人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サッカー フットサル コラム 2023年5月25日

福田師王+大迫塁への大いなる挑戦。神村学園高校・西丸道人が漂わせる唯一無二の存在感 【NEXT TEENS FILE.】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
  • Line

引き継いだのは、福田が背負った“13番”だけではない。セレッソ大阪でプロの道へと足を踏み入れている大迫塁が巻いていた“キャプテンマーク”も、西丸の左腕に収まっているが、とりわけその重みを感じたのは、2月に開催された九州新人大会の時だったという。

「決勝の鹿児島城西戦で0-3で負けていた時にメンタルが折れたというか、『オレ、今日点獲れるのかな……』みたいな気持ちでずっとボールを追い掛けていた時間もあって、『キャプテンってキツイな』と思ったんです。その時は自分が声を出せなくて、チームも誰も声を出せなかったので、『それが今の自分の仕事なんだな』と感じたら、凄く難しいなって」。

それでも、その経験を無駄に終わらせるような男ではない。前述したプレミア開幕戦の鳥栖U-18戦も、3点を先行される展開を強いられたものの、西丸はチームメイトを鼓舞し続け、自ら1点差に迫るゴールを叩き込む。「鳥栖戦では0-3になった時に、『オレがやるしかない』と思ってやれていたので、それは九州新人からキャプテンとして少し成長しているのかなと思います」。福田と大迫。2人の偉大な先輩が担っていた役割を、一手に担い切る覚悟ももうとっくに整っている。

まだ年代別代表の招集歴はないが、意欲も十分。「前まではU-18の代表と聞くだけで『オレには無理やろ』と思うところもあったんですけど、ここに来て『やれるな』という実感はあるので、もっともっとプレミアで結果を残して、そこに食い込んでいって、ストライカーとしても世代の中心になっていかないといけないと思っています」。実際にこの活躍を考えれば、そのタイミングが来るのもそう遠い日のことではなさそうだ。

世代最高峰のステージは、新たな感覚を突き付けてくれている。「プレミアの試合だと勢いでは勝てないので、『相手をちゃんと見てサッカーするようになっているな』と感じています。プリンスの時より頭を使っていますし、今までならドリブルでゴリゴリ行くところを、パスで掻い潜ったりというところで、1つ1つのレベルが上がっていくことで、間違いなく成長できているなと思っています。これからもメチャメチャ楽しみですね」。すべては成長するために必要な種。この先で咲かせる大輪のために、あらゆることを吸収する貪欲さもしっかりと携えてきた。

1月の日本高校選抜で知り合った“先輩”たちからも、このゴールラッシュに対して連絡があったという。「和之介くん(古田和之介・履正社高校→関西学院大学)にも『オマエ、獲り過ぎやろ』と言われましたし、絆くん(小湊絆・青森山田高校→法政大学)も『オマエ、超えるなよ』みたいに言うんですけど、『オレは30点獲ります』と言っておきました(笑)」。

今のペースで得点を奪い続ければ、30点だって決して現実味のない数字ではないはずだ。神村学園の13番でキャプテン。西丸道人には周囲が思わず期待したくなるような、唯一無二の存在感が常に漂っている。

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