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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年08月15日

J1第18節 川崎×広島@等々力

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昨シーズン、同じ等々力でのゲームは片方に1人退場者が出たとはいえ、7-0。同じ“攻撃的なスタイル”を旗頭に掲げるチーム同士ながら、志向するスタイルは異なるために、噛み合わせからいってもロースコアは考えにくいのが、川崎と広島のゲームです。間違いなくキーになるのは先制点。特に川崎が先にゴールを奪うと、少なく見積もっても7割方は勝利に近付くことが予想されるだけに、広島はある程度5バックもやむなしと割り切って守る形でゲームに入っていきます。必然的に攻める時間は長くなる川崎。ただ、「攻撃の基点はサイドに創りたい」という高畠勉監督の意図とは反して、よくボールに触るヴィトール・ジュニオールが中央に入りがちな面もあってか、どうしても中からの攻撃が目立ちます。最初に流れの中からチャンスを創ったのは、15分にヴィトールが左サイドからカットインしてシュートを枠へ飛ばしたシーンではありましたが、あとは15分に広島DFラインとの連携が乱れたGK西川に黒津が寄せて、こぼれをジュニーニョが狙ったシーンや、33分にストヤノフのミスパスを小宮山が奪って、ヴィトールを経由してから中村がフィニッシュへ持ち込んだシーンなど、相手のミスが生じた時に限られます。35分に中村のパスを受けた黒津がバーの上へ外した前半最大の決定機も、中村が広島のボランチに入っていた中島のミスを奪った場面が起点。当然、相手のミスをチャンスに繋げる川崎の狡猾さが素晴らしいことを前提に、それでもあれだけ攻める時間が長かったのであれば、もう少し能動的な崩しがあってもよかったかなという印象は持ちました。そんな中、目に止まったのは久々のスタメン復帰となった森の2つのプレー。右サイドでボールを持ち上がり、中で受けたがるヴィトールへ、彼が欲しがったタイミングから2テンポくらいずらしてパスを出したことで、見事にDFを外した状態を創り出すプレーを5分間くらいの間に2回も見せました。あまりフィーチャーされるようなシーンではないかもしれませんが、この一連は決して簡単ではなく、森のプレーレベルの高さをよく表していたと思います。さて、広島の攻撃はというと、25分過ぎからは1トップ下の2シャドーに入った桒田と森崎浩司がバイタルに侵入し始め、26分には森崎浩司が、31分には桒田がエリアのすぐ外で倒され、FKを獲得。前者はストヤノフ、後者は森崎浩司が揃って枠を捉え、共に相澤の好守に阻まれたものの、セットプレーから惜しいシーンを創ります。それでもチャンスはその2回のみ。45分はスコアレスで推移しました。迎えた後半、ゲームを動かしたのは「いつも以上に強い気持ちで臨んだのは確か」という広島ユース出身で、今は川崎の中盤に欠かせない存在の25歳。54分、ヴィトールからのサイドチェンジを、左サイドでうまくトラップした田坂は、「枠が見えたら狙っていこうと思っていた」と右足を振り抜くと、ボールは綺麗な弧を描いて遠いサイドネットを捕獲。広島のペトロヴィッチ監督も「チャンスらしいチャンスではないが、1人のクオリティでゴールが生まれた」と言及したゴラッソ。待望の先制ゴールは川崎が記録しました。こうなると前へ出ていかざるを得ない広島に対して、「攻められているのを逆手に取るやり方がハッキリする」(田坂)川崎という構図は鮮明に。1つのゴールが生まれて以降は、ボールは広島が持ちながら、チャンスは「スペースがあったからカウンターができるようになった」(高畠監督)川崎に頻発。61分にヴィトールの左クロスを黒津が二アで合わせたシーンや、65分に中村のスルーパスからジュニーニョが抜け出してシュートへ持ち込んだシーンなど、ジワジワと広島を追い詰めます。そして66分、左サイドを中村と小宮山で崩すと、中村のピンポイントクロスを、最後はヴィトールがヘディングで一刺し。川崎が追加点をマークし、実質ゲームを決めてしまいました。この先制ゴールが入ってから、追加点を挙げるまでの12分間を見ると、おそらくポゼッション率は広島が上回っていたでしょう。しかし、両者のシュート数は川崎の5に対して、広島は0。「メリハリをつけてゲームをコントロールできるようにやりたかった」という指揮官の意図を見事に体現したこの12分間に、川崎が持つチーム力の高さが象徴されていたと思います。以降は、中村、稲本、ジュニーニョと「夏場の連戦の中ではチームにとっても欠くことのできない選手」(高畠監督)を次々とベンチに下げる、余裕のゲーム運びを見せた川崎が危なげなくリードを守ってタイムアップ。5試合負けなしと上り調子で、3日後にホームで戦う首位名古屋との決戦を迎えることになりました。少し心配だったのは広島のパフォーマンス。ここ最近は相手の出方を見ながら守備的に入るゲームもある中で、最後まで攻撃の形を見い出せずに敗れてしまうケースもあるように感じます。「チームは少し難しい時期に来ていると思う」とはペトロヴィッチ監督。内容と結果の、追求と実情。主力にケガ人が多いのは間違いありませんが、ケガ人が続出してしまうような原因の見直しも含めて、広島はペトロヴィッチ体制の大きな分岐点にさしかかっているのかもしれません。    AD土屋




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