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【ハイライト動画あり】プレミア初挑戦の川崎フロンターレが向き合った“本気”が教えてくれること【高円宮杯プレミアリーグファイナル 川崎フロンターレU-18×サガン鳥栖U-18マッチレビュー】
土屋雅史コラム by 土屋 雅史プレミアリーグファイナルに臨む川崎U-18のスタメン
それはまだ蝉の鳴き出す少し前の時期。プレミアリーグの試合取材が終わり、会場を後にしようとしていたタイミングで声を掛けられた。その人は川崎フロンターレのクラブスタッフの方。聞けばプレミアの試合には、必ずアカデミースタッフ以外にも、普段はトップチームに関わっている広報担当か運営担当が帯同するようにしているという。
会話の流れの中で、5月に等々力で開催されたホームゲームの話になった。その試合の観客数は1,983人。プレミアリーグで考えれば驚異的な数字だ。素直にそう感想を伝えると、「ありがたいことなんですけど……」という感謝に続けて、こう言葉は続いた。「僕たちは3,000人を目指していたので、まだまだ全然足りないんです」。
「ああ、フロンターレらしいなあ」と思った。私がJ SPORTSの新入社員としてJ2の中継を担当していた2003年のこと。のちにクラブのレジェンドとなる中村憲剛のJリーグ初ゴールを等々力で見届けたのは、3,658人の観衆だった。だが、それから14年後の2017年。中村憲剛がピッチに突っ伏して、J1初制覇の歓喜を噛み締めた日の等々力は、25,904人の観衆がスタンドを埋め尽くしていた。彼らはいつだって本気なのだ。
ちょうどその次のホームゲームは、富士通スタジアム川崎で開催されることになっていた。当日はトップの試合にも出店しているキッチンカーや“ふろん太ふわふわ”も動員しつつ、集客を仕掛けているとその方は熱っぽく語る。後日、気になってその試合の公式記録を確認すると、観客数は2,357人と記載されていた。ハッキリ言ってそれでも凄まじい数字だが、あの日のあの人が「まだまだ全然足りない」と悔しがっている姿が目に浮かんだ。
プレミアリーグのレベルは、間違いなく高い。高校年代トップクラスの22チームが、毎週のように全国大会のような試合を繰り広げ、その中で選手も自身が驚くような成長を遂げていく。それでも試合に訪れる観客の数は決して多くない。ここ2年はコロナ禍の影響もあり、有観客の試合自体が減少していることを差し引いても、そのクオリティと注目度が比例しているとは残念ながら言い難い。
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