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サッカー フットサル コラム 2023年4月24日

前節からの改善でレアル・ソシエダはラージョに2-1で勝利、久保は後半17分から出場

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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後半30分に投入された久保建英とアルグアシル監督

後半17分に投入された久保建英と指示を出すアルグアシル監督

先週のコラムで書いた、「久保建英が先発落ちする」、「[4-3-3]でスタートし3トップは左バレネチェア、中央セルロート、右チョー」というのは、右がオヤルサバルだった点を除いて当たった。

前日の会見でアルグアシル監督が、「最も得点力のあるメンバーで臨んだ前半よりも、「[4-3-3]の後半の方がチャンスが多かった」と言っていたので、まあ先週の分析と同じ様な見方をしていたということ。

試合から改善点を見つけ出して修正する、というのは監督の仕事の基本である。

結果は2-1で勝利。失点はCBの個のミス、得点はいずれも左SBアイエンのセンタリングからのヘディングシュートによるものだった。

SBがセンタリングできる状況にした、というのは[4-4-2]から[4-3-3]へのシステム変更の効果だった。というのも、サイドに開いてグラウンドを広く使うことができていたからだ。

メカニズムは大まかに以下の通り。
当初、左右のウインガー、バレネチェアとオヤルサバルはスペースのあるライン際まで開いている。彼らが開くことで内側にいるMFスビメンディ、シルバ、メリーノにスペースができる。この状態からウインガーとMFの間でボールを触りながら前進する。

ボールが敵陣に入る頃には、SBが上がるために十分な時間ができている。
ここでウインガーが内側に切り込んで来てサイドのレーンを空ける。そのレーンを通ったSBが攻撃参加し攻撃に厚みを加える。フィニッシュは、SBからのセンタリングを3トップとシルバ、2列目からメリーノが仕留める形で行う。

こう書くと、良いことばかりのようだが、もちろん欠点もある。内側にスペースがあるのでここでボールロストすると、中央の守備が薄く危険なカウンターを喰いやすい。

昨日のソシエダはこの欠点を(1)ファウルで止める、(2)SBの攻撃参加は1人だけで、もう1人のSBは後ろに残る、というやり方でケアをしていた。

久保の出番は残り30分だけだった。日本のファンにするともの足りないだろうが、チームを活性化して流れを変えるには、必要なベンチスタートだった。

ドリブルは相変わらず切れている。守備時のプレスにも、チームメイト同様、いつも以上に意欲的だった。あまり審判に抗議せず切り替えが速かったのも良かった。結果が出たチームはいじりたくないので本来なら次もベンチスタートだが、次節は25日火曜ということで、休養した彼に先発が回ってくるかもしれない。

「育成年代では試合は不要」と言う人がいる。だが、それでは成長のルーティーンが壊れる。
前の週末よりも次の週末に良くするために練習メニューを組み、総合的にベストの先発を選ぶというのが、1週間の監督の仕事。まとめて練習できるプレシーズンを除けば、このルーティーンを繰り返すことでシーズンが深まり、チームと監督と選手が成長していく。

週末の試合は、「子どもたちのお楽しみ」という以外に、「改善点発見と成長具合査定の機会」になっているのだ。毎週目新しい目標が無いのは、監督にとっても子どもにとっても不幸なことだ。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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