進が特記されるであろう、両者の対戦は栃木グリーンです。中断を挟んで4連敗と、6月7月は底に入った栃木でしたが、ここ2試合で勝ち点4を奪取と復調傾向。ただ、今日はFWのチェ・クンシク、CBのヨ・ヒョジンが揃って出場停止。替わりに林祐征と落合正幸がスタメンに名を連ねます。対する熊本は、前節の東京V戦で、4試合目にしてようやく8月初勝利。ファビオにも10試合ぶりのゴールが生まれるなど、浮上するムードは十分です。さて、開始わずか18秒、今シーズン2度目のスタメンとなった林がいきなり左足ミドルを放って高い意欲を見せると、3分には高木和正のCKから、ここも林がフリーでヘディングをゴールへ突き刺します。村上伸次主審がオフェンスファウルを取ったために、結果的にはノーゴールとなったものの、まずは際立つ林の強さで栃木が攻勢。しかし、6分には熊本もセットプレーで反撃。片山奨典のCKから、こぼれを福王忠世が枠内に飛ばし、栃木GK武田博行のファインセーブに遭いながらも、1つ決定的なチャンスを創ります。以降は一進一退の展開が続く中で、14分には栃木に気になるシーンが。熊本のシンプルな縦フィードに宇留野純が走ると、飛び出したGK武田は触れず、カバーに戻った入江利和が何とかクリア。「GKも含めて最終ラインの対応が悪かったので、突いていこうという所はあった」とは熊本の高木琢也監督。栃木からすれば一抹の不安を感じさせるプレーだったと思います。15分、パウリーニョがリカルド・ロボとのワンツーからシュート。直後にも入江の折り返しをリカルド・ロボがオーバーヘッドで狙うと、この2つのチャンスからは流れが栃木に。要因としては「トップに入った後のセカンドボールをなかなか拾えなかった」と高木監督が振り返った通り、ある程度は林とリカルド・ロボへのロングボールが多かった栃木の圧力に対して、熊本のCBとドイスボランチの間が空いてしまったことが挙げられますが、それだけにもう少し栃木のドイスボランチに入ったパウリーニョと本橋卓巳が前へ出ていければ、もっとチャンスは創れていたような印象です。実際、押し込んでいたとはいえ、16分から30分までの15分間で栃木のシュートは1本も記録されていません。それでも、今の栃木にはこの男が。31分、リカルド・ロボが高木とのワンツーを経て、角度のない所から枠内へシュート。そこから得たCKも、高木のボールをリカルド・ロボが枠内にヘディング。共に南雄太の好守に阻まれましたが、再び高木が蹴ったCKに食らい付いたのもリカルド・ロボ。これが3度目の正直とばかりにネットを揺らし、流れを掴んだ栃木が先手を取りました。ここからは一気にオープンな打ち合いが開幕。35分は熊本、吉井孝輔が飛び出して上げたクロスを、フリーのカレン・ロバートはヘディングで狙いますが、武田がファインセーブ。36分は栃木、赤井秀行の折り返しを高木が利き足とは逆の右で合わせるも枠外へ。44分は熊本、片山のクロスをカレンが頭に当てると、今度は左ポストを直撃。スコアは動きませんでしたが、何かは起こりそうな展開で前半は終了しました。後半に入ると48分、電光石火で生まれたのは同点弾。ファビオが倒されて得たFK、片山のボールにファーサイドで合わせたのはファビオ。「自分からプレゼントをもらうことができた」と昨日迎えた20歳のバースデーを自ら祝う一撃。ゲームは振り出しに戻りました。さて、勝ち越しゴールを奪いたい両指揮官はここで動きます。57分、松田浩監督は杉本真を下げて、廣瀬浩二をそのまま右SHに投入。同じく高木監督も57分、「もう少し中盤から揺さぶりをかけたかった」と渡辺匠と原田拓をスイッチ。ボランチの一角を入れ替えます。59分には松田監督の2枚目。負傷を抱えながらプレーしていた入江が続行不可能になったため、そのまま左SBへ宮本亨を投入。すると、これがゲームの分岐点となりました。60分に入ったばかりの原田が無回転FKを左ポストにぶつけ、ややスタジアムもフワフワした雰囲気に包まれていた63分、「ポゼッションが長いだけに回せるか、引っ掛けられてカウンターを食らうか」と松田監督が語った言葉の、負の側面が出てしまいます。何でもないゴールキックを武田は宮本へ。このパス自体も、相手との距離を考えればリスクが小さいとは言い切れないようなものでしたが、受けた宮本はボールが足に着かず。これに突っ掛けたのは「体もキレてるしノッてるね」と笑う、前節2アシストの宇留野。あっさり宮本からボールを奪い、飛び出した武田の上を破る冷静なループ。「不用意だがそういうことが起こるのもサッカー」と肩を落とした松田監督。俄かには信じがたい形で、熊本が逆転に成功しました。こうなると強さを発揮するアウェイチーム。68分には松橋章太を「フレッシュな選手同士でマッチアップさせたかったし、サイドの方がチャンスを創れるかなと思って」(高木監督)、宇留野との交替で右SHに投入すると、78分にはカレンのスルーパスから松橋がフリーで抜け出し、武田のセーブで追加点とはいかなかったものの、サイドに脅威を張らせます。追い込まれた栃木も、終盤は懸命にラッシュ。79分、カウンターから廣瀬のシュートは、全力で戻った片山がブロック。81分、途中出場の水沼宏太が頭で競り勝ったこぼれ球、林がボレーの体勢に入るも筑城和人が頭でクリア。83分には「ウチの弱い所」(高木監督)「林が十分にマンツーマンで勝てて、うまく外せる」(松田監督)と両指揮官も認めたセットプレー、高木のCKに林がドンピシャヘッドも、南が驚異的な反応でファインセーブ。85分には水沼が激しいタックルで奪ったボールを、自ら狙いますが、これも筑城がブロック。キッチリと形成したブロックに加え、カレンやファビオも前から果敢にチェイスするなど、集中が切れない熊本。吉井が「ボールを繋がれて、サイドからクロスを上げられる方が怖かった」と話したように、栃木はなかなか横幅を使いきれません。95分のラストチャンス、大久保裕樹のロングスロー、こぼれに水沼が飛び込み、強烈なシュート。しかし、ボールはわずかに枠の右へ。「4、5人替えたいくらい暑さが厳しい」(高木監督)中、力強く逆転してみせた熊本が、1つ上位への階段を上がる結果となりました。    AD土屋




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