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日本のスナイパー、躍動間近!小林志紋が世界の舞台で圧倒的なセンスを解き放つ!FIFA U-17ワールドカップ カタール2025 日本×ポルトガル マッチプレビュー
土屋雅史コラム by 土屋 雅史U-17日本代表の攻撃的スナイパー、小林志紋
シビアな真剣勝負の難しさを痛感するような90分間になった。FIFA U-17ワールドカップ カタール2025の2戦目で対峙したニューカレドニアは、初戦のポルトガル戦に1-6と敗れていたため、大量得点も期待された中で、快勝を収めたモロッコ戦から8人のスタメンを入れ替えたU-17日本代表は、前半からチャンスこそ作るものの、なかなかゴールの歓喜を引き寄せきれない。
12分にはメンディーサイモン友のパスから姫野誠が、24分には川本大善のパスから吉田湊海が、それぞれチャンスを迎えるも、どちらも相手GKのニコラ・クトランの好守に阻まれる。さらに、34分には初戦当日に追加招集された小林柚希の右クロスから、吉田が合わせたヘディングは枠の上へ。36分は吉田のパスを受け、小林が左サイドから打ったシュートも、ゴール右へ逸れてしまう。
圧倒的に攻め続けながら、得点を奪えない日本に対し、ニューカレドニアは50分にエゼキエル・ワモウェが左ポストを直撃するシュートを放ち、あわや先制点という場面を創出。このピンチを経て、改めて気を引き締め直した日本も、62分に浅田大翔の右クロスから、マギージェラニー蓮がダイレクトシュートを枠へ収めるも、クトランがファインセーブ。86分と87分に平島大悟へ続けて訪れたチャンスも、やはりクトランがゴールに立ちはだかる。
90+4分には野口蓮斗の左クロスをメンディーが頭で折り返し、浅田がゴールネットを揺らしたが、相手がリクエストした『フットボール・ビデオ・サポート』でメンディーのオフェンスファウルという判定が下され、ノーゴールに。結果的に35本のシュートを浴びせながら、日本は最後までスコアを動かせず、0-0のドロー決着。グループステージ突破を決めることは叶わなかった。
3戦目の相手となるポルトガルは、開幕2連勝を飾って、既にノックアウトステージ進出を決めている。ただ、日本は9月のリモージュ国際大会でも対戦しており、その時は1-0で勝利しているだけに、選手たちも良いイメージを持っているはず。難敵であることは言うまでもないが、きっちり勝利を収めてグループ首位通過を狙いたい。
必勝を期すポルトガル戦で躍動が望まれるのは、所属のサンフレッチェ広島F.Cユースでも1年時から印象的なプレーを見せ続けてきた、俊敏で獰猛なアタッカーの小林志紋だ。
スタメン出場が予想されていた初戦では、試合前のウォーミングアップでアクシデントに見舞われ、メンバー外に。負傷の影響が心配されていたが、ニューカレドニア戦では5枚目のカードとして88分から投入されると、短い時間ではあったが積極的なプレーを見せていただけに、コンディションはある程度整っているはずだ。
今シーズンのプレミアリーグWESTでは、名門の広島ユースで10番を背負い、ここまで14試合に出場して9ゴールを記録。とりわけ第16節のヴィッセル神戸U-18戦では、ルーレットで相手をかわしながら、強烈なシュートをゴールへ突き刺し、首位撃破の主役に。本人も「僕はファーに打つのが得意なんですけど、ニアに思い切って打ったら良い感じで点が獲れたので、そこは自信に繋がりましたね」と話しており、得点感覚にもより磨きがかかっている。
8月にはJ1リーグの神戸戦に出場し、トップチームデビューも経験。さらに10月にはAFCチャンピオンズリーグエリートのアウェイ・蔚山現代戦でメンバー入りを果たすと、後半の終盤にアジアデビューも飾っており、昇格が決まっている来季からの活躍も、大いに期待されていることに疑いの余地はない。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 グループB ポルトガル vs. 日本
配信期間 : 2025年11月9日午後10:15 ~
大会直前の国内合宿では「世界の舞台なので、覚悟や責任は持たないといけないですけど、一番は楽しみですね」と話していただけに、初戦で欠場という悔しさを味わい、2戦目でも出場時間が限られていたことを考えれば、ポルトガル戦へのモチベーションはチームの中で最も高いのではないだろうか。
列強のディフェンダーとのマッチアップに際しても、「技術だったり、ポジショニングは自分の武器なので、そこで違いを見せていきたいですし、スピードやボールタッチ、シュートでも違いを見せたいなと思います」と、おおよそ攻撃に必要なあらゆる要素に自信を見せるような言葉が頼もしい。
この人がボールを持った時に滲ませる圧倒的なセンスは、天から与えられた特別なもの。ポルトガル戦で求められるのは、間違いなく得点に直結する仕事。日本のスナイパー、躍動間近。小林志紋は世界を震撼させるようなゴールを、虎視眈々と狙い続ける。
文:土屋雅史
土屋 雅史
1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。
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