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サッカー フットサル コラム 2024年12月6日

後半戦初勝利か!逆転優勝か!最終節!ナクスタ決戦! 大宮アルディージャU18×横浜FCユースマッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第22節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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大宮アルディージャU18・丹野豊芽

2024年のプレミアリーグEASTを戦う大宮アルディージャU18は、厳しいシーズンを強いられてきた。前半戦で挙げた白星は2つにとどまり、降格圏の11位に。反撃を期した後半戦もなかなか勝点を伸ばすことは叶わず、第20節のFC東京U-18戦に敗れた時点で降格が決定。来季はプリンスリーグ関東で戦うことになった。

アウェイに乗り込んだ前節の流通経済大柏高校戦は、前半だけで4失点を喫すると、後半にも2点を追加され、終わってみれば0-6の大敗。最後に勝利を収めたのは第6節の尚志高校戦。現在はリーグ戦15試合未勝利だけに、NACK5スタジアム大宮が舞台となる最終節は何としても意地を見せたい一戦だ。

シーズン序盤から優勝争いを続けてきた横浜FCユースは追い込まれていた。第17節までは順調にポイントを重ねてきたものの、第18節からまさかの3連敗を喫し、順位も2位に後退。しかもその3試合はいずれもノーゴールと、ここに来て攻撃陣に急ブレーキが掛かってしまう。

前節の相手は首位に立つ鹿島アントラーズユース。負ければ優勝の可能性が消滅するという大一番は、38分に佃颯太のゴールで先制すると、51分にも岩崎亮佑が追加点。守っては大川莱と秦樹のセンターバックコンビを中心に、相手の攻撃に粘り強く対応し、2-0で完封勝利。勝点38で柏レイソルU-18、横浜FCユース、鹿島ユースと3チームが並ぶ中、得失点差で2位に付けて最終戦へ臨むことになった。

大宮アルディージャU18で注目したいのは、今シーズンの10番を託されてきた菊浪涼生だ。開幕戦こそ欠場したものの、2節以降は全試合にスタメンで出場し、確かな技術とプレースキッカーも任される高いキック精度を武器に、チームの攻撃を牽引してきた。

高円宮杯プレミアリーグ特集サイト

前節はシャドーの位置でスタートしながら、前半の終盤からドイスボランチの一角にスライドして攻守に奮闘。大差を付けられる展開の中でも、折れることなく90分間を走り切った。前回対戦でゴールを決めているため、横浜FCユースに悪いイメージはないはず。どのポジションで出てくるとしても、今節の中盤での主導権争いに、この10番が果たす役割は決して小さくない。

もう1人のキーマンには丹野豊芽を推したい。ここまでのリーグ戦では全21試合に起用され、チームトップの4ゴールを記録。さらに前節は左ウイングバックを務めていたが、サイドハーフやシャドーでプレーすることもあり、高いサッカーIQを生かしたポリバレントさもチームの戦い方の幅を広げている。

チームの指揮を執る丹野友輔監督とは、いわゆる“親子鷹”として1シーズンを戦い抜いてきた中で、父親でもある丹野監督は夏のクラブユース選手権後に交わされた『親子のやり取り』を教えてくれた。

「『全国大会、楽しかったよ。負けたのは悔しいけど、よく頑張ったな。ありがとう』とLINEを送ったら、『勝たせられなくてごめん』みたいな返信がありました。『勝たせられるような選手になれるように頑張ります』って。『期待しているよ。頑張れ』と返信しましたけど、『いや、あなたじゃないよ。俺が勝たせるんだよ』と思っていましたけどね」

最終節は監督と選手という立場で臨む最後の1試合になる。親子で紡いできた1年間の集大成。チームにとっても、指揮官にとっても、ホームで有終の美を飾るためには、白星に飢えている丹野豊芽の躍動が絶対に欠かせない。

運命のアウェイゲームに挑む横浜FCユースでフィーチャーしたいのは、2年生アタッカーの岩崎亮佑だ。前半戦は得点数が伸びなかったが、「『自分がやるべきことをやった結果として、ゴールが付いてくるというふうに考えよう』とはコーチからも言われていたので、『ゴールだけにとらわれないように』というのは意識していました」と考え方を柔軟に変化させたことで、結果的にここまで6ゴールをマーク。前節もチームの2点目を叩き出し、勝利に結果で貢献している。

ただ、本人が意識しているのは同じ2年生の前田勘太朗が挙げている“7ゴール”という数字。最終節への意気込みを問われ、「まずは自分たちが大量得点で、無失点で勝って、笑顔で優勝できたらなというのが一番ですけど、自分としてはあと2点獲って、とりあえず勘太朗は超えたいなというのがありますね」と笑った岩崎の得点力は、逆転優勝に向けて重要なカギを握っている。

今季の横浜FCユースのゴールマウスに立ち続けてきた大亀司の存在も、語り落とすことはできない。プレミアではチーム唯一となる全21試合フルタイム出場中。鹿島ユース戦でも決定的なピンチをファインセーブで凌ぐなど、安定したプレーを90分間にわたって継続し、無失点勝利の一翼を担ってみせた。

「自分の特徴はシュートストップとか、チームを盛り上げたりする気持ちのところですね。今年は『パッション』をテーマに頑張っていて、ミスしても声を出すとか、気持ちが折れないところは意識してやっています。責任を持って、情熱を持って、というのが『パッション』のイメージですね」と語る“パッション”系守護神。大亀の打ち出すビッグプレーも、チームの勝敗を大きく左右する条件であることは間違いない。

4月から繰り広げられてきたプレミアリーグの熱き戦いも、いよいよ最後の90分間。とりわけ3年生の選手たちには、思う存分ピッチで過ごす時間を楽しみながら、勝利を目指して頑張ってほしいと思う。


横浜FCユース・岩崎亮佑

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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