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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2007年11月03日

ナビスコ決勝 川崎×G大阪@聖地国立

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7年ぶり2度目の決勝進出。一昨年にJ1復帰してから着実にステップアップを果たし、初タイトル獲得に挑む川崎フロンターレ。2年ぶり2度目の決勝進出。リーグ優勝こそ経験したものの、ナビスコに関しては初優勝に挑むガンバ大阪。ゴールへと迫るアプローチは異なるものの、攻撃的なスタイルという意味では似通った両クラブの決勝戦。気温18度、湿度41%、晴れ、という申し分ないコンディションの中、好ゲーム必至の頂上決戦は13時39分にキックオフされました。まず注目されたのは川崎の布陣。ここ数試合は変則の4バックが続いていた中、配布されたメンバー表では寺田がMF登録に。ますます読みづらくなった並びは、蓋を開けてみると「G大阪は全員右利きなので右サイドの守備を考えて」(川崎・関塚監督)伊藤を左のWBに起用する3ー5ー2。この大一番では、やはり4年をかけて熟成させてきた3バックを選択しました。一方のG大阪は左SBに安田を配し、ボランチは橋本と明神。遠藤を攻撃的なポジションに置いて、2トップはマグノ・アウベスとバレーを組ませます。序盤はG大阪から見ると「DFからFWへのボールがいつもより多く」(G大阪・藤ケ谷)「明らかにスタートから主導権を握られる」(G大阪・西野監督)展開に。川崎は5分チョンテセ、6分ジュニーニョが惜しいシュートを放ち圧力をかけます。10分には大橋のCKから寺田がフリーでヘッド、しかし叩きつけたボールは藤ケ谷が掻き出し、先制点は奪えません。スコアが動かないまま時間が経過していくと、徐々にG大阪がしっかり繋ぎだしてキープ率が上昇。22分には二川の縦パスからマグノ・アウベスが、飛び出した川島の頭上にループを描くも枠には飛ばず。このプレー以降はG大阪がポゼッション、川崎が鋭いカウンターをちらつかせるという予想された構図に落ち着きます。しかし川崎の守備に綻びはなく、「らしくない精度の低いパス展開」と西野監督が評したG大阪はなかなかチャンスまで持ち込めません。39分に二川がエリア内で川島に倒されたプレーにもホイッスルは鳴らず、スコアレスで最初の45分間は区切られました。後半先に動いたのは西野監督。「自分の中だけでイメージしていた」という、右から加地、シジクレイ、山口の最終ラインに、橋本を右WBにずらして安田を一列上げた3ー5ー2にシフトチェンジします。48分にはハーフカウンターから安田の上がったスペースを突かれ、中村のスルーパスからジュニーニョが掴んだ決定機はまたも藤ケ谷が跳ね返して事無きを得ると、その時はやってきます。時間は55分、右への展開から橋本とのパス交換を経たバレーは中へグラウンダーのクロス。ニアで「うまく当たらなかった」と苦笑した二川を経てファーへ流れると、詰めていたのは安田。前日ニューヒーロー賞を獲得した19歳のJリーグ初ゴールで、G大阪が貴重な1点を奪いました。残された時間は30分あまり。当然関塚監督も動きます。まず63分には大橋を下げて久木野を送り込み、寺田をボランチに上げた4ー4ー2気味に。そして攻守両面に効果が出ないと見るや、佐原と河村、チョンテセと黒津を替え、再び寺田を最終ラインに戻すなど積極的に動き、勝利への執念を見せます。リスクを負って攻めるが故に、80分にはマグノ・アウベスにポスト直撃のシュートを浴びますが、振り返ることなく前へ。そして85分には中村のCK、中央でフリーになったジュニーニョが頭で叩くも、ボールはわずかに枠を捉え切れません。この日最大のチャンスも逃した川崎にロスタイムも含めた残り8分間で得点は生まれず、試合を通じて安定感が光ったG大阪が2年前のリベンジを果たし、初優勝の栄冠に輝きました。両者に大きな差はなかったと思います。前半のチャンスを生かしていたら、リーグ戦のように川崎が大勝していた可能性もあったでしょう。ただ、試合後西野監督が「オプションをたくさん打てるチーム」と誇らしげに語ったように、ほとんど試したことのないシステムを大舞台でキッチリと消化してしまう戦術理解度や、1点をリードしてからのゲームの進め方は、やはりチームの底力を存分に示すものでした。「経験で90分をうまく運ばれた」と振り返った関塚監督、「うまく試合を運んでくれた」と振り返った西野監督。この"試合運び"という、一朝一夕では得難く、何とも数字に現れにくい部分がこの試合の勝敗を分けたキーポイントだったようです。最後に、個人的には今日のMVPはシジクレイかなと。スピードのジュニーニョ、パワーのチョンテセを共に封じ込め、セットプレーやハイボールにも完璧な対応。35歳のCB、改めてその凄さを見せ付けられた気がします。   AD土屋




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