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そして、試合自体もとてもシビアで必ずしも実力だけで決まるものではない。年間にたとえば20試合戦うようなリーグだったら、順位は実力を反映したものになるが、3試合だけのリーグ戦では各試合での運、不運によって勝負は分かれてしまう。
なにしろ、実力差はわずかなのだから……。
たとえば、11月26日の2日目の第1試合。FC徳島対おこしやす京都戦。ともに、初戦で敗れたチーム同士のサバイバル戦だった。
実力的には間違いなく関西リーグの覇者、京都が上だった。前半の立ち上がりを除いて、京都がサイドから分厚く攻める展開が続いた。だが、徳島も粘り強く戦い、試合はスコアレスのまま進んだ。そのまま引き分けかと思われたが、75分と90+2分の得点で京都が2対0で勝利した。
勝敗を分けた原因は2つ。1つは、67分に徳島の3バックの一角、星出怜央が一発退場となったこと(判定自体もかなり厳しいものだった)。そして、もう1つは京都は75分までに5人の交代枠を使って、前線にはフレッシュな選手を並べて戦ったのに対して、徳島は66分、77分、89分に1人ずつ交代を使っただけだったこと。後半の徳島は完全に足が止まった状態だったのに、交代が使えなかったのだ。
なにしろ、中1日の3連戦という過密スケジュールなのだ(ちなみに、第1次ラウンドは休養日なしの3連戦)。普通の大会以上に選手層が厚いチームに有利な日程なのだ。
過密スケジュールの問題、出場資格の問題など不合理な点も多いこの大会。将来のJリーグ入りを目指すチームのためにも、より合理的な大会形式に改めていってもらいたいものだ。まず、リーグ戦の成績をもっと重視すべきだ(全社経由での参加はなくすべき)。そして、中1日の3連戦という過密スケジュールは避けて、中2日以上の休養日を与えて、持久力勝負ではなくサッカーの技術戦術で勝敗が決するようにしてほしい。
いずれにしても、28日の最終日にはSHINJUKUがFC徳島。おこしやす京都がFC.ISE−SHIMAとそれぞれ対戦するが、引き分けでも2位以内が確定するSHINJUKUの優位は変わらないだろう。そして、京都とFC.ISE−SHIMAはまさに2位以内を懸けた直接対決で雌雄を決することになる。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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