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FIFA U-17 ワールドカップ インドネシア 2023 U-17日本代表 柴田翔太郎選手(川崎フロンターレU-18)インタビュー
土屋雅史コラム by 土屋 雅史
11月10日に開幕を迎えるFIFA U-17 ワールドカップ インドネシア 2023。堂々とアジアを制して世界と戦うための切符を手繰り寄せたU-17日本代表は、全員が人生で初めての世界大会となるワールドカップを控えて「世界で7試合戦う」、すなわちベスト4以上という目標に向けて、士気を高めている。そんなチームで4つのポジションをマルチにこなす柴田翔太郎が、大会へ向けての意気込みを語る。
――U-17ワールドカップに臨む日本代表のメンバーに選ばれた率直な感想から教えていただけますか?
「まずはメンバー入りを知った時はホッとしましたし、ケガもありながらワールドカップの前までの期間を過ごしていたので、少し不安もありましたけど、まず1つホッとしたのが率直な感想です」
――プレミアでも後半戦に入ってスタメンを取り切れない時間があったと思うんですけど、そういう意味でも代表入りへの不安はありましたか?
「そうですね。(U-17日本代表の)フランス遠征から帰ってきて、手応えもありながら、『ワールドカップに向けて準備するだけだ』と思っていたんですけど、ケガもあって、帰ってきてからなかなかプレータイムが伸びなかったので、本当にギリギリまで心臓バクバクというか(笑)、本当にドキドキしていたんですけど、ホッとしています」
――まずアジア予選をしっかり勝ち抜けたことに対してはどういう想いがありましたか?
「本当にアジアの戦いは、もしかしたらワールドカップよりもある意味で厳しい戦いで、その中でファイナルに行って優勝できて、一戦一戦成長できた中でも自信を持って日本に帰ってこられたので、アジアカップの経験は本当に大きかったと思っています」
――大会を優勝して、アジアを制覇できたことに関してはどう感じていますか?
「まず1つ目の目標としてワールドカップの切符を獲ることはあったんですけど、僕は『優勝してワールドカップに行くことに意味がある』と思っていて、(森山佳郎)監督からも切符を獲ったあとに『ここからがスタートだぞ』と言われましたし、優勝を成し遂げられたのは良かったなと思います」
――その優勝に対して、自分はどういう形で貢献できたなと思っていますか?
「初戦のウズベキスタン戦はベンチで90分間出場機会がなかったんですけど、その悔しさから始まった大会でした。でも、何とか自分が生き残るためにも結果を残して、チームが優勝するために頑張ろうと思ってやっていたので、結果が多く付いてきたかと言えばそうではないと思うんですけど、アシストという結果も残せましたし、そういうところでちょっとは貢献できたのかなと思っています」
――U-17ワールドカップは代表のみんなが初めて戦う世界大会だと思うんですけど、この大会にもともと持っていたイメージはありますか?
「06ジャパンが立ち上げられたのはU-15の時で、2年前だと思うんですけど、その時からもうU-17ワールドカップに行くぞということを監督から話されていた中で、2年前はそこに自分がいるとは全然考えていなかったですし、『代表に1回行ければいい』と思っていたんですけど、何回も活動に参加するたびに、ワールドカップに対する想いは強くなっていきましたし、やっと世界と本気で戦えるところに来たなと思っているので、楽しみですね」
――自分の中ではこの大会をどういう位置づけの大会として臨みたいですか?
「キャリアの中でも、こうして若いうちに世界のトップレベルと真剣勝負ができるというのは自分にとっても大きな経験になると思いますし、ここを踏み台にすれば本当に凄い世界が待っていると思うので、ワクワクした気持ちがメッチャありますね」
――今回のグループステージの相手はポーランド、アルゼンチン、セネガルです。率直にこの3つのチームと対戦できることはいかがですか?
「抽選会もライブで見ていた中で、日本がポット1に入って、そこに入ってきた相手が強豪と言われる国だったので、『おお!来たか!』と思いましたけど、ちゃんと考えればそんな国と真剣勝負をできるチャンスもそんなにないので、自分たちも海外遠征を積み重ねて、やれる自信も本当にありますし、ここを突破したら本当に上まで行けるのではないかと思うので、もう楽しみでしかないですね」
――特にこの3か国の中で対戦を楽しみにしているチームはありますか?
