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サッカー フットサル コラム 2020年9月3日

~流通経済大柏高校~藤井海和が携える強烈な“メンタリティ”

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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流通経済大柏高校:藤井海和

サッカー選手の中には、ピッチのどこにいてもすぐに「アイツだ」とわかる、そんなタイプが間違いなく存在している。攻撃的な選手なら、それはわかりやすい。だが、守備的な選手で、その空気を醸し出すのは簡単なことではない。「『自分のことはチームの次』という考えがあるので、『チームが勝てれば目立たなくていい』というのが自分の中にあります」。そうは言っても、その存在感は唯一無二。藤井海和のプレーから目を離すことは難しい。

その1年生は忽然と現れた。一昨年の春。全国にその名を知られる流通経済大柏高校のAチーム。見たことのない痩身の28番はセンターバックとして、その集団が戦うプレミアリーグの舞台へ解き放たれる。世代最高峰の選手たちと対峙しても、何ら動じることなく淡々と守備を繰り返す。15歳の少年は程なくして、あっという間にレギュラーの座をさらっていった。

ボランチとして高校選手権準優勝を主力で経験し、迎えた2019年。1年を通じて藤井が繰り返し口にしていた言葉がある。「コーチの(齋藤)礼音さんには『2年生でバケモノじゃないとプロにはなれない』と凄く言われているんです」。“バケモノ”の定義は人それぞれだが、彼はその定義を自分の中にはっきりと確立していた。

「自分がセンターバックとして目立つには身長もないですし、チームをコントロールできる所で“バケモノ”って言われるしかないのかなって。そういう面ではメンタリティという所は意識して、自分の中で持っています」。キャプテンが欠場した昨年のある試合後に、聞いた話も印象深い。

「今日は自分がキャプテンぐらいのつもりでやっていましたし、やっぱり学年とか関係なく自分が引っ張っていくぐらいじゃないと。自分が目指している代表やプロという所を考えたら、2年生でも中心になるのが普通だと思うので」。おそらく彼は1年生の頃からこういう想いを抱えてきたはずだ。その“メンタリティ”の強さが、ピッチの中でどこにいても藤井だとわかる存在感の根源であることは、言うまでもない。

高校生活のラストイヤー。埼玉スタジアム2002に大きな忘れ物を取りに行くのはもちろん、プレミアの舞台でも“バケモノ”として君臨することが、きっとこの先の未来に繋がっていく。キャプテンとして、藤井海和として、チームを牽引する覚悟はとっくに整っている。

流通経済大柏高校。4番。藤井海和。名門を束ねる闘将に是非ご注目あれ。

文 土屋雅史(J SPORTS)

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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