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【頼れる守護神、咆哮!村松秀司が心の軸に据えるのは日本代表でプレーする覚悟 FIFA U-17ワールドカップ カタール2025 日本×北朝鮮 マッチプレビュー】
土屋雅史コラム by 土屋 雅史U-17日本代表の頼れるキャプテン、村松秀司
FIFA U-17ワールドカップも、負ければ終わりのノックアウトステージへ突入。日本がラウンド32で対峙したのは南アフリカ。参加国の増加に伴い、レギュレーションが変更されたとはいえ、直近の出場3大会ではノックアウトステージ初戦で敗れてきただけに、“鬼門”突破へ向けてチームは気合を入れ直し、90分間へ向かう。
開始4分に小林志紋が掴んだ決定機は、相手GKの好セーブに遭うと、以降は技術の高い中盤の選手を揃えた南アフリカに押し込まれる展開に。21分には左サイドからのクロスを、ニアで合わされたシュートが枠を襲うも、村松秀司が抜群の反応で弾き出す。
このプレーを機に日本は攻勢を強めたが、23分には浅田大翔との連携で小林が抜け出すも、フィニッシュは相手GKがファインセーブ。36分に浅田が、38分に元砂晏翔仁ウデンバが放ったヘディングはどちらもクロスバーを直撃し、43分に藤井翔大が枠へ収めたシュートもGKが好セーブ。前半はスコアレスで推移する。
青の歓喜を呼び込んだのは、11番のストライカーだった。48分。村松のロングフィードを起点に、右から平島大悟は丁寧な折り返し。浅田のシュートは2度にわたって相手GKに阻まれたが、諦めずに3度目のトライでボールをゴールネットへ送り届ける。早生まれのストライカーが手にした今大会初ゴール。日本がようやく1点をリードする。
59分には眠れる10番がとうとう目を覚ます。右サイドで竹野楓太が素早く相手ボールにプレスを掛けると、ルーズボールは吉田湊海の元へ。確実な胸トラップから、GKのタイミングをずらす巧みなシュートが、ゴールへ転がり込む。これまで少なくない決定機をモノにし切れなかったエースも、今大会初ゴールをゲット。2-0。点差が開く。
72分に生まれたとどめの3点目は、CKから4番を背負うセンターバックが奪う。左サイドから姫野誠がファーへ蹴った正確なキックに、フリーで飛び込んだ藤井のヘディングがゴールネットを鮮やかに揺らす。ファイナルスコアは3-0。完勝と言っていい結果と内容で、日本は次のステージへと力強く勝ち上がった。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 ラウンド16 北朝鮮 vs. 日本
配信期間 : 2025年11月18日深夜0:00 ~
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FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 準々決勝-1
配信期間 : 2025年11月21日午後9:15 ~
ラウンド16での対戦が決まったのは北朝鮮。ドイツ、コロンビア、エルサルバドルと同居したグループステージを3位で勝ち抜けると、ラウンド32では大会初戦でイングランドに完勝を収めていたベネズエラに2-1で競り勝ち、日本とのアジア対決へと駒を進めてきた。
世界8強が懸かるビッグマッチのキーマンは、日本を束ねる情熱の守護神・村松秀司を推す。アメリカ生まれのアメリカ育ちで、現在もウーゴ・ロリスやソン・フンミンが在籍するロサンゼルスFCでプレーしている17歳は、数年前からJFAに自身のプレー映像を送るほど、日本代表でのプレーに意欲を燃やしてきた。
今代表の初招集は昨年12月のスペイン遠征。そこから1年弱の間に存在感を高め続け、ワールドカップのメンバー入りを果たすだけにとどまらず、圧倒的なリーダーシップを発揮してキャプテンを任されるまでに。今やチームに絶対欠かせないキープレーヤーへと成長を遂げた。
そのアグレッシブなセービングは、ワールドカップの舞台でも際立っている。初戦のモロッコ戦では開始早々に迎えた2度のピンチを、ともにファインセーブで凌いだことが、その後の勝利に直結。3戦目のポルトガル戦でも、1点をリードしながらも数的不利を強いられていた終盤に、やはり立て続けのビッグセーブで日本に勝点3をもたらした。
南アフリカ戦でも前述した21分のセーブは、至近距離からのシュートをしなやかな身のこなしと凄まじい反射神経で掻き出した、まさに守護神の仕事。74分にも枠を襲った際どいシュートを横っ飛びで防ぎ、渾身の咆哮とガッツポーズ。「ボールがオレに来る前に、チームメイトがオレの前に立っているので、チームもオレのことを守ってくれたことに感謝したいです。自分にボールが来た瞬間は、オレがちゃんとセーブしないといけないと思うので、このエンブレムを付けているからにはやるしかないです」と試合後に語った言葉も頼もしい。
忘れられない大会がある。4月のU17アジアカップ。活躍が期待されていた村松は、初戦直前の負傷の影響もあり、思ったようなパフォーマンスを発揮できず、出場した2試合はいずれも敗戦。本人も「アジアカップはあまり上手にできなくて、そのリベンジもしたいと思っています」とアジアで突き付けられた悔しさを、世界の舞台で晴らそうと、たゆまぬ努力を重ねてきた。
ここから先は、すべてが決勝戦のような戦いが待ち受けているが、村松のチームメイトを信じる姿勢には、いささかのブレもない。「今日は3点決めて、無失点で抑えるのは、チーム全員がスーパーだと思います。次も無失点や勝つことは約束できないですけど、日本代表がちゃんと働くことは絶対に約束できるので、応援お願いします!」
大和魂を自身の心に刻み込む、U-17日本代表が誇る闘将。どれだけ攻められても、どれだけシュートを打たれても、最後尾から強いエネルギーをチームに与える村松秀司は、冷静に、情熱的に、そのすべてを跳ね返す。
文:土屋雅史
土屋 雅史
1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。
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