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サッカー フットサル コラム 2025年11月22日

【ハイライト動画あり】史上初のU-17W杯ベスト4進出ならず。オーストリアに惜敗した日本はベスト8で大会を終える|FIFA U-17ワールドカップカタール2025 レビュー

サッカーニュース by J SPORTS 編集部
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U17日本代表

 

「こんな悔しい負け方はない」

試合後、廣山望監督はそう言葉を絞り出した。

後半早々に喫したミドルシュートによる失点。これが決勝点となり、日本は0-1で惜敗。過去2度に渡って日本代表が涙を飲んだ準々決勝で、またしても夢は散った。3度目の正直ならずで、若き日本代表の冒険は、ベスト8で終わりを告げることとなった。

ゴールの予感は、何度もあった。立ち上がりからオーストリアゴールに迫り、攻撃的な采配で最後まで1点を追い求めた。だが、世界への扉を開くためのゴールが、どうしても遠かった。

FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 準々決勝(11月21日)

【ハイライト】オーストリア vs. 日本

■史上初のベスト4へ
日本は3日前の北朝鮮戦から先発を5人変更。ここまで守備の要としてチームに貢献してきたDF元砂晏翔仁ウデンバ(鹿島アントラーズユース)が体調不良でメンバーを外れ、DF藤井翔大(横浜F・マリノスユース)がスタメンに名を連ねた。

システムは3-4-2-1を継続。ゴールマウスを守るのは、頼れる主将のGK村松秀司(ロサンゼルスFC)。3バックは右からDFメンディー・サイモン友(流通経済大柏高)、DF藤田明日翔(川崎フロンターレU-18)、そしてDF藤井が並ぶ。ボランチはMF野口蓮斗(サンフレッチェ広島F.Cユース)とMF和田武士(浦和レッドダイヤモンズユース)のコンビ。両サイドは右にDF竹野楓太(神村学園高)、左には出場停止明けのMF姫野誠(ジェフユナイテッド市原・千葉)が復帰した。前線は、MF小林志紋(サンフレッチェ広島F.Cユース)とMF平島大悟(鹿島アントラーズユース)で2シャドーを組み、最前線にはFW浅田大翔(横浜F・マリノス)が入った。

■前半から堂々とした戦い
まず前半、チャンスを作ったのは日本。

前半18分にMF小林志紋がルーズボールを拾うと、FW浅田との連携でエリア内に侵入。そして中央へパスを送り、走り込んだMF平島が決定的なシュートを放つも、相手GKに左手で弾き出され先制ゴールとはならず。

試合前にMF平島が「どんな形でも勝つことを目標にして、チーム一丸となり全員で勝ちに向かいます」と語った通り、この試合にかける思いを感じさせるワンプレーだった。

続く前半28分、MF小林志紋がフリック気味のパスで左サイドの開けたスペースに展開。そこに走り込んだMF姫野がダイレクトでクロスをあげ、MF平島がピッタリのタイミングで飛び込み、シュートを枠に放ったが相手守護神のビッグセーブに阻まれた。

前半30分、オーストリアにチャンスが訪れる。ヨゼポビッチが左サイドでスルーパスを受けると、GK村松と勝負の局面に。しかし放ったシュートは上手く枠に飛ばず、DFメンディーが見事なカバーでクリア。こぼれ球も、日本代表が体を張ったDFで防ぎ切った。

前半は、両チーム共にチャンスは迎えるもののゴールネットを揺らすことができない、もどかしい展開で終了。

ハーフタイム明けに日本代表は、MF小林志紋に代えてFW吉田湊海(鹿島アントラーズユース)を投入。そしてMF竹野に代えてMF瀬口大翔(ヴィッセル神戸U-18)をピッチに送り込んだ。

開始直後の後半1分、日本がいきなり決定機を作る。

MF和田のパスを起点に、こぼれ球に反応したMF瀬口がペナルティエリア左からシュート。これは相手GKに阻まれたが、こぼれ球にFW浅田が反応する。ボレーで豪快に狙ったが、シュートは惜しくも枠を捉えきることはできなかった。

■痛恨の先制点献上
しかし後半4分、オーストリアはショートコーナーを選択し、ボールを受けたMFヨハネス・モーザーが、ペナルティエリア外から強烈な一撃を放つ。そのシュートはゴール左隅に吸い込まれ、日本は痛恨の先制点を献上してしまった。

日本もチャンスを数多く作り出していただけに、悔しい被弾となった。

その直後の後半9分には、またもオーストリアに決定機を作られる。FWハッサン・デシスクが裏へのスルーパスに抜け出し、GKと1対1の状況を迎えるが、ここは日本の頼れるキャプテンGK村松がビッグセーブ。追加点は許さない。

1点を追う日本は後半13分、MF姫野のクロスにFW吉田が懸命に頭で合わせるもこのシュートは枠に飛ばず。

■攻撃的采配で同点弾を狙う
状況を打破すべく、後半16分にMF野口に代えてFWマギージェラニー蓮(FC琉球U-18)を投入。FWマギーを最前線に置き、FW浅田がシャドーのポジションに移動。そしてFW吉田がボランチを務める攻撃的な配置で、何とか1点を取りに行く姿勢を示した。

そんな廣山監督の采配に応えるかのように、日本代表の選手たちは積極的な姿勢で同点弾を狙いに行く。

後半24分には見事な連携でオーストリアゴールに迫る。FW浅田、FW吉田、MF瀬口の連携でボールをテンポよく回すと、最後はエリア内でボールを受けたFW浅田が左足でシュートを放つが、惜しくもGKのセーブに阻まれる。

試合の解説を務めた名良橋晃氏は「相手との間に日本代表の選手たちが顔を出し続けた、最高の崩しでした」と、ポジションを入れ替えた選手たちが、コンビネーションで崩したこのプレーに対しコメントした。

続く後半30分にはまたしても日本のチャンス。ゴール正面でのFKを得て、キッカーはMF瀬口。丁寧にコースを狙ったキックだったが、惜しくも壁に当たりゴールとはならない。

そして後半42分。攻め続けた日本に再度決定機が訪れる。MF姫野のクロスにGKが出てくるもキャッチできず、ボールが流れてFW吉田のもとへ。FW吉田が厳しい体勢から中央へ折り返すが、これはGKに触られゴール前で混戦になったが、オーストリアDFにかき出され、またしてもネットを揺らすことができなかった。

一点が欲しい日本代表だったが、後半45+1分、MF和田がエリア内で相手選手の足を蹴ったとして、FVS(フットボール・ビデオ・サポート)の末にオーストリアにPKの判定。しかし、このPKをGK村松が完璧にコースを読み切りセーブした。北朝鮮戦に続き、2試合連続のPKストップで、試合に希望をつないだ。

ただ、残された時間はあまりにも少なく、そのまま試合終了。若きサムライたちの挑戦はここで幕を閉じることとなった。

■若きサムライたちの軌跡
アフリカ王者モロッコ、欧州王者ポルトガルと同居したグループB。死の組とも言われたこの過酷なグループを首位で突破。

決勝トーナメントでは南アフリカに3-0と快勝し、北朝鮮とのPK戦にもつれる死闘を制して14年ぶりのベスト8へ。一戦ごとに逞しさを増し、日本史上初の「U-17W杯ベスト4」という新しい景色まであと一歩のところまで迫った。

しかしオーストリアの堅守に阻まれ、またしてもベスト8の壁は破れなかった。しかし、カタール・ドーハの地で世界を相手に堂々と渡り合った若きサムライたちの躍動は、間違いなく日本サッカーの未来を照らす希望の光となったはずだ。

J SPORTS編集部

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