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このブログについて

2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

スタッフブログ 2008年07月11日

実体験を基に高地開催問題を考える 前編

foot!
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すっかりオフシーズンで暇を持て余し
かなり堕落した生活を満喫していますが
忘れないうちにメキシコの世界遺産『テオティワカン』の頂上で
僕の身に起こったあの忌まわしい出来事を思い出しつつ
高地での試合開催問題を考えてみようと思います。
あの経験は後世に語り継がねばなりません。
まずは僕の陥ったプチ高山病の症状を簡単に紹介しますと
過呼吸、頭痛、吐き気、耳鳴り、目がチカチカしてきて顔面蒼白。
この時期のメキシコシティは乾燥していたのであまり汗は
かかなかったのですが、この時ばかりは尋常じゃない汗の量。
軽いパニック状態で呼吸の仕方もよくわからなくなり
隣にいた亘さんの声もずっと遠くから聞こえてくる感じでした。
これだけでも僕の危機的状況がわかってもらえるかと思います。
今思えばですが、そうなった理由のひとつは体調管理の問題。
前日の夜は時差ボケもあり2時間くらいしか眠れず
朝食もあまり食べませんでした。
こんなんじゃ照りつける陽の下で何をやってもブッ倒れますね。
そしてもうひとつにして最大の原因は
「自分は大丈夫だろう。」という『過信』でしょうかね。

番組で亘さんも仰ってましたが、同じ高地を舞台にしても
サッカーの場合は、マラソンをするのとはまたわけが違いまして
いくら高地だとはいえ「走れ。」とだけ言われたら
キツいのはもちろんですが、ある程度は走れるわけです。
それは自分のペースを自分でコントロールして走れるから。
しかし、サッカーは相手あってのものですからそうはいきません。
相手はこっちが高地でしんどくてあまり動けなくなっても
相手が自分のペースに合わせてくれるわけもなく
構わずガンガン来ます。回復するのなんて待ってくれません。
マラソンならキツくなったら自分で少しペースを落とせば済みますが
相手が来るから自分はもう行きたくないのに潰しに行かなきゃならない。
それが一番キツいそうです。そして一度弱点を見せると
相手はさらにそこを繰り返し狙ってくる。
それを何度も繰り返されると体力的にも精神的にもヘロヘロになる。
といった悪循環スパイラルに突入してしまいます。
僕も自分のペースでピラミッドを登っていたら大丈夫だったかも知れません。
しかし「亘さんは現役選手とはいえ僕の方が年下だし、
ちゃんとカメラも回さないと・・・。」という気持ちがあり、
自分のペースを乱しガリガリと亘さんについて登って行きました。
そして「自分は大丈夫っしょ。」という根拠の無い『過信』も手伝い
これで全ての悪条件がそろったって感じですね。
幸い僕の場合は20分ほどぐったりとへたり込んだだけで回復しましたが
たったあれっぽっちの運動であんな状態になってしまったわけですから
サッカーの試合をするなんてどれほど大変なことか・・・。
まぁ僕と違って現役プロ選手たちは大丈夫でしょうが
少なくとも最低限の『心と身体の準備』が必要になりますね。

ちょっと医学的な難しいことはわからないので
間違っていたら申し訳ないのですが
人間は高地に入ると血液中の赤血球が20%ほど多くなり
1週間くらいかけて徐々に高地に適応していくそうです。
でもまた高地から戻ってくると身体は元に戻っていきます。
なので、よく『高地トレーニング』という言葉を聞きますが
『高地でたくさん走り込んだ=低地ならもっとたくさん早く走れる』
ということではないような気がします。あくまでも、高地では高地仕様の
身体になり、どこででも高地での状態を維持できるわけではないと。
そもそも『高地トレーニング』とは『高地に慣れる』為のものであって
それを低地での体力の強化に応用できるものではないと思うんですけどね。
多少、心肺機能は向上するのでしょうかね。
写真は、昨年3月になでしこJAPANもW杯プレーオフを戦った
標高2600mのトルーカのスタジアム『Estadio Nemesio Díez Riega』。
通称“La Bombonera”。メキシコにもボンボネーラがあるんです!
なでしこJAPANのメンバーもハーフタイムにはロッカールームで
朦朧とする選手や吐いていた選手までいたそうです。
僕にはそのキツさがわかります。
P5120026.jpg
石神

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