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トッテナム時代のエリクセン
センターバックは不安だが、現有勢力でも闘える──。
トッテナムのサポーターは胸を張っているに違いない。ガレス・ベイル、ハリー・ケイン、ソン・フンミンの3トップは世界屈指の破壊力だ。ゲームメイクでもセンスを見せつけるケインをトップ下に配置し、ベイルと縦に並べる布陣も悪くない。
ジオバニ・ロチェルソが3トップの背後でボールをさばき、中盤をモハメド・シソコ、ピエール・エミル・ホイビュア、タンギ・エンドンベレが固めるプランも魅力的だ。守備能力を踏まえ、エンドンベレに代わってベン・デイビスを起用してもいいだろう。
だからこそ冬の移籍市場でCBを獲得したいが、コロナ禍のフットボール界は経済状況が芳しくなく、各クラブともビッグマネーは動かしづらい。トッテナムが世界に誇る “敏腕” ダニエル・レヴィー会長でも、二の足を踏まざるをえない状況だ。
この夏にも獲得を目論んだミラン・シュクリニアル(インテル・ミラノ)と再交渉、という噂が飛び交っているとはいえ、両チームが二歩も三歩も歩み寄らないかぎり、またしても破談に終わるだろう。交渉相手の足もとをみるだけの駆け引きは時間の無駄使いだ。世の中の動きに敏感であるべきだ。
さて、インテルといえば、クリスティアン・エリクセンが不遇をかこっている。本人も「夢に描いていたような場所ではなかった」と語ったように、アントニオ・コンテ監督の構想から外れてしまった。今シーズンのセリエAでは5試合に出場し、ノーゴール・ノーアシスト。チーム内の序列は下がる一方だ。
「このような状況は続くのなら、来年1月に移籍する」
エリクセンの発言に多くのメディアが飛びついた。
「パリ・サンジェルマンが興味津々」
「エージェントがアーセナルに接触」
「トッテナムに電撃復帰の可能性も」
マンチェスター・シティは動かないのだろうか。ダビド・シルバ退団のダメージは大きく、中盤はケビン・デブライネのセンスだけが頼りになってきた。イルカイ・ギュンドアンの献身は評価できるが、イマジネーションに欠けている。フィル・フォデンはまだ物足りず、ベルナウド・シウバは一昨シーズンのパフォーマンスを取り戻せずに苦心している。
エリクセンの技巧とセンスをもってすれば、シティの攻撃に彩りを加えられる。デブライネと同じ絵も描ける。プレミアリーグのプレー強度も身に染みて分かっている。環境の変化に戸惑うリスクは小さい。
イタリアの水が合わなかったのか、インテルに馴染めなかったのか、エリクセンの不振は環境の違いによるものだろう。しかし、7年も過ごしたイングランドに戻ってきさえすれば、彼本来のプレーを瞬く間に取り戻せるはずだ。
市場価格は4500万ポンド(約62億円)。コロナ禍のフットボール界では、20%前後のダウンも考えられる。シティなら、おそらく支払える金額だ。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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