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サッカー フットサル コラム 2023年4月7日

シーズン初勝利の鍵を握るのは“トップ下”と“守備の軸” 昌平高校×柏レイソルU-18 マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第2節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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昌平のキャプテンを務める石川穂高

開幕戦はともに勝利を収められなかっただけに、シーズン初白星を真剣に狙う昌平高校と柏レイソルU-18が対峙する一戦は、プレミアリーグでは初めて昌平高校グラウンドがその舞台となる。

今シーズンが初昇格となる昌平は、プレミアデビューとなったFC東京U-18戦を1-1と引き分け、勝ち点1をアウェイから持ち帰った。4分に土谷飛雅のフィードから、裏抜けに定評のあるストライカーの小田晄平が、幸先よく先制弾を奪う。だが、14分に失点を喫して追い付かれると、以降はペナルティエリア付近まで迫るものの、なかなかシビアなゾーンには侵入しきれない。後半には相手の決定的なシュートがポストを叩く幸運もあってドロー決着となったが、やや消化不良感の残るゲームだったのではないだろうか。

一方の柏レイソルU-18は、ホームで青森山田高校に0-5という大敗を喫することになった。前半のうちにセットプレーから2点を失い、ボールを最終ラインで動かしながら、両サイドのアタッカーを高い位置へ押し出したい意図は窺えるも、なかなか前でポイントを作るまでには至らず、試合を通じてのシュート数はゼロ。後半にも3失点を重ね、悔しい黒星スタートとなった。

スタイルは異なるものの、攻撃的なサッカーを貫きたい両チームの対戦。まずはお互いの“トップ下”を務めるアタッカーに着目したい。昌平の10番を託されているのは長準喜。昨シーズンはボランチやサイドハーフを務めることもあったが、今シーズンは希望していたトップ下のポジションに収まり、チームのアタックにアクセントをもたらしている。

自身も認めるストロングポイントは「ドリブルからのチャンスメイク」。高い技術とアジリティで相手陣内をギュンギュン切り裂いていくドリブルは、プレミアでも屈指のレベル。参考にしている選手に大島僚太とチアゴ・アルカンタラを挙げるあたりに、そのプレースタイルへのこだわりが滲む。今季の目標を問われると、「前めの選手である以上、アシストすることもそうですけど、得点王になるのが目標です」と力強い宣言も。ゴール前で躍動する緑の10番から目が離せない。

対する柏U-18のトップ下は戸田晶斗。レイソルの下部組織ではなく、同じ千葉のヴィットーリアスFCから加わった俊英は、3月中旬に開催されたサニックス杯でも、「自由に動けとは言われているので、自分が落ちて関わったりして、ボールを運ぶことは意識しています」と話したように、ファジーなポジショニングでボールを受け、果敢なドリブルでチームに推進力をもたらす姿が印象的だった。

参考にしている選手は香川真司だと言うだけあって、ライン間でパスを引き出しながら、狭いスペースでも前を向けるセンスは抜群。あとはそこに「去年も苦しい時に自分のゴールでチームを勝たせていたので、自分もそういう選手になりたいと思っています」と憧れる“先輩”の山本桜大のような決定力を身に付け、勝利に貢献するようなゴール量産を期待したい。

勝利を目指す上で守備の安定感は絶対条件。その視点で考えると昌平のセンターバックを務める石川穂高を紹介しないわけにはいかない。1年時からスタメンを張ることもあった逸材は、両利きとも言えるような左右両足から繰り出す長短のパスの精度が特徴。昨シーズンは1学年上で鹿島アントラーズへ入団した津久井佳祐の横に立ち、先輩のプレーを参考に守備対応の部分も磨いてきた。

今季はキャプテンにも就任しており、チームをまとめる役割も期待される中で、興味深いのは参考にしている選手に長谷部誠の名前を出している点。「スピードが速く、強度のあるヨーロッパで、サッカーIQの高さでサッカーをしているというのが凄いなと思っているので、サッカーIQの部分に関しては本当に真似したいです」。石川の“サッカーIQ”の要素にもこの試合は是非注目してほしい。

柏U-18の守備を司る存在は、GKのハーパー・タイガ・オリバーだ。昨年からスタメンを掴み、プレミアのステージで経験を積んできた守護神は、闘志あふれるセービングが魅力的。そこまでサイズがあるわけではないが、ハイボールの処理もキャッチで終わらせることができるなど、総合力も非常に高い。

昨年10月にはU-20オーストラリア代表に選出され、国際舞台も経験済み。「ビルドアップはまだまだ課題なんですけど、そこで“チキったら”終わりなので」と言い切るメンタルの強さもGK向きだ。前節で5失点を喫した悔しさを、このゲームにぶつける準備は万端だろう。

双方が備えた攻撃力を十分に発揮すれば、激しく攻め合う好ゲーム必至。J SPORTS初中継となる昌平高校グラウンドの“校庭感”も含めて、是非この90分間をいろいろな角度から楽しみたい。

柏レイソルU-18の守護神、ハーパー・タイガ・オリバー

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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