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サッカー フットサル コラム 2022年7月27日

青森山田・小湊絆と神村学園・大迫塁。初戦敗退の涙が連れてくる絶対的な覚悟の行方

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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タイムアップのホイッスルが鳴ると、赤い選手たちはうつむいた顔をなかなか上げられない。プレミアリーグで戦う大阪の履正社高校と対峙した、2回戦最大の好カード。スコアこそ0-2ではあったものの、ほとんどチャンスらしいチャンスを作り出せないような、神村学園にとってみれば文字通りの完敗だった。

取材エリアに現れた大迫は、悔し涙が止まらない。絞り出すように発した「もっとやりたかったです…… 情けないです……」というフレーズに、この試合に、この大会に懸けてきた想いと、それゆえに突き付けられた結果への落胆が凝縮されていた。

常に注目を浴びる中でプレーし続ける重圧は、周囲が想像し得るものではない。その上、リーダーとして個性派揃いのチームメイトをまとめる役割も担っているだけに、敗退の責任を一身に背負うような発言ばかりが口を衝く。

チームはコロナ禍の影響で、大会直前にも全体トレーニングがままならない状況だったという。彼らを間近で見守り続けてきた有村圭一郎監督は「言い訳になりますが」と前置きしながら、「隔離されていた人間もいますし、コンディションが良くなかったのはあったと思います」と選手たちを思いやったが、「もちろんコンディションは100パーセントではなかったですけど、それはどこのチームも一緒だと思うので、言い訳にしたくないです」と、キャプテンはその影響を認めようとしなかった。

その言葉を待つ報道陣に向かって、大迫が噛み締めるように言い切った決意が、徳島の真夏の熱気と溶け合う。「こんな想いは絶対にしたくないです。もっと死に物狂いになって、もっと勝利に貪欲になって、最後は絶対に勝ちます。もうこんな想いはしたくないです」。

この日の涙を、どう結果に結び付けていくのか。神村学園の14番にも、その覚悟が問われている。

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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