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横浜FCユース
今シーズン、プレミアリーグに昇格したばかりの横浜FCユースが最終節でFC東京U-18を下してプレミアリーグ関東での優勝を決めた。冷静な判断力でゲームをコントロールしながら90分間を戦った見事な勝利だった。
前半、FC東京U-18は前線から激しいプレッシャーをかけてきた。前線でボールを奪えれば先制点を狙えるし、最終ラインからつないでビルドアップしようという横浜FCユースのパスを分断するのが狙いだった。しかし、横浜FCユースの選手たちは無理にパスを回すことなく慎重にプレーすることを選択。両サイドバックも攻撃参加を自重した。
FC東京U-18は前線の野澤零温が幅広く動いてチャンスを作り、また、左サイドバックの大迫蒼人の押し上げとサイドハーフの俵積田晃太のドリブルも強力だった。ちょうど横浜FCユースの右サイド、つまりキャプテン田畑麟のいるサイドだったので、田畑も前半は守備的なプレーを選択。最終ラインがFC東京U-18の攻撃をしっかりと受け止めた。
こうして、前半は両チームとも決定的な得点チャンスをつかめないまま時間が経過したが、後半開始のホイッスルと同時に横浜FCユースが満を持して攻撃に出た。両サイドバックが思い切り攻め上がり、47分には左SBの花城怜志がミドルシュートを放った。
勝負を決めたのは、やはりエースのMF中川敦瑛だった。
53分、左サイドハーフの山崎太新が一気の加速で突破して入れた低いクロスにトップの堀越拓馬が絡み、こぼれてきたボールを収めた中川がターンして強烈なシュートを沈めたのだ。
その8分後の61分にも左サイドの攻めから横浜FCユースが2点目を決める。
中川からのサイドチェンジを受けてドリブルで駆け上がったのは佐々木柊真。佐々木はそのままゴール前まで突進してトップの金子颯太にパスを出したのだが、相手DFが絡んでこのボールが再び佐々木の足元にこぼれてくると、コースを狙って右隅にしっかりと決めきった。佐々木も金子も、中川の1点目が入った直後に交代したばかりの選手だった。
横浜FCユースはその後も何度か決定機を作り、後半の追加タイムには横浜FCユースのエース中川が中盤から力強いドリブルで抜け出したが、ここはFC東京U-18のGK彼島優がストップ。最終節の中川は1ゴールを加えてリーグ戦通算6点目。得点ランキングで大宮アルディージャU18の大澤朋也と6ゴールで並んだ。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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