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サッカー フットサル コラム 2023年12月12日

久保建英がビジャレアル戦で1ゴール1アシスト、今季初の右足でのゴール

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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久保建英が右足でゴール

久保建英が右足でゴール

沈黙していた久保建英がビジャレアル戦で1ゴール、1アシストを挙げた。ゴールは9月30日以来、アシストは10月21日以来だった。

“復活”のカギは右足だ。これまでの5ゴールはすべて左足、今季初めての右足でのゴールだったのだ。

今の久保は対策されている。具体的な内容は以下のようなものだ。

①ウェイティング。足下へ跳び込まない
かつては逆だった。パスを受ける瞬間に足下へ激しくいく、が鉄則だった。だが、トラップ&フェイントが巧みで一発でかわされるか、イエローをもらうかでは割に合わない、という考え方が今では浸透。ウェイティングでドリブルのコースを塞ぐと同時に、時間を稼ぐ、が鉄則となっている。

②2人で対応。左足のコースを塞ぐ
時間を稼いでいる間に、寄せて来た仲間と2対1を作る。久保の利き足は左。左足からの巻いて行くシュートとセンタリング、対角線ドリブルの怖さは知れ渡っているので、久保から見て左側のコースを重点的に切る。

以上2つの対策に加えて、フル出場による疲れ、左サイドのバレネチェアの好調、サディクとのコンビが確立されていないことが重なって、最近ゴールとアシストでの存在感が薄れていたのだと思う。

久保の方も無策だったわけではない。

左を塞がれることに対して彼は、間を作って味方の上がりを待ち、2列目から走り込むブライス・メンデスやスビメンディに水平パスを送りシュートを打たせて攻撃に貢献していた。とはいえ、それは素晴らしいチームプレーであっても、久保らしい決定的なプレーではなかった。

もっと縦へ仕掛けるべきでは?と思っていた。

左側を切られれば、右側は空いている。あの得点シーンのように左足でボールを前へ送り出し、右足で突っついて縦へ仕掛ければ、かなりの確率で突破できるはずだ。

抜けた後のシュートやセンタリングは必然的に右足で蹴ることになるが、左足には劣るものの右足も悪くない(少なくとも鍛える価値がある)。それに、左=対角侵入や左足のキックだけでなく、右=縦への突破と右足のキックも怖いと思わせれば相手が迷う。迷えば得意の左へのマークも当然甘くなる。

右足は久保に新しい世界を開いてくれるだろう。

デンベレが去った今、両利きのドリブラーはラリーガにはグリーン・ウッド(ヘタフェ)しかいない。ロドリゴ(レアル・マドリー)がその域に近づきつつあるがどうなるか?

対策され、それを乗り越えることで久保は成長してきた。守備が苦手で、ドルブルだけが怖かった時代から、守備も穴を開けないし、パスもセンタリングもシュートも怖い時代へと進化した(あるいは、攻撃の柱なので守備の負担を減らしても良い時代に進化した)。

次のステップは右足だ。ドリブルで右にも抜けられるようになれば、久保のレベルは一段上がり、キックが遜色なくなれば二段上がる。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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