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ビーチサッカー日本代表が狙うのはワールドカップ初制覇!セーシェルの地で悲願達成なるか|FIFA ビーチサッカー ワールドカップ セーシェル2025
サッカーニュース by J SPORTS 編集部FIFA ビーチサッカー ワールドカップ UAE 2024 ブラジルvs日本
日本のビーチサッカーの真価が問われる大会が5月1日、アフリカ大陸東岸から1300km離れたインド洋に浮かぶ島嶼国セーシェル共和国で開幕する。ビーチサッカーのワールドカップは2005年からFIFA(国際サッカー連盟)が主催する世界大会となり、2009年の第5回大会以降は2年に1度のペースで行われている。
各大陸予選を勝ち上がった15チームにホスト国のセーシェルを加えた計16チームが、ビーチサッカー世界一を懸けて砂のピッチで熱戦を繰り広げる。4チームずつ4グループに分かれてリーグ戦を行い、上位2チームが決勝ラウンド(準々決勝~)に進出。決勝戦は現地時間11日午後7時30分(日本時間深夜0時30分)キックオフだ。日本代表は、2019年のパラグアイ大会でベスト4入りし、頂点を目指して上昇機運に乗った。
2021年のロシア大会の決勝ラウンドに進んだ日本代表は、準々決勝でタヒチを破って勢いを増し、準決勝で台風の目となったセネガルを退け、初のファイナリストとなった。決勝の相手は地元ロシア。善戦虚しく2-5で逃げ切られ、初の世界王者の称号は持ち越しとなった。2024年(当初は2023年)に中東UAEで開催された前回大会に優勝候補として参加した日本だったが、初戦のコロンビア戦を3-3でモノにした後、2戦目でベラルーシを相手に1-3で不覚を取った。
3戦目のセネガル戦を6-4で勝利してグループCを2位で突破することになり、準々決勝の相手は優勝候補の最右翼ブラジルとなった。大きなハンデを背負ってしまった。大黒柱のDF茂怜羅オズが出場停止。誰よりもブラジル戦でプレーしたかったオズは、スタンドからチームの勝利を祈ることになった。
試合は開始2分の失点で日本代表はリズムを崩してしまい、第3ピリオド・1分に失点した時点でスコアは0-7と一方的な展開となった。それでも同3分にワールドカップ初出場のFW山田貴仁のゴールが決まり、そこから3連続得点を挙げて必死の追い上げを見せたが、最終盤の失点で4-8の完敗に終わった。ブラジルは準決勝でイランを、決勝でイタリアを退けて6回目の世界王者となった。
仕切り直しとなった日本は、監督兼任だったオズの負担軽減のために選手専任とし、2019年大会を最後に現役を引退してコーチ、監督代行を務めていた田畑輝樹監督体制とし、悲願の初優勝を目指すことになった。田畑監督は多くの選手をテストし、熟考を重ねてワールドカップ戦士12人を選出した。
その中に最年長39歳の「スペシャル・ワン」がいた。DF茂怜羅オズは、UAEでのブラジル戦の敗戦が、今でも心の奥底に大きな傷跡となって残っている。母国ブラジルとの一戦で第二の故郷・日本を勝利に導き、その余勢を駆って頂点にまで上り詰め、ブラジルと日本両国に「オズ、ここにあり!」を知らしめる大きなチャンスだった……。
リベンジに燃える今大会のオズは、定位置のフィクソとしてのプレーにとどまらない。フィールドプレーヤー4人がポジションを流動的に変えながら、積極的にゴールを狙う田畑サッカーの一員として前線に顔を出したり、局面に応じてサイドから攻撃の起点になることもある。
そして田畑監督からの指示である「遠目からでもシュートをどんどん打っていく」を受け、本大会でも右足から繰り出す強烈ミドルシュートが、相手ゴールネットに突き刺さるシーンが見られるだろう。2024年5月に指揮官に就いた田畑監督は「攻守に置いて超攻撃的なサッカーを仕掛ける」「最後の1%までこだわる」「全ての瞬間に全力を尽くす」ことをテーマに掲げた。選手もボールもスピーディーに動かしながら、ポジションを固定しないで流動的に、アグレッシブに動いていく。
「相手選手を混乱させて誰でも(有効な)エリアに入っていけるのが強み。海外のチームは(流動的に動かれると)苦手だろうと感じている」主将のDF坪谷亮太のコメントから、田畑サッカーの方向性が見て取れる。より高い次元に持っていく方策が、田畑監督の言うところの「インパクトのある言葉を使うことでチームの相互作用を効率的に図る」ことである。
たとえば「ブースト」。圧を与えるという意味合いの英語だが、田畑監督は「チーム全員が押し上げる」と定義した。クラブチームのヴィアティン三重の監督兼選手だった2017年頃、愛用靴の商品名が「ウルトラブースト」。響きを気に入っていたこともあってチームの共通言語とした。バスケットからは「アイバーソンカット」。サッカーになぞらえると「斜めの動き(ダイアゴナル)」。バスケットボール好きの田畑監督ならではのチョイスだ。
サッカーで「ボランチ」と言えば「守備的MF」という意味が一般的。ポルトガル語の「操縦桿」「舵取り」が由来となっているが、田畑ジャパンでは「列を降りる」という意味となる。チェスから引っ張ってきた言葉が「マヌーバ」。連続するチェスの駒の動きの総称を「連続プレー」という意味にした。「共通の言葉があると理解度が早くなり、情報共有することでプレーの成熟度も向上する。インパクトのある言葉を使う方が選手も迷わない。言葉は200ほどあります」(田畑監督)
当初は、選手間にも戸惑いはあったが、ポルトガルやスペインへの遠征や3月のワールドカップ最終予選(タイ)を通して言葉の認識度。戦術理解度が増し、ピッチ上で反映されるようになった。日本代表はセーシェル入りした3日後の26日にタヒチ代表と、翌27日にパラグアイ代表と調整試合を行った。
7-4で勝利したタヒチ戦はFW赤熊卓弥、DF茂怜羅オズ、DF坪谷亮太が2得点ずつを挙げて好調をアピール。序盤にミスから失点が続いたが、集中力を切らさずに逆転勝ちに持ち込んだ。パラグアイ戦は第2ピリオドが0-5の想定外のスコアとなり、終わってみれば4-7の完敗劇。
FW大場崇晃とFW大田誠人が得意のダイレクトボレーで得点し、FW赤熊卓弥は自慢のフィジカルを生かしてファウルを誘い、自ら得たFKを確実に決めるなど選手個々のストロングポイントを生かしたゴールを決めたが、攻守のバランスが崩れる局面も散見された。
グループA組の日本は1日にワールドカップ初出場のグアテマラ(日本時間1日午後8時キックオフ)と顔を合わせる。2戦目の相手は2024年大会で目覚ましい躍進を見せたベラルーシ(同3日午後8時)。そして3戦目は地元ファンの後押しを受けるセーシェルと対戦する(同6日深夜0時)。「ワールドカップ出場国に弱い相手はいません。どの相手もしっかりと警戒し、油断することなく<一戦必勝>の精神で勝利を目指して戦います」(田畑監督)
本番までにさらに細かい調整を積み重ね、ベストの状態で試合に臨んで悲願のワールドカップ初制覇を決めてもらいたい――。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS オンデマンド番組情報
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FIFA ビーチサッカー ワールドカップ セーシェル 2025 グループA グアテマラ vs. 日本
配信期間 : 2025年5月1日午後7:45 ~
J SPORTS 編集部
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