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サッカー フットサル コラム 2021年9月29日

ついに4強出揃う!準決勝は南米クラシコと初の決勝進出をかけた欧州対戦に〈FIFA フットサル ワールドカップ リトアニア 2021〉

サッカーニュース by 河合 拓
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ブラジル代表のピト

FIFAフットサルW杯リトアニア2021も、いよいよ大詰めを迎えている。26日と27日には準々決勝の計4試合が行われ、今大会のベスト4が出そろった。9月28日時点で世界ランク1位だったスペイン、前回大会3位のイラン(世界ランク5位)などが敗退となり、ブラジル(同2位)、前回王者のアルゼンチン(同3位)、ポルトガル(同6位)、カザフスタン(同7位)が4強に名乗りを上げた。

準々決勝の4試合は、いずれも接戦となった。アフリカ王者のモロッコ(世界ランク14位)とブラジルの対戦は、ブラジルのキャプテンであるFPロドリゴの直接FKがこの試合で唯一のゴールとなり、ブラジルが2大会ぶりの決勝進出を決めた。前回大会の決勝と同カードとなったロシア(同4位)とアルゼンチンの対戦は、延長戦を終えても1-1のまま決着がつかずにPK戦へもつれこむ。PK戦を5-4で制したアルゼンチンが大会連覇の可能性を残した。

2018年のUEFAフットサル欧州選手権決勝と同一カードとなったスペインとポルトガルの一戦は、後半3分までにリベンジに燃えるスペインが2点をリードする展開となる。しかし、ここからポルトガルが逆襲に転じて同点に追いつく。この試合も延長に突入したが、延長戦でオウンゴールとパワープレー返しで加点したポルトガルが、4-2で勝利を収めて2大会連続でベスト4進出を決めた。そして、イランとカザフスタンの一戦も、イランが2点をリードする展開となったが、カザフスタンに2-3と逆転負けを喫した。

この結果、準決勝の対戦カードは、ブラジルvsアルゼンチンという「南米クラシコ」。そして、2000年大会、2016年大会に続く3度目の準決勝進出を果たしたポルトガルと初の4強入りを果たしたカザフスタンによる「初の決勝進出を懸けた欧州対決」となっている。

サッカーでも強烈なライバル関係にあることが知られるブラジルとアルゼンチンだが、フットサルで両国の力が拮抗してきたのは最近のこと。ブラジルが1989年の第1回FIFAフットサルW杯から優勝という結果を残していたのに対し、アルゼンチンが初めて4強入りを果たしたのは2004年のチャイニーズ・タイペイ大会のこと。フットサルW杯における両国の対戦成績を見ても、ブラジルの5戦5勝となっている。

アルゼンチンは国内にプロリーグがない状況が続いていたが、有力選手たちは海外で活躍を続けていた。そして、ブラジルがラウンド16で敗退した2016年のコロンビア大会では、初優勝に輝き、自国にプロリーグが誕生している。両国は今大会の南米予選の決勝でも対戦したが、ブラジルがFPピトの超絶オーバーヘッドで先制したものの、アルゼンチンが3点を奪って逆転した。この試合が象徴するように、最近の勢いでは、アルゼンチンがブラジルを上回っているのだ。

準決勝ではPK戦の末にロシアを退けたアルゼンチンだが、その試合ではブラジル出身の重量級ピヴォFPエデル・リマを抑え込んだ。FPフェラオを筆頭に強烈なピヴォを擁するブラジルとの試合へのシミュレーションも十分にできたといえる。世界、そして南米における権威を取り戻しにかかるブラジルも、すべてを賭けてこの試合に臨むはず。FIFAの公式サイトで、「過去8大会の決勝よりも重要な試合かもしれない」という言葉とともに紹介された一戦は必見だ。

もう一つの準決勝は、ともに準々決勝で0-2のビハインドから逆転したポルトガルとカザフスタンの欧州対決となる。この試合では、2人のスター選手に注目してほしい。まずはポルトガル代表の誇る「天才」、FPリカルジーニョ。日本の名古屋オーシャンズでもプレーしていたテクニシャンは、世界最高のフットサル選手として知られる。卓越した足技と俊敏な動きで、数々の伝説的なゴールを決めてきた。代表レベルでは、なかなかタイトルに恵まれなかったが、2018年には、ポルトガルをフットサル欧州選手権初優勝に導いた。

カザフスタン代表のイギータ

カザフスタン代表では、GKレオ・イギータの名を語り落とすことはできない。ブラジル出身のGKの本名はレオナルド・ジ・メロ・ビエラ・レイチだが、その攻撃的なプレースタイルから、サッカーの元コロンビア代表GKイギータのようだと言われ、「イギータ」と呼ばれるようになる。現代フットサルでは、GKがボールを持ち上がってピッチ上の5人全員で攻めることが当たり前になってきているが、そのパイオニアがこのGKイギータだ。2011年から所属するカザフスタンのカイラトは、このイギータの能力を生かして、2013年、2015年のUEFAフットサルカップ(現・欧州フットサルチャンピオンズリーグ)を制している。

ポルトガルとカザフスタンを象徴するスタープレーヤーである両者だが、リカルジーニョは36歳、イギータは35歳と、それぞれキャリアの晩年を迎えている。どちらが母国を初の決勝進出に導く活躍を見せるか注目したい。

文:河合 拓

★「FIFA フットサル ワールドカップ リトアニア 2021」
9/12(日)~10/3(日) J SPORTSで日本戦&決勝トーナメントの全試合生中継。
J SPORTSオンデマンドでは全52試合LIVE配信

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河合 拓

1980年生まれ、出身地のない転勤族。
フットサル情報サイト「Futsal X」発起人。大学在学中の2002年よりフットサルの取材を開始。フットサル専門誌、サッカー専門誌の編集者を経てフリーランスに。
民間大会からワールドカップまで、幅広く取材。個サルで減量を試みる。

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