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スーパーリーグに反対するリヴァプールサポーター
既存システムが抱える問題を解決するためには、大胆な組織変革や部署の統廃合が避けられず、業務全体の見直しを余儀なくされる。かつての日本も、明治維新によって260年も続いた江戸幕府が滅びた。第二次世界大戦で敗れた後は軍が解体され、アメリカによる統治が始まった。
スーパーリーグ創設は、既存システムを破壊するはずだった。ヨーロッパの伝統社会を、アメリカのビジネスモデルが風穴を開けようとしていた。3~4年前から噂にのぼり、バルセロナ前会長のジョゼップ・マリア・バルトロメウも昨年10月に退任した際、新組織発足近しを匂わせている。
ただ、根まわしが行き届いていなかった。
「なにも聞かされていない」(ミケル・アルテタ監督:アーセナル)
「ニュースを見て初めて知った」(オーレ・グンナー・スールシャール監督:マンチェスター・ユナイテッド)
「すべてを語るには時期尚早といわざるをえない」(ユルゲン・クロップ監督:リヴァプール)
変革を図る場合、組織内で多くの賛同者が必要になるが、今回は彼ら監督でさえ想定外だったようだ。スーパーリーグの発足は薄々感づいていたものの、最終盤という重要な局面に重大な決定が下されるとは、考えていなかったに違いない。
監督の発言により、少なくともプレミアリーグの3クラブは、オーナーシップ主導でスーパーリーグへの参加を決定したことが明らかになった。リヴァプールに至っては、『TRIBUS』(スイスの高級時計ブランド)がスポンサーシップから降りる事態にまで及んでいる。スポンサーにも連絡していなかったのか。
さて、スーパーリーグの発足はヨーロッパ・フットボールの構造を根本的に覆そうとしていたため、伝統を重んじるイングランドではどの国よりも多くの反発を招いた。ボリス・ジョンソン首相から、元イングランド代表のガリー・ネヴィル、ジェイミー・カラガー、さらに各クラブのサポーターまで、まさに “官民一致” の批判が展開されていた。
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