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サッカー フットサル コラム 2023年11月17日

「後半戦2位」と「後半戦1位」の絶好調対決! 柏レイソルU-18×尚志高校マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第20節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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柏レイソルU-18の右サイドバックを務める大木海世

柏レイソルU-18が好調だ。後半戦に入ってからの8試合は6勝1分け1敗で、勝ち点19を獲得。このポイントはプレミアリーグEAST全チームの中でも2位の数字であり、とりわけ第14節では4連勝中だった首位・青森山田高校のアウェイに乗り込み、5-3で打ち勝つという衝撃的な試合を繰り広げている。

以降も第17節でFC東京U-18を4‐1で退けると、第18節は大宮アルディージャU18を3-0で下し、第19節でも流通経済大柏高校との“柏ダービー”に4-0で快勝を収めており、目下3連勝中。後半戦の8試合で26得点を叩き出すなど、今のプレミアの中で一番攻撃力が充実しているチームだと言っても過言ではないだろう。

ただ、その柏U-18を上回る勢いで優勝争いを演じているのが、昇格組の尚志高校。後半戦は7勝1分けと無敗を継続中で、記録した22ポイントはEASTでもダントツでトップ。リーグ5連勝で迎えた第15節の市立船橋高校戦こそ引き分けたものの、第16節で前橋育英を、第17節で昌平高校戦を撃破して、再び連勝を飾る。

第19節は8月に前倒しで行われていたため、実質の前節に当たる第18節では青森山田とホームで激突。この試合ではスピードスターの安齋悠人が1ゴール1アシストの活躍を見せ、首位攻防戦に2-0と勝利。現在はその青森山田と1ポイント差の2位に付けており、チームを率いる仲村浩二監督も「(第12節の)FC東京に勝ったあたりから、『頂点を狙いに行こう』と言いました」と明言。昇格即優勝もいよいよ現実味を帯びてきた。

圧倒的な攻撃力を披露し続けている柏U-18では、2人のサイドバックに焦点を当ててみたい。まず、右サイドバックを務めているのは大木海世。背負った11番という数字が示すように、もともとはフォワードを主戦場に置くアタッカーだが、第8節の大宮アルディージャU18戦でいきなり3バックの右CBで起用されると、以降も最終ラインに定着。第12節からは4バックに移行したチームの中で、右サイドバックに指名され、新境地を開拓している。

本人は大宮U18戦を振り返って、「マグネットがいきなり一番後ろにあって、メッチャビックリしました」と苦笑いを浮かべるが、藤田優人コーチが「1年の時にJユースリーグでセンターバックをやらせたことがあるんですけど、その時にものすごく良い感触はあったんです。この世代の中では運動能力的なポテンシャルは一番あって、僕は個人的にはサイドバックの方がプロもあるかなと思っています」と7月の時点で話していたことを考えれば、現在の起用法も納得。ダイナミックな右サイドバックとして成長を続けている。

そして、左サイドバックの定位置を掴んだのは10番を付けているレフティの関富貫太。クラブユース選手権の関東予選敗退を経て、“4部練習”の日もあったという夏の合宿を境に、新ポジションへトライすると、高い技術と優れたプレービジョンを武器に、左サイドでゲームを作る役割を担っている。

これまでは右サイドハーフでの出場が多かったが、「もともと右サイドハーフだったので、(対面の)左サイドバックにやられたら嫌だったことをやっています」という言葉も頼もしい。第15節の前橋育英戦では左サイドをワンツーで抜け出し、きっちりゴールもゲットするなど、『点に絡めるサイドバック』としても存在感を高めている。11番の右サイドバックと、10番の左サイドバック。新たなレイソルの“両翼”から目が離せない。

青森山田を追撃する意味でも、勝ち点3獲得が求められる尚志のキーマンには、まずボランチの藤川壮史を推す。ここまでのリーグ戦では5ゴール4アシストを記録するなど、得点に関われる攻撃性が持ち味。プレースキッカーとしても右足から繰り出すストレートボールで、何度もゴールを演出してきた。

現在は第16節から3試合連続得点中。個人としても好調をキープする中で、今節はドイスボランチを組んできた神田拓人がU-18日本代表のスペイン遠征で不在になるため、より一層の攻守に渡る躍動が期待される。また、中学時代にFCラルクヴェール千葉でプレーしていた藤川にとって、柏でのゲームはある意味での“凱旋試合”。この14番が右足から放つキックには、大いに注目してほしい。

不動の左サイドバックを務め上げている白石蓮の存在も語り落とせない。藤川が右から右足でCKを蹴り入れるのに対して、レフティの白石は左CKを左足のストレートボールで放り込み、チャンスを作り出す。自身でもストロングポイントにはキックを挙げており、先日の高校選手権福島県予選決勝では完璧な直接FKでゴールを陥れるなど、この人も得点に直結するプレーに魅力が滲む。

キャプテンの渡邉優空がベンチスタートの時は、キャプテンマークを巻くことも多く、「ゲームキャプテンを任せてもらっているからには、それなりに仕事しないといけないですし、チームをまとめることや士気を上げることは意識しています」という副キャプテンは、チームメイトからの信頼も厚い。

「尚志で高校3年間やってきて、小室(雅弘)コーチも『ここで自分たちが出会ったのは運命なんだ』という話をされていましたし、もうここでやれるのもあと数か月しかないので、もっとチームとしても成長して、タイトルを獲って高校を卒業したいと思います」と話す白石の左足と藤川の右足は、間違いなく試合の勝敗を左右する大きなチームの武器だ。

前述したように後半戦は柏U-18が8試合で26得点をマークしているのに対して、尚志が8試合で喫した失点はわずかに3点のみ。攻撃に自信を持つホームチームと、守備の安定感が際立つアウェイチームの邂逅は、好ゲーム必至。『後半戦2位』と『後半戦1位』がぶつかり合う、絶好調対決を見逃すな!

尚志高校・藤川壮史

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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