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サッカー フットサル コラム 2023年11月19日

FIFA U-17 ワールドカップ現地レポート「ここからが本当のワールドカップ」。日本は16強でスペインに挑む

サッカーニュース by 川端暁彦
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FIFA U-17ワールドカップは18日にグループステージの全日程を終了。16強が出そろった。森山佳郎監督が常々強調してきたように、「ここからが本当のワールドカップ」である。

優勝を狙うクラスの各国がアクセルを踏み込み、本気の生き残り合戦が始まる。負けても次があったグループステージとは明らかに温度感の違う戦いになっていく。

「A代表もグループステージを突破した次の試合(ノックアウトステージの初戦)で勝てていない。グループを抜けてホッとしてしまうようなチームはここで消えていく。この年代から、グループステージを突破するだけでなく、その先で勝つということにチャレンジしていく必要がある」

大会前、森山監督はこう語っていた。グループステージ突破を目標としていた時代と今の日本サッカー界の立ち位置は違っている。選手たちもここで満足する空気感はない。「次」を本気で獲りにいくのは大前提だ。

ただ、安楽な「次」でないことも間違いない。相手は欧州の伝統国、スペイン。先日、バルセロナのトップチームにおける史上最年少ゴールを記録したFWマルク・ギウを筆頭に、ハイレベルなタレントひしめく好チーム。簡単に勝てるような相手でないことは間違いない。

加えて言えば、スペインはこの試合に向けて中3日、日本は中2日という日程面のアドバンテージもある。さらに言うと、スペインはウズベキスタンとの第3戦で主力の大半を温存させており、準備万端。第1戦と第2戦も相手が前半のうちに退場して一人多い状態での試合を続けて優位に試合を進めており、消耗も小さい。まさに準備万端だ。

ラウンド16の開催地となるスラカルタは、古の呼び名を「ソロ」と言い(現在も一般的な通称として使われている)、かつてマタラム王国の都として栄えた古都であり、「日本で言う奈良とか鎌倉」の立ち位置の町だという。伝統的な町並みや寺院が残っており、観光地として知られている。

FIFA U-17 ワールドカップ

ジョコ・ウィドド大統領の故郷ということもあって道路や駅などはしっかり整備されており、決勝戦も行われる会場として何か不自由することはなさそうだ。

ただ、ここへ行くのは簡単な道のりではない。

移動なしのスペイン代表と異なり、日本チームはバンドンで行われた17日のセネガル戦から一夜明けた18日に首都ジャカルタまで車で3時間ほどかけて移動してそこで一泊。翌日19日昼の飛行機でスラカルタ入りし、夕方に空港から練習場へ直行してスペイン戦に向けたトレーニングを実施し、20日夜の試合に備える。強豪スペインとの対戦を前に移動日にこなす1度の軽いトレーニングしかないのは痛手だろう。

もちろん日程の優位が試合の結果にそのまま反映されるというわけでもなく、2019年にポーランドで行われたU-20ワールドカップでは、日程面で大きなアドバンテージを持っていた日本がラウンド16で韓国に苦杯を舐めた。やることを絞るしかない短いトレーニングで実効的な準備をできるかどうかが問われる。A代表のアジア予選ではありがちなシチュエーションでもあり、これも一つの財産になる経験と前向きに捉えるべきだろう。

日本時間20日21時から始まる「本当のワールドカップ」。不利な条件下で欧州の強国スペインに「本気で勝ちに行く」日本の17歳を是非その目で観てもらいたい。

文:川端暁彦

写真:J SPORTS取材班

川端暁彦

フリーランスの物書き。主にサッカーの育成年代の取材を継続的に行っており、各種媒体に寄稿している。

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