競い合い、突き抜けろ。日本一を懸けた国立ファイナル！川崎フロンターレU-18×サガン鳥栖U-18マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグファイナル】

大関友翔

4月から熱い戦いが繰り広げられてきたプレミアリーグも、いよいよ最後の1試合を残すのみとなった。EAST王者は初昇格初優勝を成し遂げた川崎フロンターレU-18。WEST王者は昇格2年目での戴冠を手繰り寄せたサガン鳥栖U-18。両雄が激突するファイナルが行われるのは、日本サッカーの聖地・国立競技場。舞台は整った。

今回は両チームのスタメンが予想される選手を、個々の特徴とともにご紹介したい。ファイナルを楽しむ上での参考にしていただければ幸甚だ。

【川崎フロンターレU-18】

プレミアEAST 1位　14勝5分け3敗　勝点47 51得点20失点

GK21　濱崎知康（2年）　20試合出場
年代別代表も経験した守護神の“ハマちゃん”。ここ一番での勝負強いセービングはもちろん、ビルドアップの能力も一級品。

DF22　江原叡志（2年）　22試合出場
チーム最多出場時間を記録した右サイドバックは、攻撃の鍵を握る『幅取り名人』。サイドを90分間走り続ける献身性が光る。

DF4　高井幸大（3年）　13試合出場2得点
193センチの長身を誇るトップ昇格内定のセンターバック。ゴール前では攻守両面でこの男の絶対的な高さに要注目。

松長根悠仁

DF3　松長根悠仁（3年）　21試合出場2得点
トップ昇格を勝ち獲った愛されキャラの“ナガネさん”。縦に鋭く打ちこむクサビは攻撃のスイッチの合図。小5時にガビ（バルセロナ）との対戦経験も。

DF35　土屋櫂大（1年）　10試合出場
U-16日本代表にも選出されている1年生。センターバックが本職だが、左サイドバックでの起用が濃厚。飄々とした雰囲気も印象的。

MF17　尾川丈（2年）　21試合出場7得点
右サイドハーフの位置から中央に潜り、常にゴールに関わるプレーを選択できる。チームが採用する可変システムのキーマンだ。

MF10　大関友翔（3年）　21試合出場6得点
三笘薫や田中碧も背負った10番の継承者。綺麗な姿勢から繰り出すインサイドパスで相手の急所を鋭くえぐる。トップ昇格内定。

MF18　由井航太（2年）　21試合出場2得点
『ボランチ＝舵取り』というフレーズがしっくり来るようなチームきってのバランサーで、大関との補完関係も抜群。もともとはセンターバック。

MF25　志村海里（2年）　14試合出場2得点
シーズン途中から定位置を確保したしなやかなドリブラー。左サイドで縦にも内に突き進めるアグレッシブさが際立つ。

MF20　岡崎寅太郎（2年）　14試合出場8得点
絶妙な立ち位置からゴールを窺う『ハーフスペースの魔術師』。高い決定力と強気なメンタルが魅力的な“川崎のトラ”。

FW9　五木田季晋（3年）　21試合出場13得点
チームトップの13得点を挙げた真面目なストライカー。ポストプレー、ドリブル、シュートとあらゆるプレーを平均点以上でこなす。

【サガン鳥栖U-18】

プレミアWEST 1位　13勝4分け5敗　勝点43 54得点28失点

GK1　栗林颯（3年）　22試合出場
U-18日本代表も経験した、人呼んで「鳥栖のエデルソン」。左足のキックの正確性と1対1の強さが際立つ「スーパークリリン」でもある。

DF2　山本楓大（3年）　22試合出場1得点
チーム最多出場時間を誇る屈強な右サイドバック。中学時代はセンターバックで、去年は左サイドバック。左右両足を使いこなすハードワーカーだ。

坂井駿也

DF4　坂井駿也（3年）　21試合出場5得点
ボランチで最も力を発揮するが、センターバックでも相手陣内まで駆け上がる積極性を披露。サッカーIQもメチャメチャ高い。トップ昇格内定。

DF3　竹内諒太郎（3年）　9試合出場1得点
半年近い負傷離脱の時を経て鮮やかに復活。188センチの長身と左足のキックが目を惹く「ダイナミックエアバトラー」。トップ昇格内定。

DF5　今村元紀（3年）　17試合出場1得点
独特なボールの持ち方から繰り出す左足はフィードもクロスもハイレベル。アシストを量産するプレースキッカーとしても威力を発揮する。

MF9　堺屋佳介（2年）　20試合出場3得点
中盤センターも左右両サイドハーフも最前線もこなせるチームきってのマルチプレーヤー。常に冷静なプレーを披露する「ミスター長官」。

MF13　松岡響祈（3年）　15試合出場
アカデミー出身の大起（清水エスパルス）を兄に持つ、90分間戦えるボランチ。シーズン中盤からレギュラーとして欠かせない存在に。

福井太智

MF10　福井太智（3年）　16試合出場6得点
バイエルン・ミュンヘンへの移籍が決まった「鳥栖のマエストロ」。落ち着き払ったプレーがチームに強固な軸を通す。11アシストも驚異的な数字だ。

MF17　増崎康清（2年）　17試合出場5得点
左右どちらでもサイドを切り裂き続けるキレキレ系アタッカー。機を見て侵入するエリア内での高い決定力も併せ持つ。

FW7　楢原慶輝（3年）　20試合出場9得点
チームトップの9得点。凄まじい運動量でチャンスに顔を出しつつ、プレスバックのスピードも驚異的な攻守に効き続けるタレント。トップ昇格内定。

FW11　大里皇馬（3年）　22試合出場8得点
今季は志願してセンターバックを務めてきたが、最終盤にフォワードへ再コンバート。ブレない体幹と豪快なゴールが魅力的。トップ昇格内定。

昨年、一昨年は中止となったため、ファイナルの開催は今回が3年ぶり。2022年のプレミアリーグを牽引してきた両チームの対峙は激戦必至。とりわけ今年の3年生はコロナ禍で多くの活動が制限されてきた世代だけに、日本一を懸けたこの国立競技場での大一番をとにかく楽しんでほしい。注目の一戦は12月11日（日）、13時キックオフだ。

文：土屋雅史