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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2009年01月10日

高校選手権準決勝 広島皆実×鹿島学園@埼スタ

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共に大会前はダークホース的な存在ながら、広島皆実は作陽と四日市中央工、鹿島学園は野洲に大津と、いわゆる名門・強豪を下してのベスト4進出。守備には定評のあるチーム同士の対戦に堅いゲームが予想されましたが、序盤から主導権を掴んだのは皆実。「立ち上がり5分で自分たちのペースで運べるなと」(広島皆実・松岡祐介主将)判断し、風上も生かしながらキッチリボールを回し始めます。対する鹿島学園は「(皆実は)守備の時になると8人は後ろに守ってる。いかに速く崩せるか」(鹿島学園・三橋隼斗)を攻撃のテーマとして掲げる中、「思った以上にプレスが速くて、中盤で潰され基点ができない」(鹿島学園・鈴木雅人監督)ために、数字としてのシュートは前半ゼロ。ただ、35分の佐々木進(3年)、37分の浜田晃(3年)、同じく37分の金島悠太(3年)、41分の金島と皆実のラッシュで前半終盤に訪れた4度の決定的なピンチを何とか凌ぎ切ります。皆実の藤井潔監督も「凄く思い通りだったけど、逆に鹿島のペースだったんじゃないかなと」振り返る前半は、一見皆実が押し込み続ける流れながらもスコアレスのままで経過しました。後半もまずチャンスを創ったのは皆実。49分、谷本泰基(3年)のミドルは枠内を襲うもGKセーブ。53分には3列目から飛び出してきたボランチの宮下航(3年)がエリア内から惜しいシュート。変わらず前に出る姿勢を打ち出します。するとその意欲がようやく実ったのは57分。玉田耕平(3年)が右へ振ると、SBの村田俊介(3年)がサイドをエンドラインまでえぐって中央へ。金島は1度トラップを失敗しますが、「いい所に転がった」ボールを今度は大事に大事にプッシュ。県予選準決勝から6試合続けてノーゴールだったチーム得点王がようやく期待に応える一撃。均衡は破られました。さて、「何とか耐えて勝ちパターンを見出だしたかった」(鈴木監督)鹿島学園は攻めざるを得なくなります。70分にはいい形からネットを揺らしましたが、判定はオフサイド。流れを引き寄せられません。74分、藤井監督は玉田に替えて秦和広(2年)を送り込み、4-4-2から4-5-1へシフト。前の四日市中央工戦同様の采配で、中盤の安定を図っての逃げ切り態勢に入ります。対する鈴木監督も76分に2枚のカードを切り、最終ラインを3枚にして攻撃的に舵を取ると、さらに184センチのCB杉下智哉(3年)を前線に上げて、最後の勝負へ。所定の90分を過ぎたラストチャンス、放り込んだボールは三橋の足元。慎重に蹴られたシュートは、しかし枠の左へ。「1点を大切にという気持ちが出てきた」と藤井監督も称えた皆実が、1点差を最後まで保って勝利。初の国立へ、その歩みを進めました。敗れた鹿島学園は残念ながら「全ての面で相手が上回っていたんじゃないかな。完敗だったなと正直思っている」という鈴木監督の言葉通りだったと思います。それでも4勝を挙げてここまで勝ち上がってきたのは立派な成績。「新たなメンバーを連れて、いつの日になるかわからないがここに帰ってきたいと思っている」(鈴木監督)。その名をしっかりと歴史に刻み込みました。そして勝利した広島皆実。松岡を中心に大会5試合で1失点の堅牢は本物です。決勝の構図を求めた記者の質問に「サッカーは攻守両方なので、攻め対守りの構図はありえないと思っている」と珍しく語気を強めた藤井監督。「サッカーは1人でやるスポーツではない。しっかり自分たちのサッカーができれば」とは松岡。おそらく真っ向勝負で鹿児島城西を倒しにかかる皆実。さらなる歴史を切り開く可能性は十分あると思います。  AD土屋




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