デイリーサッカーニュース Foot!

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2010/04

S M T W T F S
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

このブログについて

2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年04月10日

J1第6節 大宮×G大阪@NACK5

foot!
  • Line

開幕戦では魂の激勝を飾ったものの、そこから3連敗。前節の新潟戦も終始攻勢ながらスコアレスドローと、なかなか調子の上がらない大宮。そして3分け2敗と開幕からいまだ勝ち星なしで、まさかの17位。主力も次々とケガで離脱するなど、大宮以上に厳しい開幕スタートを余儀なくされたG大阪。何が何でも浮かび上がるキッカケを掴みたい両チームの対戦はNACK5です。開始5分に橋本早十が続けて蹴ったCKから、2度とも深谷がヘディングでゴールを狙うなど、立ち上がりの勢いは大宮。すると8分に均衡を破ったのもやはりホームチーム。左サイドで狭いパス交換を強いられたG大阪は、高木がやや雑なパスで後ろに下げると、明神は信じられないようなトラップミス。拾った藤田は難なくゴールへと流し込み、労せず先制ゴールを奪ってみせました。「自分の判断ミス」と明神も認める“安い”失点で、自ら流れの悪さを証明する格好となったG大阪は、「先発がかなり入れ替わって厳しいガンバではある」(西野監督)中、1トップを務める平井の下に、右から安田理、二川、宇佐美を並べた4-2-3-1と意外な布陣。ただ、誤解を恐れずに言えば、苦しい台所事情を考慮しても、これは弱者が強者へ立ち向かう際に用いるような、いわば“奇襲”的布陣。案の定、ボールは何となく回るものの、攻撃のスイッチを入れるような存在は見当たらず、「ミスを少し引きずってしまった」と振り返った明神を筆頭に、中盤では細かいパスミスや、セカンドボールを競り負けて拾われるシーンばかりが目立ち、まったくと言っていい程にペースを引き寄せられません。先制後も大宮は17分市川、25分内田、27分市川、32分藤田、同じく32分にアン・ヨンハと5回の決定機を創出。そのうち27分と32分の2回はすべてCKからで、これには西野監督も「ほとんど当てられていた。やられ過ぎ」と苦笑。それでも藤ケ谷のファインセーブなどもあり、何とか凌いでいたG大阪に現われた救世主はやはりあの男。前半終了間際の44分、左サイドでボールを持った宇佐美は右足アウトで最高のスルーパス、走り込んだのはもちろん平井。「(宇佐美)貴史からいいボールが来たので、コースを狙って決めるだけだった」とは本人ですが、角度的にも決して簡単な位置ではない所から、冷静な一刺し。ユース出身の17歳と22歳が2人だけでゲームを振り出しに引き戻して、前半は終了しました。すると、後半開始から投入された、これまたユース育ちの19歳、大塚翔平もすぐに躍動。48分、右サイドからDFを1人かわすと、目の前には広大なスペースとゴールのみ。このチャレンジは結局深谷に潰されますが、「ゴールに向かう姿勢は出せた」(大塚)ことで得たCK、二川のボールから高木が放ったボレー、DFに当たったボールがこぼれる場所に選んだのは、やはりノッている男の前。難なく平井がプッシュ。1-2、大宮からすれば「一番警戒していたセットプレー」(張外龍監督)で痛恨の失点。G大阪があっさり逆転してみせます。こうなると止まらない勢い。53分、宇佐美の巧みなサイドチェンジを起点に奪ったCKの流れから、後半は左SBへ移った安田の左クロスに、ニアへ飛び込んだのは明神。「自分のミスは頭にあったので、何とかという思いはあった」というキャプテンが意地の追加点。あっという間に2点の差が付きました。「パスコースも増えて1人1人の距離も近くなった」(明神)と途端に好転したG大阪。この流れを呼び込んだキーマンは間違いなく大塚でしょう。「とにかく動き回って、ボールを引き出して攻撃のリズムを創ろう」という意識を存分に体現。指揮官も「非常に落ち着いていいアクセントになって、攻撃を活性化してくれた」と評価するなど、一気にチームの推進力を引き出す出色のパフォーマンスを見せました。前半の好リズムにもかかわらず、ズルズルと逆転を許してしまった大宮も、石原や杉山を投入して何とか打開を図るものの、単調な縦へのボールばかりが増え、なかなかチャンスを創れず。70分に藤田、74分に金澤が迎えたチャンスも遠いゴール。「前半最後の失点で自信を失ってしまった」(張監督)チームの歯車は最後まで噛み合うことなく、聞いたのは試合終了のホイッスル。アウェイチームが「勝てないJでしたが、何とかもぎ取った」(西野監督)大きな大きな勝ち点3を大阪へ持ち帰る結果になりました。敗れた大宮からすれば、「前半のあれだけの決定機を決められるかどうか」(張監督)は当然敗因として挙げられますが、それにしても後半の戦い方はあまりにもナイーブ。前半見られた相手DFラインの裏を取りに行くようなシーンは極端に減少し、なんとなくのロングボールが横行。45分でパフォーマンスが一転してしまいました。勝ったG大阪は「全体的には程遠いガンバのスタイル」(西野監督)でも、「若い選手が活性化してくれた部分はたくさんあった」(同)のは大きな収穫。「今は(自分にとって)なかなか来ないようなチャンスが来ている」と語った大塚も、「ボールを引き出す部分やゴールに絡むプレーは通用した」と手応えを感じています。ただ、気掛かりは76分に負傷退場した平井の容体。試合後は松葉杖を突きながら、取材陣に応対していたものの、「調べてみないと何とも言えないが、少し重いケガのように感じる」と西野監督。好事魔多し。ようやくリーグ初勝利を挙げながら、G大阪の苦悩はまだまだ続くのでしょうか。    AD土屋




  • Line