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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2009年05月05日

J1第10節 柏×浦和@国立

foot!
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いわゆる“ロジック”と言われる部分は勿論フットボールを解す上で必要不可欠なもの。ただ、今日のゲームを左右したのは“意識”の部分だったというのが個人的な見解です。先制したのは浦和。11分、ポンテのFKを闘莉王が頭で繋いでエジミウソンが押し込み、早々にリードを奪います。スリッピーなピッチ状態もあってか、あまりショートパスが繋がらない浦和でしたが、「去年までと少しイメージが違う」(柏・高橋真一郎監督)相手に「下がってしまった」(同)こともあって、柏はほとんど攻められない時間を強いられる展開に。それでも次のゴールを挙げたのは、劣勢のホームチーム。24分、ここ数試合のSB起用でオーバーラップのタイミングを掴みつつあった小林が、細貝との1対1から抜け出してクロスを送り、ニアに北嶋がダイブ。ゲームを振り出しに戻すと、38分には菅沼のFKを近藤と坪井が競り合い、こぼれ球を石川が左足一閃。これが左ポストに当たりながらゴールに飛び込む逆転弾。4本のシュートで2点を奪った柏が、効率よく勝ち越しに成功して、ハーフタイムを迎えました。前線の4枚にいつものような流動性、そしてコンビネーションが見られず、「美しいプレースタイルではなかった」とフィンケ監督も厳しい言葉で表現した浦和でしたが、後半も序盤から攻勢に出るのは浦和。開始から原口と交替で出場した高原の存在で、前線にはフタがされた格好になり、機能的なパスワークを履行するのは難しくなりましたが、逆に縦へのボールかポンテのアイデアで押し切りに行くという意味では、ビハインドの状況も相まって、やることが統一された印象はありました。一方の柏は56分、最前線で奮闘した北嶋に替えて「カウンターを狙えるかな」(高橋監督)と大津を送り込み、そのまま1トップに配置。ただ、かなり押し込まれた状況でカウンターを狙えたのは、大津が俊足の坪井と互角に走り切ってスタジアムを沸かせた1回くらい。大津本人も「なかなか前を向けるシチュエーションはなかった」と語り、以降柏にチャンスの香りはますます薄くなっていきます。68分、フィンケ監督は山田直輝を下げてエスクデロを投入。4-3-3気味に攻勢を強める選択を明らかな形で打ち出した中で、76分には柏に3点目の絶好機。菅沼がCKのクリアを拾ってクロス、近藤はフリーでヘディングするもわずかに枠外へ。この後半最初にして最大の決定機を逃し、81分に見せた左右への揺さぶりから掴んだチャンスを山根が消極的なパスで逸すると、闘莉王を前線に上げて、ゴールを奪いに行く“意識”を見た目からでも徹底した浦和に、勝利の女神は心を傾倒させていきました。迎えた84分、ポンテのCKからゴール前の混線を柏DFはクリアしきれずにオウンゴール。2-2。87分、エジミウソンが右サイドを力強く抜け出し、中へ送るとまたも混線に。しかし、柏DFのクリアをエスクデロが体に当てると、ボールはゆっくりとネットへ到達。2-3。浦和逆転。89分に最後のカードとして切られたフランサも追加タイム含む5分では仕事にならず、浦和は2試合続けて劇的な勝利を収め、再び暫定首位に帰り咲きました。浦和はハッキリ言ってよくなかったです。パスも繋がらず、運動量も少なく、疲労感は明らかでした。それでも奏功はしなかった高原の投入、直接はゴールに繋がらなかった闘莉王の前線配置、結果から見れば因果関係はないかもしれませんが、フィンケ監督がチームに与えたメッセージは伝わったはずで、それが“意識”としてチームに力を与えたように、私には見えました。敗れた柏にはそれがなかった気がします。後半は守備に重きを置くというより、守備を余儀なくされる展開。ならば、疲れの見えたボランチ2枚のどちらかを替える、あるいは闘莉王が前線に来た段階で、前を1枚減らして鎌田を投入し、古賀を闘莉王にマンツーマンで付けるなど、1点のリードを守り切る“意識”を徹底することもそうですし、カウンターに可能性がなかったのであれば、フランサ投入によって前で時間を使わせることも有効だったかもしれません。柏側から見ればどこか中途半端な“意識”が招いた、ある意味避けられない逆転負けだったような気がします。   AD土屋




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