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前回大会王者アル・ヒラル
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ東地区の戦いが4月15日に開幕する。今年も、新型コロナウイルスの影響でホーム&アウェーではなく集中開催となり、日本からは昨シーズンのJ1リーグ優勝の川崎フロンターレ、同準優勝の横浜F・マリノス、3位のヴェッセル神戸。そして、天皇杯優勝の浦和レッズが参戦する。
全部で10グループに分かれてのグループステージ。東地区はF組からJ組までに分かれており、浦和の出場するF組と神戸が出場するJ組がタイのブリーラム、横浜FM出場のH組がベトナムのホーチミン市、そして川崎出場のI組がマレーシアのジョホールバルでの開催となる。
各グループ4チームずつが出場し、首位5チームに加えて、2位の中の成績上位3チームがラウンド16進出となる(J組は中国の上海海港が上海市のロックダウンの影響で棄権したため3チーム参加で開催)。
日本勢は、かつてはグループステージ突破にも苦労していた。
日本のチームはシーズン開幕までの準備に時間がかかる傾向があり、Jリーグ開幕前後に行われる第1節、第2節ではライバルである韓国や中国のチームの後塵を拝することが多かったのだ。そして、コンディションが上がってくる3節、4節で日本のクラブが追い上げるというのが毎年のパターンだった。
だが、最近はJリーグの開幕時期も繰り上げられたことや、ACL出場チームが早めに仕上げられるようになったことから、日本勢のグループステージ突破の確率は上がっていた。
ところが、2020年に新型コロナウイルスの感染症が世界的に拡大して、大会の日程は大幅に変更となってしまう。昨年のグループステージは夏場の6〜7月だったが、今年はJリーグ開幕から2か月近くが経過した4月にグループステージの戦いが行われる。
日本のクラブもコンディションは上がってくる時期であり、またいずれも東南アジアでの開催となるが、4月に入って日本国内の気温も上がり始めていた時期なので決定的に不利な状況ではない(ライバルの韓国勢、中国勢にとっても似たような状況)。
昨年はオーストラリア勢が参加を辞退。今シーズンもメルボルン・ビクトリーが神戸とのプレーオフに敗れため、オーストラリア勢からはメルボルン・シティとシドニーFCのみ。全体的には現在のアジア・サッカー界をリードする日本、韓国のクラブに中国勢、オーストラリア勢、そして東南アジア勢が挑戦する構図となる。
かつては巨額の強化費を使ってヨーロッパやブラジルの代表クラスの選手を爆買いすることでアジアのトップの座を狙っていた中国勢だが、各クラブのバックにいる中国企業は不動産バブルが弾けかけたため、ビッグネームが不在となり、チームも弱体化。
一方、東南アジア勢は最近になって強化してきており、“ホーム・アドバンテージ”を持っているため、彼らも侮れない存在となるだろう。
昨年(2021年)のACL東地区の戦いで、日本勢はグループステージでは川崎フロンターレ、名古屋グランパス、セレッソ大阪がそれぞれ無敗の各グループ首位でラウンド16に進出。J1リーグで苦戦していたガンバ大阪もなんとかH組の2位に食い込んだが、こちらはグループステージ敗退となった。
さて、日本勢の所属する各グループについて見てみよう。
J1リーグを連覇中の川崎フロンターレ。ACLで優勝して、その素晴らしいパスサッカーをFIFAクラブワールドカップという世界の舞台で披露してもらいたいものなのだが、川崎はこれまで、ACLではなかなか上位に勝ち進めないでいる。昨シーズンもグループステージは6戦全勝で突破したものの、一発勝負のラウンド16では韓国の絶対王者、全北現代とアウェイで対戦することとなり、スコアレスドローの末にPK戦負けを喫してしまった。三笘薫や田中碧が海外移籍のためにチームを離れてしまった影響も大きかった。
そして、今シーズンの川崎は、三笘、田中に続いて旗手怜央もセルティックに移籍。相次ぐ主力の流出の影響もあってJリーグでも苦戦中。一応、首位には立っているものの、昨年前半のような圧倒的な力は見せられていない。
その川崎はACLではかつての中国の王者である広州、韓国のKリーグで現在首位に立っている蔚山現代と同じI組に入っており、ハイレベルの戦いとなるだろう。あるいは、「ホームで戦うジョホール・ダルル・タクジムに敗れたクラブが脱落」といった接戦になる可能性もある。
昨年の戦いを見た限りではジョホールのスタジアムは、東南アジアの他のスタジアムと比較してピッチ状態は良さそうなので、川崎が持ち前のパスサッカーを披露することは可能だろう。川崎らしいサッカーを見せてほしいものだ。
ベトナムで戦う横浜F・マリノス。Jリーグでは2位に付けており、川崎相手の直接対決でも勝利しており、今シーズンもその攻撃サッカーは健在。このグループでは韓国の王者、全北現代との一騎討ちの可能性が高いが、シドニーFCやホームのホアンアイン・ザライ相手に勝点を落とさないことが重要。そうすれば、たとえ全北現代に競り負けても、2位通過が見えてくる。
J1リーグで苦しい戦いを続けている浦和レッズとヴィッセル神戸にとっては、この大会を立て直しのきっかけにしたいところだろう。
浦和は中国の山東魯能泰山、シンガポールのライオン・シティ、韓国の大邱FCとの対戦となる。大邱は昨シーズンのKリーグ3位でACL出場権を得たチームだが、浦和と同様、今シーズンはKリーグで下位に低迷中(現在12チーム中10位)。このグループはかなりの混戦になりそうだ。また、現在の浦和の中核を担っている北欧系の選手たちにとっては、東南アジアでのプレーは初めての体験となるし、トンニャット(統一)スタジアムのピッチ状態はかなり悪いと思われるので、そのあたりの対応力も求められる。
そして、J1リーグで未勝利で監督が交代したばかりのヴィッセル神戸。苦しい戦いが予想されるが、上海海港の棄権によって試合数が4試合に減ったことは、チーム再建中の神戸にとっては幸運だった(試合間隔が開けば、新監督の下で戦術的トレーニングができる)。そして、対戦相手も香港の傑志(キッチー)とタイのチェンライ・ユナイテッドFCという格下だけとなった。もちろん、チェンライはホーム・アドバンテージを持っているが、韓国、中国、オーストラリア勢との対戦を避けることができたのだ。
リーグ戦で不調のチームがカップ戦で好成績をあげることによってチームを立て直すというシナリオは、これまでに何度も見た。実際、今シーズンの神戸にとって唯一の勝利はACLプレーオフでのメルボルン・ビクトリー戦だったのだ。
そして、神戸には一昨年のACLはで準決勝(東地区の決勝)に進出して、大会優勝チームである蔚山現代に延長の末に敗れたという実績がある(不運なVAR判定がなければ、蔚山に勝っていた可能性が高い)。前シーズンに天皇杯を制してACL出場を決めていた神戸だったが、2020年にはJ1リーグ14位と国内リーグで苦戦を強いられていた中で日本勢最高の成績を残しているのだ。
プレーオフのメルボルン戦で激しい撃ち合いを制しての5対4のスコアでの勝利。そして、上海海港の棄権と神戸にとっては“幸運”も付いているのでACLで躍進することも夢ではない。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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