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日本代表、9年ぶりのW杯へ! アンゴラ戦で超えるべき2つのプレッシャー〈FIFA フットサル ワールドカップ リトアニア 2021〉
サッカーニュース by 河合 拓FP室田祐希
いよいよFIFAフットサルW杯リトアニア2021におけるフットサル日本代表の戦いが14日に幕を開ける。日本はアンゴラ、パラグアイ、スペインとともにグループEに入っており、14日の初戦でアンゴラ、17日の第2戦でスペイン、そして20日の第3戦でパラグアイと対戦する。
各組の上位2チームに加え、各グループの3位のなかから成績上位4カ国が決勝ラウンドに進出できる。つまり1次ラウンドでは、8カ国のみが脱落することとなるのだ。前回大会に出場できなかった日本にとっては、まずこの1次ラウンド突破が最初の目標となる。そして、そのために絶対に落とせない試合が、初戦のアンゴラ戦だ。
FIFAが管轄しているフットサルだが、サッカーと異なりFIFAは公式な世界ランキングを作成していない。各大陸によって、開催状況に大きな差などがあり、ランキングを作成するのは難しいからだ。それでも、ベルギーの情報サイト「Futsal World Ranking」は各国の情報を集めて、ランキングを制作している。これによると、グループEの各組の順位は、下記の通りだ。
スペイン………1位
パラグアイ……10位
日本……………14位
アンゴラ………45位
FP八木聖人
少なくとも世界ランキング上では、日本はアンゴラにとって格上の存在。フットサルW杯の出場も日本は5度目だが、アンゴラは今大会が初出場と、過去の実績でも日本が上回っている。とはいえ、日本も前回大会に出場できていないため、フットサルW杯をピッチ上で経験しているのは、FP星翔太とFP逸見勝利ラファエルの2人だけ。格上のチームとして臨むよりは、あくまでチャレンジャーとして、この初戦を迎えたいところだ。
では、そもそもアンゴラでは、フットサルはどれくらい人気のあるスポーツなのか。
ポルトガルの植民地だったこともあり、アンゴラはフットボールの人気が高い。そして、ミニサッカーは最も競技者の多いスポーツだという。サッカーでは2006年のFIFAW杯ドイツ大会に初出場している。
フットサルが本格的に行われるようになったのは2004年だが、急速に浸透している。というのも、アンゴラはサッカー以外にバスケットボールの人気も高く、アフリカ選手権では11回の優勝を誇っているのだ。そのため、屋内でボールを蹴ることができる施設にも比較的に恵まれている。
FP室田祐希
今回のフットサルW杯につながるCANフットサルアフリカ選手権には、8カ国が参戦。アンゴラは、エジプト、ギニア、モザンビークとともにグループBに入って、エジプトに次ぐ2位で予選を突破。準決勝では、初戦でアフリカ王者に輝くモロッコに0-4で敗れたが、3位決定戦では2012年のFIFAフットサルW杯で日本も対戦したリビアに2-0で勝利して3位となり、初めてW杯出場権を獲得した。
近年ではトップレベルのフットサルの動画が視聴しやすくなり、ブラジルやスペインで行われる戦術が世界的な広がりを見せている。そのため、かなり組織的になってきているのだが、アフリカ大陸はその点ではまだ遅れているが、だからこそ試合が難しくなる可能性が十分にあるのだ。
FP八木聖人
たとえば、スペイン、ブラジル、ポルトガル、アルゼンチンといった強豪国と対戦する時、相手が何をしようとしているか、何をしてくるかは、なんとなくイメージできる。ところが、アフリカ勢は、そのセオリーと全く異なることをしてくる可能性が高い。さらに身体能力やリーチ、ボールを持った際のリズムなどにも特有のものがあるため、まさに予測不能となるのだ。戦い方も最前線のピヴォにボールを集めるというよりは、サイドのアラの選手の足元にボールをつけて、1対1を挑むことが多い。またパス回しもトリッキーで、足裏やヒールを頻繁に使ってくる。特に10番のFPマノセレは、飛び込んでくる相手をヒールリフトでかわす名手。初出場のフットサルW杯で爪痕を残そうと、エンジン全開で日本との試合に臨んでくるはずだ。
日本としてもサイドでの守備は、この試合の大きなポイントとなってくる。良い形でボールを奪うことができれば、攻撃から守備の切り替えに難点を抱えているチームだけに、カウンターを仕掛けるチャンスが生まれてくる。日本には個人技がありながらも、ハードワークができるFP西谷良介、FP室田祐希、FP加藤未渚実、FP八木聖人といった選手がそろっている。彼らにとっても、初めてプレーするこのW杯は、自分たちの名前を世界に広げる大きなチャンス。今後対戦するスペイン、パラグアイが日本よりランクが高いことを考えても、決勝ラウンドに勝ち進むために、この試合は落とせないではなく、勝たなくてはいけない。W杯という舞台に初めて立つプレッシャー、さらに勝たなくてはいけないプレッシャー、2つのプレッシャーを跳ねのけて、目の前の相手との試合に集中できれば、おのずと結果は出るはずだ。
文:河合 拓
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河合 拓
1980年生まれ、出身地のない転勤族。
フットサル情報サイト「Futsal X」発起人。大学在学中の2002年よりフットサルの取材を開始。フットサル専門誌、サッカー専門誌の編集者を経てフリーランスに。
民間大会からワールドカップまで、幅広く取材。個サルで減量を試みる。
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