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最近の浦和は前線の誰もがシュートを決められるようになってきている。そして、菅澤も自らの得点にこだわらずにポストプレーで味方のシュートチャンスを作る役割をこなしているが、その形が結実したのがこの2点目だった。
そして、後半には60分、77分にともに清家貴子が決めて大宮を突き放した。
60分のゴールは中盤で相手ボールを奪っての得点なので、直接的には大宮のミスによるものだが、ミスを誘発したのは浦和の前からのプレッシングによるものだった。
大宮が浦和側から見て右サイドでなんとかパスをつないだのだが、複数の浦和の選手が取り囲んでプレスをかけてパスコースを限定。なんとかつないだものの、パスを受けた大宮のMFにはスペースがなく、そのボールをバックパスしようとしたところを見逃さずに清家が俊足を生かしてカットしたのだ。
味方がしっかりと組織的にプレスをかけたので、清家にはパスのコースが見えていたのだろう。
この試合を通じて、浦和が前線からプレスをかけて相手のパスコースを限定して、中盤の高い位置でボールを奪って攻撃につなげるという場面も何度かあった。
「どこでプレスをかけ、どこでボールを奪うのか」という意識が選手たちの間で共有できていたからこその守備だ。
1人の選手が個人的にプレスをかけるのではなく、連携してプレスをかけて最後に狙い通りのポイントで奪い取る……。強い時の川崎フロンターレの試合でもよく見られた光景だった。
現在の「強い川崎」のベースを作った風間八宏前監督は、そういった場面について「目がそろっている」という表現をしたものだ。全員が同じビジョンを持ってプレーしているからこその守備であり、また奪い返してからの攻撃なのである。
浦和レッズレディースというチームはもともとレベルの高い、個性に溢れる選手たちの集まりだった。
ワントップには国内ではトップレベルのフィジカルの強さで勝負でき、ボールを収めることができる菅澤がおり、トップ下には精力的に動いて精密なパスを繰り出す猶本がいる。
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