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そして、後半に入るとアルゼンチンがようやく攻撃に出たが、なかなか決定機を作れない。そうした流れを変えたのが64分の“メッシの一振り”だった。
とくに、アルゼンチンが決定機を作ったわけではないし、メッシのシュート自体も「ゴラッソ」という類のキックではなかった。ゴール正面付近20数メートルのところから放ったメッシのシュートは「ここしかない」というコースを通って右下隅に決まった。
メッシのキックの技術。そして、シュートを放つタイミングの絶妙さによるもの。やはり、メッシは特別の存在なのである。
なお、メキシコ戦ではアルゼンチンは4-3-3で、メッシを中央に右にディ・マリア、左にラウタロ・マルティネスという攻撃陣だった。
メッシの相棒としてアルバレスが先発したのは3戦目のポーランド戦から。ボールを収めてドリブルで仕掛けるメッシと縦への推進力が特徴のアルバレスの組み合わせは有効だった。これまでよりメッシの特徴もより引き出されるようになり、全員がメッシのために走ってメッシには最前線での仕事に専念させるによって、アルゼンチンは2戦目までに比べてよりスムースに試合を運べるようになった。
ポーランド戦でも前半からアルゼンチンは14本ものシュートを放って攻めまくったが(ポーランドのシュートは1本のみ)、先制ゴールが生まれたのは後半に入ってから。そのため、メッシが強引に自分1人で決めようとする悪い癖が出始めていた。
そんな状況を変えたのが、後半開始直後のマカリステルのゴール。クロスを入れた、右サイドバックのナウエル・モリーナの攻撃参加もその後のアルゼンチンにとっては重要な戦力となっていく。
こうして、メキシコのプレッシングの突然の弱体化とか、ポーランドの攻撃力の弱さなどがアルゼンチンに救われたアルゼンチン。突進力のあるアルバレスがメッシの相棒としての地位を確立したことによって、アルゼンチンはメッシを生かすスタイルに変貌していった。
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