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多くの選手が絡んだ理想的な攻撃だった。
その後は、1人少なくなって中国の猛攻を受けて攻撃の形は作れなかったが、終盤に入って中国選手の足が止まり始めると、中盤でボールを奪って何度かカウンターのチャンスをつかんだ。
最大のチャンスは71分。一度は奪われたボールを交代で入ったばかりの佐藤恵允が再びカットして、そのままドリブルで持ち込んだ場面。その流れからゴール正面でFKを獲得し、松木がFKから無回転系のシュートで直接狙った。
佐藤は85分にも細谷がつぶれながらつないだボールをドリブルで持ち込んだが、最後のタッチが大きすぎてシュートできなかった。こうしたカウンターの場面で2点目を奪うことができれば完璧な試合だったのだが、とにかくこうした苦しい試合をチーム一丸で戦ったことで、チームの一体感はさらに増したことだろう。
さて、無事に白星スタートとなった日本としては、第2戦以降をどう考えるべきなのだろうか。
中2日で試合が続く厳しい大会だ。当然、ターンオーバーを使いながら戦うことになる。それができるところが日本の強みでもある。
では、第2戦では初戦とメンバーを変えるべきなのだろうか?
この大会で最も重要なのは準々決勝と準決勝だ。
第2戦でターンオーバーを使って韓国と戦ったとすると、その重要な準々決勝、準決勝まで選手にとっては3連戦となってしまう。できれば、第2戦でUAE(アラブ首長国連邦)に勝利して、その時点で準々決勝進出を決めてしまい、韓国戦では休ませる選手は休ませ、万全な状態で準々決勝に臨みたいところだ。
だが、中国戦ではピッチに立っていた選手たちは1人少ない分をカバーするために予想以上のハードワークを強いられた。従って、UAE戦ではメンバーを大きく変える必要があるのかもしれない。リカバリーの状況を見ながら、大岩監督以下のスタッフがどのように考えるのだろうか。
理想を言えば、ターンオーバーを使ったメンバーでUAEに勝利してグループ2位以内を決めてしまいたい。そうすれば、大会全体の流れを考えながら余裕を持って戦いを進めることができるのだが……。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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