「うーん、セネガルは本当に身体能力が高いですし、この年代だとそういう身体能力1つで勝負が付いてしまうような試合もあると思うので、特にサイドの選手というのはスピードもありますし、自分もマッチアップする相手なので、それを止めてやりたいなという想いはあります。アルゼンチンは、南米の相手とやったことが自分はないんですけど、映像を見た中で力強さや球際の強さ、バトルのところが多くなりそうで、そういうのは個人的に好きなので、バチバチやり合いたいなと思います。
――今回のU-17日本代表のチームの雰囲気はいかがですか?
「ワールドカップがある世代だったので、活動回数も多かったですし、メンバーもそんなにガラッと変わるわけではなくここまで来たので、チーム全員が仲が良いですし、誰と話しても盛り上がるというか、落ち込んでいる日がないですね。監督もそういう人なので(笑)、みんなで元気にやれているなと思います」
――あのグループの中で柴田選手の立ち位置はどんな感じですか?
「結構イジられる時に使われているような感じはあるんですけど(笑)、それもチームの雰囲気が良くなるためだったら『全然やります!』というような感じです。
――イジらせてあげているという感じですか?(笑)
「最初はそんな立ち位置でもなかったんですけど、U-16、U-17と進んでいく中で日に日にそういう立ち位置になってきましたね。そんなに嫌ではないですよ(笑)」
――チームで特に仲の良い選手はいますか?
「FC東京の佐藤龍之介選手やヴェルディの山本丈偉選手は、代表の活動期間中もずっと部屋で一緒にいたりしますね。昔からこの世代は関東の選手が多かったこともありますけど、名和田我空選手や吉永夢希選手の神村(学園)組とも話します。でも、みんな仲が良いですね。挙げたらキリがないです。小杉啓太選手(湘南ベルマーレU-18)も熱いので、よく話します」
――部屋ではどういう話をしているんですか?
「アジアカップの時は夢希がゲームを持ってきていたので、試合が終わったらみんなで集まって、試合より元気だったんじゃないかなというぐらい(笑)、6,7人で遊んでいました。ずっとみんな元気なんですよね」
――サッカー面で自分が担いたい役割についてはどう考えていますか?
「両サイドバックと両サイドハーフの4つのポジションができるというのは自分の強みとして持っていますし、その中で今は右のサイドバックをやることが多いですけど、仕掛けてからのクロスの質やキックの質は自分が自信を持ってやれているところなので、それをあとはワールドカップの舞台で発揮するだけだなと思っています」
――4つのポジションで一番やりたいところはあるんですか?
「それはよく聞かれるんですけど、両サイドによって景色が違うことも僕にはないですし、4つのどこで出ても自分の良さを出せると思っています。でも、サイドバックで勝負したいというのは想いとしてあります」
――改めてこのワールドカップで掲げている目標と、そこに対して自分がどういう形で貢献したいかを教えていただけますか?
「U-16の時から『ベスト4を目指す』と監督が言っていて、それがU-17になって、アジアカップが終わって、『ファイナリストになる』という目標に変わっていきました。その目標もあるんですけど、個人的には本当に優勝したいと思っていますし、世界一になるなんて人生で1回経験できるかできないかだと思うので、個人的には優勝するつもりでいます」
――具体的な数字の成果目標はありますか?
「アシストの数は自分がこだわっているところですし、それに結び付くクロスを上げる回数も必然的に増やしていかないといけないと思っているので、特に目標というのはないですけど、アジアカップは2アシストだったので、それは超えたいなと思っています」
――今回のU-17日本代表を応援してくれるファン・サポーターにメッセージをお願いします。
「いつも応援ありがとうございます。今回このワールドカップという舞台に自分が来られたことを凄く誇りに思いますし、それと同時に日の丸を背負って世界で戦うという覚悟も必要だと思うので、その責任を持ってプレーしたいですし、自分はサイドでの仕掛けとクロスの質が武器なので、そこを本当に見て欲しいです。自分のクロスからアシストして、日本の勝利のために貢献したいですし、自分たちは面白いサッカーをできる自信もあって、勝ち続けていける自信もあるので、自分たちの戦いに注目して欲しいと思います。是非応援よろしくお願いします!」
文:土屋雅史
土屋 雅史
1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。
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