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サッカー フットサル コラム 2023年11月16日

【ハイライト動画あり】FIFA U-17 ワールドカップ現地レポート 日本代表、次戦は負けが許されないゲームシチュエーション

サッカーニュース by 川端暁彦
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毎日のように豪雨がやって来る。U-17ワールドカップが行われているインドネシアは、いわゆる「雨季」に突入しており、日本の方にわかりやすく言うと、「ゲリラ豪雨」がどこでも常に来るようなイメージだろうか。

日中は結構な暑さになるが、雨が来るとグッと冷える。ピッチ状態も当然変化するし、風の様子も一気に変わったりすることになるので、選手にとってもスタッフにとっても、なかなか難易度の高い時期である。いまこの原稿を書いているまさにこの瞬間も実は豪雨のカフェの中。移動するのが10分遅かったらびしょ濡れだったなんて会話を交わしていたところだったりする。

アルゼンチンとのグループステージ第2戦は、そうした「雨季」の影響を大きく受けることになった。同会場の第1試合として行われていたセネガルとポーランドの試合が荒天の影響で中断に。この煽りを受ける形で日本とアルゼンチンの試合も開始時間が遅れることとなった。

「最初は『キックオフは1時間遅らすから』と言われてゆっくり試合を観ていたら、『やっぱり15分遅れにした』と言われて慌てて用意したら、次に『30分遅れだわ』と言われてまたウォーミングアップのやり直しになった」

森山佳郎監督が苦笑いとともにそう振り返ったように、これが日本の序盤のパフォーマンスに影響した面はあるだろう。日本は欧州や南米の“常識”とは異なる入念に時間をかけたウォーミングアップ(とクーリングダウン)が国内の各チームの試合でも根付いていて、内外のギャップが大きい部分だ。言い訳材料にはならないのだが、左右されてしまう部分があったのは否めない。

 

個人的にはこの過剰なウォーミングアップ文化自体を見直すべきなのではと思っているのだが、それはまた違う話になってくるので別稿に譲ろう。いずれにしても、この「いつでもどこでもゲリラ豪雨」とどう向き合うかは、この土地で戦う上での重要な課題だ。

FIFA U-17 ワールドカップ

日本は第2戦を前にトレーニングを午前中に設定するようになったのは、この雨対策の一つ。雨の中で練習しても消耗してしまう上に、負傷のリスクも跳ね上がる。さらに言うと、午後のトレーニングをしようとすると各国の練習場リクエストがバッティングするので、「バスで1時間以上かけて移動するグラウンドを割り当てられる可能性がある」(代表スタッフ)という懸念もある。このため、トレーニング時間自体をズラして対応することにしたわけだ。

【ハイライト動画】日本 vs. アルゼンチン|FIFA U-17 ワールドカップ インドネシア 2023 グループD

こうしたバックヤードの部分でも国際大会を戦うのにモノを言うのは経験値。東南アジア開催でどうしてもつきまとう腹痛への対処などのメディカルな要素も含め(16日の練習でも、スタッフの一人が腹痛でお休みになっていた)、ピッチ外での対応能力も問われることになる。やはり国際大会は総力戦なのだ。

そうして迎えるセネガルとの最終戦、見どころはシンプルに相手のスーパータレントにどう対応するかというのが第一だろう。スピードやパワーなど傑出した能力を持つ選手がズラリと揃うアフリカ王者の潜在能力は大会全体でもピカイチのもの。10番を背負うA代表選手の15歳、アマラ・ディウフに注目が集まるが、彼のワンマンチームというわけではない。

 

「時速35km」を計測するスピードスターの右FWヤヤ・ディエメ、すでにA代表デビュー済みの大型MFダウダ・ディオングなどその陣容は多士済々。守備に関しては隙も多いチームだが、個と個のぶつかり合いとなったときに勝算が薄くなるのは当然で、「コンビネーションやポジショニングで上回る必要がある」(森山監督)。

ただ、チームのムードは決して悪くない。アルゼンチン戦は序盤の攻防に大きな課題を残したとはいえ、試合を通して圧倒されたというわけではなく、後半はむしろ日本が内容面で上回る試合を見せた。大会を通じて選手たちは手応えは得ているだけに、この成果をノックアウトステージへと繋げたい。

 

「負けが許されないゲームシチュエーション」(森山監督)で迎えるグループステージ最終戦は、言い換えれば最高の成功経験を得られる場でもある。大会の優勝候補であるアフリカ王者を向こうに回し、U-17日本代表は最大の正念場を迎えることとなる。

文:川端暁彦

写真:J SPORTS取材班

川端暁彦

フリーランスの物書き。主にサッカーの育成年代の取材を継続的に行っており、各種媒体に寄稿している。

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