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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年08月17日

J1第19節 横浜FM×山形@ニッパ球

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前節、前々節でようやく今シーズン2度目の連勝を飾った横浜FM。特に前節は数的優位を得たとはいえ、中村の1ゴール1アシストで清水を首位から引きずり降ろす、会心の勝利。順位も8位まで上昇し、調子が上がってきているのは間違いありません。一方、三ツ沢に乗り込んだ山形も、磐田と新潟を共に1-0で下し、今シーズン2度目の連勝。今日のゲームに、昇格後初となる3連勝が懸かります。中位からの脱却を視野に入れた一戦。日中に比べればだいぶ落ち着いたとはいえ、それでも29.6度と蒸し風呂のようなコンディションでキックオフを迎えたゲームは、まずポゼッションで上回った横浜が攻勢に。山形が4-1-4-1に近いシステムを敷くため、どのチームもまずは狙うであろう、アンカーに入った佐藤の両脇に空くスペースに対して、横浜は2トップに山瀬、長谷川という比較的中盤起用の多い2人を配して、バイタル攻略を意識したスタート。さらにSHには機動力の高い兵藤が入ることで、2トップが創り出したスペースを有効利用したい狙いは見て取れ、実際に12分にはその兵藤がうまくバイタルに潜り込んで、山瀬へスルーパス。シュートは枠を外れたものの、山形対策の教本のような形で1つチャンスを創ります。さらに19分には、カウンターから長谷川が右へ送ると、広大なスペースに走り込んだのは右SBの天野。これもシュートはゴールを逸れましたが、相手を押し込みます。対する山形は、立ち上がりの15分こそ秋葉や佐藤がミドルを放ちましたが、「ボールを回していくことは少しできた」(小林監督)とはいえ、エリア内へ人数を掛けていくようなシーンはほとんど見られず、攻撃に関しては難しい時間が続いていました。ただ、「(相手は)中2日ということもあってか、思ったより重かった」と山形の小林伸二監督が触れたように、その後の横浜はなかなか連動性も上がらず、「決定的なシーンがそんなにたくさん創れなかった」という兵藤の言葉通り、流れの中からチャンスを生み出せません。キックの感覚を前節から継続させているかのような中村のセットプレーは切れ味抜群でしたが、32分に直接狙った右CKはニアサイドのポストにぶつかり、43分のピンポイントCKは栗原のヘディングが左ポストをなめて外れるなど、ゴールを陥れるまでには至りません。ボールキープ率と6本に終わったシュートを鑑みて、「サッカーはボールキープゲームじゃない」と木村監督が表現した言葉がまさに当てはまるような展開で、スコアレスのまま前半は終了しました。後半もまずは「入りが悪くて押し込まれた形」(小林監督)からスタートした山形。しかし、この状況で「こういう時にモノをいう」(同)リスタートが、劣勢のアウェイチームに歓喜をもたらします。52分、右サイドで増田が奪ったFKを自ら蹴ったボールは、綺麗な弧を描いてファーサイドへ。そこに待っていたのは、「相手はゾーンで守ってるんで、思い切ってスピード上げて裏に出ればボールが来るかなと」飛び込んだ石井。少し難しい高さにも、うまく左足で丁寧に合わせたボールは、スッポリとゴールネットへ。よく耐えていたCBのまるでストライカーのようなJ1初ゴールが飛び出し、意外にも山形がリードを奪いました。さて、「いつか(ゴールが)取れるだろうというような流れ」(兵藤)の中で、いきなり冷水を浴びせられたような形になった横浜。木村監督は59分にボランチの清水を下げて、齋藤を投入。中盤4枚の並びを、右から兵藤、小椋、中村、齋藤に組み替え、圧力を強めに出ていくと、66分にも効果的なプレーを出し切れなかった長谷川を諦め、渡邉を送り込み、勝負に出ます。すると67分には齋藤が中央を思い切ったドリブルで切り裂くと、山形DFは付いていけず、フィニッシュは清水に阻まれましたが、個の可能性を表現してみせます。さらに76分、左サイドから崩しにかかると、渡邉の速いクロスに兵藤が飛び込むも、ボールは左ポストを掠めて枠外へ。ゴールは奪えませんが、勢いは再燃してきました。「もう必死。それだけ」(石井)で守りを固める山形は、78分に右SBを宮本から小林へ、81分にCBを前田から園田へスイッチするなど、リードしている側が確かに疲労が目立っていたとはいえ、最終ラインの選手を2枚替えるという、ある意味リスクの大きな決断を選択して、何とか1点を守り切る覚悟を表出。横浜も波戸に替えて、松田を3バックの一角に送り込み、栗原を最前線に上げてバワープレーを敢行しますが、予想外に長かった5分の追加タイムを経てもスコアは変わらず。「逞しくなったなと」指揮官も目を細めるウノセロで、山形がまた新たな快挙をクラブ史に刻みました。敗れた横浜の木村監督は「山形のサッカーにまんまとハマった。こんなサッカーしてたらいつまでも優勝争いに絡むことなんてできない」と相当おかんむり。兵藤も「やられたっていう感覚がない」としながら、「ああいう場合はセットプレーでやられるのはわかってた」と反省点も抽出。なまじ攻める時間が長かっただけに、ゲームを通じて「全然ビッグチャンスが創れなかった」(木村監督)のは痛恨。またも連勝はあっさり止まってしまいました。勝った山形は、シュート数こそ相手の2分の1さえ下回る6本ながら、キッチリ完封勝利。「こういう展開はウチのペース」と北村も話したように、苦しいゲームも耐えてモノにする力が、確実に付いてきました。これで勝ち点は27に。目標の50も十分視界に捉えてきたのではないでしょうか。     AD土屋




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