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サッカー フットサル コラム 2024年3月26日

高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ2024 昇格チーム紹介

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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初めてのプレミアリーグへ挑む帝京長岡高校

4月6日に開幕を控えた、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024。高校年代屈指の猛者たちが集うこのステージに、今シーズンは4チームが昇格を決めている。初めての参戦となるのは、いずれもプレミアWEST所属となった帝京長岡高校(新潟)、ファジアーノ岡山U-18(岡山)、鹿児島城西高校(鹿児島)の3チーム。また、プレミアEASTを2度制した経験を有する鹿島アントラーズユースは、2019年以来となる復帰を果たした。リーグに新風を吹き込むことが期待されるこの四者の顔ぶれを、それぞれご紹介していこう。

過去5回に渡って跳ね返され続けたプレーオフの厚い壁を打ち破り、とうとう悲願のプレミアリーグへと辿り着いたのは、北信越の高校サッカーをリードする帝京長岡高校だ。高校選手権では2019年度、2020年度と全国ベスト4に入り、その魅力的なアタッキングフットボールが多くの人の共感を呼んだ越後の雄が、満を持してプレミアの舞台へと登場する。センターラインには去年のプレーオフのピッチに立った、GK小林脩晃、DF山本圭晋、MF水川昌志と実力者がそのまま残り、アタッカー陣にもFW新納大吾やFW安野匠など好素材が揃う。「高校サッカーにも小さいスペースと大きいスペースを使いながら、何よりも一生懸命ハードワークするという新しい形のスタイルがあるよということを、ちょっとでも知ってもらえればいいのかなとは思いますね」と話すのは古沢徹監督。狙うはもちろん頂点のみ。リーグ制覇を掲げた1年が幕を開ける。

同じ高体連所属のチームでは、プレミア在籍経験もあるアルビレックス新潟U-18、直後の高校選手権で躍進を遂げた近江高校を相次いで撃破し、初挑戦のプレーオフで堂々と昇格を勝ち獲った鹿児島城西高校の存在も面白い。過去には昨シーズンのJ1・MVPに輝いた元日本代表の大迫勇也を擁して、2008年度の高校選手権で準優勝を記録。昨年度もプリンスリーグ九州1部で優勝を飾るなど、毎年好チームを作り上げている。プレーオフでスタメンを張った主力の大半は卒業したものの、U-17日本高校選抜のFW大石脩斗や新チームの10番を託されているMF中村玲音、守備の中心としての役割を期待されるDF當眞竜雅など、各ポジションに軸となる選手を配置し、来たる新シーズンへ向けて意欲も十分。1年先に昇格した県内最大のライバル・神村学園高校との『鹿児島ダービー』も実現する今季のプレミアリーグに、“半端ない”城西旋風を巻き起こせるか要注目だ。

5年ぶりにプレミアリーグへと帰ってきたのは、この年代での実績も豊富な鹿島アントラーズユース。2023年シーズンは1試合平均3点を超える圧倒的な攻撃力で、プリンスリーグ関東1部制覇を達成。さらにプレーオフでも瀬戸内高校に5-1、ベガルタ仙台ユースに7-0と2試合続けての大勝を収め、高校最高峰のステージ帰還を掴み取った。来シーズンからのトップ昇格が発表されている、得点感覚に優れたストライカーのFW徳田誉と1対1の対人守備に強さを発揮するDF松本遥翔という、昨年のFIFA U-17ワールドカップにも出場した2人の主役候補に加え、年代別代表常連のレフティDF大川佑梧、昨季から守護神を務めるGK岸野瑛太、大物ルーキーの呼び声も高い1年生MF吉田湊海など、注目選手も多士済々。クラブのレジェンドとして知られる柳澤敦監督の下、2015年と2018年にはEAST優勝を手にしている名門の躍動は、今年のプレミアをより活性化させてくれるに違いない。

初めて臨んだプレーオフを逞しく勝ち抜き、プレミアリーグへの挑戦権を手繰り寄せたファジアーノ岡山U-18。昨シーズンは春のフェスティバル・イギョラカップで優勝を果たすと、夏のクラブユース選手権でも全国4強を経験するなど、着実に伸ばしてきた実力が大きく花開く1年となった。チームのベースは「アグレッシブにゴールを目指し、アグレッシブにボールを奪いに行く」(梁圭史監督)スタイルの徹底。中盤で存在感を打ち出すキャプテンのMF藤田成充を中心にボールを動かしながら、MF三木ヴィトル、MF磯本蒼羽の両翼を生かした素早いアタックも特徴的。攻撃陣にはMF南稜大、FW石井秀幸とプレーオフでも得点を奪った選手が並び、最終ラインは昨年からディフェンスリーダーを任されているDF川上航生が引き締める。「仲間と協力しながらファジアーノの新しい歴史を創っていく年にしたいです」(石井)。ファジレッドのユニフォームを纏った若武者たちが、新たな歴史を自分たちの足で切り拓く。

プレミアリーグ初参戦のファジアーノ岡山U-18は新たな歴史を創る

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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