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サッカー フットサル コラム 2024年11月29日

3位・ハマブルー VS首位・若鹿軍団!リーグ制覇を巡る保土ヶ谷決戦! 横浜FCユース×鹿島アントラーズユースマッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第21節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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横浜FCユース・朝見友樹

ここに来て急ブレーキが掛かってしまった。プレミアリーグEASTで優勝争いを繰り広げてきた横浜FCユースのことだ。前半戦の11試合が終わった段階では首位に立ち、後半戦も着実に勝点を積み重ねてきたものの、第18節の柏レイソルU-18戦で5試合ぶりの敗戦を喫すると、そこからまさかの3連敗。順位も3位に後退している。

前節は後半戦で最も勝点を稼いでいる市立船橋高校をホームに迎えた一戦だったが、前半のうちに先制点を献上すると、何度か手繰り寄せたチャンスも相手DFに阻まれ、クロスバーに嫌われる。終わってみれば0-1の惜敗。とりわけ3試合続けて得点が獲れていないのは、小さくない懸念材料だ。

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対照的にギアを一段階上げたのが、現在首位を走っている鹿島アントラーズユース。夏の中断期間を挟んで3連勝を収めながら、そこからは3連敗を味わったが、第17節の大宮アルディージャU18戦に3得点を奪って快勝すると、そこから怒涛の4連勝を飾って、リーグの優勝争いをリードしている。

アントラーズクラブハウスグラウンドで行われた前節の前橋育英高校戦は、開始2分に幸先良く中川天蒼のゴールで先制。そこからはやや劣勢の時間を強いられ、67分に追い付かれながらも、終盤の86分に途中出場の1年生エース・吉田湊海が決勝ゴール。公式戦7連勝と絶好調の相手を撃破して、戴冠へ向けて一歩前に出ることに成功した。

何とか連敗をストップしたい横浜FCユースでは、10番を背負った朝見友樹に注目する。リーグ初スタメンは第10節だったが、以降は中盤のメインキャストとして定位置を掴んでいるこの人のプレーは、時間と空間を操っているように見える。本人の「相手が来るまでに“1秒”の時間があったら次の選択肢を持てるので、そこの“1秒“を稼げるようなポジショニングを意識してやっています」という言葉も実に印象的だ。

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他にも「ファーストタッチは意識していますし、常にワンタッチの選択肢を持っておくことを考えながらやっています」と口にするように、フィジカル面の不足を補うような思考から繰り出すプレーは、何とも10番らしさにあふれている。このレベルで争われる真剣勝負だからこそ、“1秒”にこだわる姿勢を貫いてきた職人肌の朝見が、プレス強度の高い鹿島ユース相手に攻撃でどう違いを見せられるかは、この試合の勝敗のカギを握ってくるだろう。

とにかくゴールが望まれるのは、ここまで7得点を叩き出してリーグの得点ランキングでも上位に食い込んでいる、横浜FCユースのアタッカー・庄司啓太郎だ。昨シーズンのリーグ戦は1ゴールとなかなか結果が付いてこなかったものの、「去年に比べて自分がゴール前に入っていく回数が増えて、シュートチャンスも増えてきました」と実感しているように、ゴール前へ飛び込んでいくプレーの増加が、明確な数字に結び付いている。

チームは現在3試合無得点。リーグ戦ではここまで7ゴールを積み上げており、8月にはプロ契約も発表された前田勘太朗の欠場が続く中、この9番に掛かる期待が小さいはずもない。「個人としてはスクール1年、ジュニアユース3年、ユース3年とこのクラブにいた中で、最後の年でプレミア制覇という結果で恩返ししたいので、しっかり優勝したいですね」。アカデミーで過ごした7年間の集大成。今節の庄司にはこれまで以上にゴールが求められている。

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鹿島ユースでフィーチャーしたいのは、1年生ながらボランチとして好パフォーマンスを続けている大貫琉偉だ。リーグ開幕2試合は途中出場。第3節の流通経済大柏高校戦で初スタメンに抜擢されると、以降は同じ1年生の福岡勇和とのドイスボランチがチームの屋台骨に。本人も「自分が行く時は思い切って出ていって、自分が下がる時は勇和に行ってもらうということは意識しています」と熟成させてきた連携に手応えを感じている。

FKから決勝アシストも記録した前節の試合後には、今まで支えてきてもらった3年生への想いが口を衝いた。「1,2年生が多く試合に出ている中でも、3年生が凄くサポートしてくれているからこそ、自分たちもこうやって思い切りやれているので、3年生には絶対に優勝して鹿島のユースから巣立ってほしいですし、残りマックスでの3試合を全部勝てるように、3年生のために全力で戦います」。中盤に1本の軸を通す大貫の攻守に渡るハードワークが、この試合で白星を引き寄せるためには必要不可欠だ。

「自分自身が生きている中で、あの瞬間が一番楽しいし、嬉しいし、本当に生きがいという感じです。あの景色は本当に気持ちいいですね」。後半開始から登場し、終了間際に決勝点を挙げてみせた前節の試合後。鹿島ユースの1年生エース・吉田湊海は自らのゴールを振り返って、そう言い切った。この1点でプレミアEASTの得点ランキングトップに並んでおり、シーズンを通じて大事な得点を獲り続けている。

昨夏の日本一に輝いたFC多摩ジュニアユースから、鹿島ユースに加入して8か月あまり。今の自身を取り巻く環境にも充実感を得ているという。「練習からいつも毎日楽しいですし、練習がない日も自主練したりしていて、本当にサッカーができることは幸せだと思います。自分はサッカーが人生の中で一番楽しいからやっているので、これからも常にその幸せを感じながらサッカーに取り組んでいきたいです」

負傷明けということもあり、前節は出場にも時間制限が設けられていたとのこと。今節もスタメン起用されるか否かは不透明だが、ピッチには必ず登場するはずだ。エネルギーとパッションにあふれた16歳のゴールハンターは、きっと今節もヒーローになって、ゴールパフォーマンスを決めるイメージを膨らませているに違いない。

なお、この試合に鹿島ユースが勝った場合、1時間遅れでキックオフされる試合に臨む柏レイソルが引き分けるか、負けた時点でリーグ優勝が決定する。横浜FCユースにとってみれば、ホームで戴冠を許すのは絶対に避けたいところ。シーズンも最終盤というタイミングで訪れたビッグマッチ。バチバチにやり合う90分間が非常に楽しみだ。


鹿島アントラーズユース・大貫琉偉

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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