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サッカー フットサル コラム 2025年10月17日

26度目の激突!プレミアを知り尽くした鯱熊決戦inトヨスポ! 名古屋グランパスU-18×サンフレッチェ広島F.Cユースマッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグWEST第18節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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名古屋グランパスU-18・八色真人

夏のクラブユース選手権を挟んで、第9節から第14節までまさかの6連敗。苦しい時期を過ごしていた名古屋グランパスU-18だったが、ここに来て明らかに復調傾向にある。第15節の東福岡高校戦に3-2で競り勝つと、第16節でも神村学園高校相手に1-0で勝利。2試合続けて1点差で白星を手繰り寄せる。

さらに前節の静岡学園高校戦は、大西利都が今季5度目のハットトリックプラスワンとなる4ゴールと大爆発を見せ、チームも4-0で勝ち切って、3連勝を達成。試合後にはキャプテンの野村勇仁も「自分たちがシーズン最初にやりたかった理想の試合ができてきているからこそ、今は勝てているのかなと思っています」と手応えを口にした。

今節はアウェイゲームを戦うサンフレッチェ広島F.Cユースは、安定した戦いぶりで勝点を積み上げている。前半戦は6勝3分け2敗と大きく勝ち越し、ヴィッセル神戸U-18、サガン鳥栖U-18に続く3位で折り返すと、後半戦も第12節では鳥栖U-18に、第15節ではファジアーノ岡山U-18に敗れたものの、その次の試合ではきっちり勝利。シーズンを通じて一度も連敗がないのも、特筆すべきトピックスだ。

ここまで7戦全勝のホームで戦った前節のアビスパ福岡U-18戦は、先制される展開を強いられながらも、44分に河上颯来が直接FKを沈め、45+2分と45+5分に宗田椛生が連続ゴールをマークし、一気に逆転。最後は5-2というスコアで勝点3を引き寄せており、今シーズン初の3連勝を懸けて今節へと向かうことになる。

名古屋U-18の鉄人といえば、左ウイングバックを務める野中祐吾だ。ここ3シーズンでの通算プレミア出場は57試合を数え、これは全22チームの全選手の中で最多の出場試合数。「今年は最終学年というところで、同じポジションの2年生に背中を追い掛けてもらえるような選手になるというのを意識しています」と主力としての自覚も十分に持ち合わせている。

高円宮杯プレミアリーグ特集サイト

攻撃面では三笘薫を意識しつつ、守備面では「同じ代の壮一朗は、相手の目を見て守備をしているので、そこは今年に入ってから意識しています」と同学年であり、既にトップチームでレギュラーを掴みつつある森壮一朗を参考にしているとのこと。もともとはフォワードが主戦場だった『9番のウイングバック』の攻守にわたる躍動から、目が離せない。

名古屋U-18が誇る不動の10番として、左足からチャンスを生み出し続ける八色真人は、どの試合でもハイクオリティを発揮している。今季もここまで4ゴール9アシストという記録に加え、起点になったプレーやセットプレーも含めれば、チームの総得点の半分を超える56パーセントに関与。勝利に繋がる明確な結果を残してきた。

ここ最近はポジションもボランチからシャドーに1列上がったことで、本人は「ボランチと違って、前への推進力も出せますし、いつパスを出すか、いつシュートを打つか、いつカウンターするかとか、いったんタメを作ったりとか、そこで判断するところは面白さがあるなと感じます」と新境地にもポジティブに取り組んでいる様子。今回の一戦も八色が左足でボールを持ったら、何かが起きるはずだ。

逆転優勝に向けて負けられない試合が続く広島ユースにおいて、ドイスボランチの一角を占める野口蓮斗の存在感は語り落とせない。1年生だった昨季もプレミア19試合に出場していたが、今季は完全に定位置を確保。得意のゲームコントロールはもちろん、守備での力強さも確実に纏ってきている。

6月のゲームを見ていて印象的だったのは、以前よりよく声が出るようになっていたこと。自身も「今年は試合に出続けていることもありますし、チームをまとめたりとか、雰囲気を上げたりする部分は良くなってきているので、続けていきたいと思っています」と主力としての責任感を口に。逞しさを増した野口には、勝敗を決定づけるような仕事を期待したい。

広島ユースの得点源が宗田椛生であることに、異論はないだろう。今シーズンは16試合に出場して、16得点を記録。その内訳を見てみると、3つのPKを除いた13得点はすべてペナルティエリア内でのシュートによるもの。さらに1タッチでゴールを陥れたのは10得点という数字からも、その得点感覚の鋭さが垣間見える。

今季から背負っている9番は、トップに昇格した井上愛簾から引き継いだストライカーナンバー。「去年は愛簾くんが9番を付けて、トップ昇格するぐらい活躍するのを見ていたので、17得点(※昨季の井上のリーグ戦得点数)は絶対に超えてやろうと思っています」。今節もゴール前に現れる宗田の“嗅覚”には、大いに注目しておこう。

両者の前半戦の対戦は、5月25日に行われた第9節。広島ホームの安芸高田市サッカー公園で激突し、その時は広島ユースが3-1で勝利を収めている。また、2011年にプレミアリーグが創設された時の“オリジナル20”でもあるこの2チームは、これまで25回の対戦を重ねており、名古屋から見て7勝4分け14敗という数字が残っていることも付け加えておこう。

2017年の1シーズンを除いてプレミアで戦い続けている名古屋U-18と、今まで一度も降格を経験していない広島ユース。この高校年代最高峰のリーグを知り尽くしている両雄の“鯱熊決戦”には、間違いなく好ゲームが繰り広げられる予感が漂っている。

サンフレッチェ広島F.Cユース・宗田椛生

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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