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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年08月01日

J2第20節 甲府×東京V@小瀬

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18戦負けなしという柏の記録が目立つ今シーズンのJ2ではありますが、実は2位に付けている甲府との勝ち点差は4。甲府も内田一夫新監督体制下で12勝4分け2敗の勝ち点40と堂々たる戦果。現在も14戦負けなしと、2強の独走と言うべき状況を着々と築きつつあります。対する東京Vも苦しんだ序盤は既に過去の話。ここ5試合は2勝3分けと黒星知らず。メンバーをほとんど固定して戦っていることで、「11人のまとまり」(東京V・川勝良一監督)がいい方向に作用し始めている印象です。気温29.6度、湿度69%は公式記録ですが、体感はもっと蒸し暑い印象の中で始まったゲームは、いきなり甲府がラッシュ。3分に藤田健が強烈なミドルを枠へ飛ばしたのを皮切りに、開始からのわずか10分間で4本のCKを奪うと、8分にビッグチャンス。片桐淳至のCKはDFにクリアされましたが、その流れから藤田が絶妙のクロスを上げると、ファーで秋本倫孝がヘディング。ボールは左のポストに弾かれたものの、早くもリズムを完全に引き寄せます。ただし、このシーンがこれから秋本を襲い続ける不運の予兆だったとは、まだ誰一人として知る由もありません。「割と自由にやらせてくれる所があって、いい所まで行けた」(内田監督)甲府の猛攻は続き、17分にも養父雄仁のCKから、こぼれたボールを藤田が狙ったシュートはDFがブロック。19分、片桐のCKから左サイドでボールを拾った山本英臣のクロス、ファーでDFともつれながら収めた内山のシュートはわずかに枠の右側へ。さらに21分は吉田豊のクリア、東京Vのキャプテン富澤清太郎が後ろに戻したバックパスは短く、かっさらったハーフナー・マイクはGKと1対1に。それでも、ハーフナーのシュートはギリギリまで動かなかった土肥洋一に阻まれます。23分にもカウンターからダニエルが左へ送り、ハーフナーのパスから養父のミドルはバーの上へ。先制ゴールは奪えません。さて、かなり押し込まれ「なかなかプレーリズムを上げづらい」(川勝監督)東京Vでしたが、「相手は前線に基点ができやすい分、前に選手が出ていけるので、その分ウチはカウンターが効く」(同)のはチームの共通認識。それがまんまと実ったのは31分。ハーフカウンターのような形から、右サイドの高木善朗がキープすると、外を追い越したのはSBの福田健介。流れの中でチェイスに行っていたハーフナーをかわして上げたクロスに、甲府守備陣の態勢は不十分。「ダニエルとGKがかぶったように見えた」という平本一樹のヘディングがゴールネットを揺らし、劣勢だった東京Vに先制ゴールが記録されました。25分過ぎまでの好リズムから一転、失点後はほとんど攻められなくなってしまった甲府。45+2分には、ダニエルのクサビにパウリーニョが反転してミドルを放ちますが、枠外へ。結局ワンチャンスを生かした格好で、東京Vがリードして前半が終わりました。後半は49分、飯尾一慶のシュートが甲府GK荒谷弘樹を襲うシーンから始まりましたが、ほどなく甲府ペースに。51分、土肥の中途半端な対応でもらったCK、養父の蹴ったボールはハーフナーに当たってこぼれ、パウリーニョが押し込むも土肥が掻き出し、それに詰めた秋本のシュートは右ポストに当たります。54分には大きなワンツーの形から、養父の柔らかいパスを受けたパウリーニョのフィニッシュはわずかにゴール右へ。畳み掛ける甲府。62分、片桐のこの日10本目となるCKは、3人もフリーだった甲府の選手が競り合うような形から秋本が頭に当てましたが、ボールはまたも左ポストに。2度あることは3度ある。ポスト地獄に陥ったか、追い付けません。逆に65分は東京Vに絶好機。中盤で相手のミスパスを奪った所から、平本が鋭いドリブルでグイグイ突進。余裕があり過ぎたか「PKをもらって相手が10人になれば、もっとウチも楽になると思って躊躇してしまった」平本は、結果的に戻ったダニエルのクリアに遭いますが、隠し持ったナイフの切れ味を感じさせます。その平本と河野広貴の2トップは、「どうしてもハーフナーの周りに選手を取られるんで、少しキツくてもいつもよりドリブルを生かそうと」(川勝監督)、高いドリブル能力をフル活用。特に平本はそれ以外でもCBの土屋征夫が「ウチの中では唯一と言っていいような基点になっている」と話したように、クサビをほぼノーミスに近い確率でキープしては、味方に落としたりファウルをもらったりと奮闘。本人も「ウチのチームで体のあるヤツは他にいないんで」と自覚十分。彼がボールをしっかり収めることが、甲府の鋭いカウンターを抑止していたのは間違いありません。65分にパウリーニョを下げてマラニョンを送り込んだ内田監督は、70分にも「前に行く推進力が欲しい」と藤田を下げて、石原克哉を投入。76分にも養父の負傷を受けて松橋優が入り、前線は右から松橋、ハーフナー、マラニョンの3トップで、そのすぐ下に片桐という形で勝負に出ます。ところが、右サイドにいた時から既に司令塔の役割を果たしていた片桐が「前に急ぎ過ぎ。縦パスばっかりで全然落ち着かない」と嘆いたように、ボールを保持する時間は長い中で、じっくりと様子を窺うというよりも焦りが目立ち、なかなかシュートまで持ち込めません。もはやダニエルと秋本も前に上げて、ハイタワー3枚に賭けた86分、片桐のアーリークロスをハーフナーが落とした所に秋本。シュートは土肥へわずかに当たって、なんと4度目のポスト直撃。頭を抱えた秋本。ハットトリックでもおかしくなかったゲームも、記録上はノーゴール。94分に石原が素早く蹴ったFKにハーフナーが合わせたヘディングも枠をわずかに逸れて万事休す。「全員が体を張ってよく戦った」(土屋)東京Vがまさに粘り勝ち。アウェイでの勝ち点3を奪取する結果になりました。敗れた甲府は「100%運がなかった」という片桐の言葉も頷けますが、やはり最初の25分で先制していれば大差で勝った可能性も十分あった印象です。とはいえその片桐も冷静に「攻めさせられてた感はあった」と話した通り、22本というシュート数の割には決定機が少なかったとも言えるでしょうか。今日のようにハーフナーが抑えられた時の、二の矢三の矢が今後はより大切になってくるでしょう。勝った東京Vは、やはり個々の能力が高く、劣勢でも一度ボールを持つと簡単には取られないので、嫌な形でカウンターを食らう機会はほとんどなかったはず。またちょっと前述しましたが、「よく空中戦で頑張ってくれた」と指揮官が称賛したように、富澤と土屋がハーフナーをほぼ完璧に抑え込んだことも大きな勝因。今日に関しては、36歳の誕生日を勝利で飾った土屋曰く「俺が“持ってる”ってことでしょう(笑)」だそうです。    AD土屋




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