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サッカー フットサル コラム 2021年10月3日

いよいよファイナル!アルゼンチンの連覇か、ポルトガルの初優勝か〈FIFA フットサル ワールドカップ リトアニア 2021〉

サッカーニュース by 河合 拓
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新型コロナウイルスの影響を受け、1年間延期となったFIFAフットサルW杯も最終盤を迎え、3位決定戦、そして決勝戦の2試合を残すのみとなった。5年ぶりに決まる世界王者となる権利を有しているのは、前回大会王者のアルゼンチン、そして、史上初となる決勝進出を果たしたポルトガルの2カ国だ。

アルゼンチン代表

両チームともに準決勝では「死闘」と表現するのにふさわしい激戦を制した。アルゼンチン代表は、今大会で最もスター選手を多く抱えていたブラジル代表と対戦。過去、フットサルW杯での対戦成績は、6戦6敗と分が悪かったアルゼンチンだが、組織的な守備でブラジルの攻撃を封じ込めるとともに、相手の隙を逃さずに2点のリードを奪った。

その強さを象徴するのは、自陣からのロングカウンターで決めた2点目の場面だ。先制を許したブラジルが前に出たがるのを尻目に、自陣でボールを回しながらチャンスをうかがう。そして、世界最高のピヴォであるFPフェラオに苦手とする守備を強いる局面を作り、長い距離を走らせて、高精度のプレーをゴールに結びつけた。

先制点、追加点を挙げたアルゼンチンは、CKからフェラオに1点を返される。それでも後半は、ビハインドを取り返しに来たブラジルに対して、GKニコラス・サルミエントの驚異的なセービングもあり、最後までゴールを割らせなかった。

今後も間違いなく語り継がれる名勝負の末に、リベンジに燃える宿敵からW杯初勝利を挙げたアルゼンチン。だが、前回大会を優勝している経験は、彼らを勝利に酔わせ続けることを許さないはずだ。

そんなディフェンディングチャンピオンと世界一をかけて戦う権利を手にしたのは、世界最高の選手であるFPリカルジーニョを擁するポルトガルだ。だが、コンディション的に、彼らは厳しい状況にあると言わざるを得ない。ラウンド16のセルビア戦(4-3)、準々決勝のスペイン戦(4-2)は、ともに延長戦の末に勝利。そして、準決勝は、2-2でPK戦にまでもつれる熱戦を演じている。アルゼンチンはロシア戦こそPK戦にもつれたが、それ以外の試合は40分間で決着をつけているため、ポルトガルは20分多く戦っているのだ。

ポルトガル代表

しかも、ポルトガルとカザフスタンの準決勝は、アルゼンチンとブラジルの準決勝の24時間後にキックオフされた。つまり決勝前の疲労回復を含めた準備期間が、アルゼンチンよりも1日短いのだ。世界最高峰の舞台で、強度の高い試合をこなしてきたチームにとって、この1日の差は非常に大きい。

それでもリカルジーニョを中心に、美しく、多彩な攻撃的フットサルを展開する彼らに、寄せられる期待は大きい。リカルジーニョやFPブルーノ・コエーリョら、UEFAフットサルEURO2018を制した経験豊富な選手たちが基盤を固め、今大会中も爆発的な成長を見せているピヴォのFPジッキーを筆頭とした若手が伸び伸びとプレーするチームは、様々なポイントでバランスが取れている。

そして、何よりキャリアで唯一手にしていないW杯のタイトルを目指す「魔術師」リカルジーニョの存在が大きい。キャリアの終盤に入り、自らが高い位置で決定的な仕事をこなす回数は減ったが、飛び抜けた技術、相手のタイミングを外す間は健在だ。一人で試合を変えられる突出した個を持つ存在が、アルゼンチンの堅守をこじ開けるために、どのようなプレーを見せるかは必見。36歳で今回が最後のW杯になる可能性もある。ポルトガルのチームメートたちも、自国最大のスター選手であり、キャプテンのキャリアに華を添えるために全力でサポートするだろう。

決勝に先立って行われる3位決定戦のブラジルとカザフスタンの試合は、よりオープンになる可能性が高い。アルゼンチンに敗れ、プライドを傷つけられたブラジルの選手たちが意地を見せるか。GKレオ・イギータやFPドゥグラスら、ブラジルから帰化した選手も多いカザフスタンが、3位という結果を残して、フットサルW杯にその名を刻み、銅メダルを持ち帰られるかも楽しみなところだ。

間違いないのは、3位決定戦も、決勝も、極上のエンターテインメントになること。世界一が誕生する瞬間を目撃するだけでなく、世界最高峰のフットサルの試合を堪能してほしい。

文:河合 拓

★「FIFA フットサル ワールドカップ リトアニア 2021」
9/12(日)~10/3(日) J SPORTSで日本戦&決勝トーナメントの全試合生中継。
J SPORTSオンデマンドでは全52試合LIVE配信

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河合 拓

1980年生まれ、出身地のない転勤族。
フットサル情報サイト「Futsal X」発起人。大学在学中の2002年よりフットサルの取材を開始。フットサル専門誌、サッカー専門誌の編集者を経てフリーランスに。
民間大会からワールドカップまで、幅広く取材。個サルで減量を試みる。

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