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横浜F・マリノスユース:植田啓太
スマートな姿勢からセンス溢れる長短のパスを繰り出す姿は、さながら貴公子のような雰囲気すら漂わせている。ただ、一度秘めたる闘志が前面にあふれ出すと、“戦う男”の部分は隠しようがない。「プレミアは凄くレベルが高いと思うので、そこは自分たちもチャレンジャーとして浮き足立たずに、1個1個目の前の試合を戦っていきたいと思います」。トリコロールのコンダクター。植田啓太がプレミアのピッチへいよいよ姿を現す。
2年生だった昨シーズンは、キャプテンを務めていた吉尾虹樹とドイスボランチを形成し、定位置を確保。プリンスリーグ関東で上位を走るチームをピッチの中央で牽引する。だが、傍から見れば中心選手として躍動しているように見えた本人の感覚は、少し違っていたようだ。
「去年の3年生は凄く強い世代だったので、まず『付いていこう』という想いで必死でしたけど、先輩がケガをしたこともあってチャンスをもらい始めたんです。でも、最初の方は迷惑ばかり掛けていましたね」。とはいえ、実戦の出場機会を重ねていく内に、すぐさまチームに欠かせない存在へと成長していく。
その実力は大事な一戦でも遺憾なく発揮された。3年ぶりとなる世代最高峰の舞台への復帰を掛けて挑んだ、昨年12月の高円宮杯プレミアリーグプレーオフ。直後の高校選手権で一躍脚光を浴びた帝京長岡高校を4-1で撃破すると、北海道コンサドーレ札幌U-18との“決戦”でも、その右足は黙っていない。
前半44分。左から植田が蹴ったコーナーキックは、同じ2年生のセンターバック木村惠風の頭にドンピシャで届き、ボールは豪快にゴールネットへ突き刺さる。結果的にこれがこのゲーム唯一のゴール。「今まで3年生に頼っていた部分があって、2年生の2人で決勝点を獲れたので、昇格に直接関われたのは凄く嬉しかったです。あのコンサドーレ戦は今までの中でもベストゲームだと思います」。おそらく今シーズンも彼だけが持つ“羅針盤”が、チームの進むべき方向を明確に指し示してくれるだろう。
興味深かったのは2月のNEXT GENERATION MATCH。快勝を収めた試合後に話を聞くと、「高校選抜の人はテレビで見ている人ばっかりで上手かったですね。『正月にテレビで見ている人たち』って感じで」と笑わせながら、続けた言葉が力強い。「でも、ピッチに入ったら学年は関係ないので、バチバチやろうかなと思っていました」。上手いのは当たり前。戦う姿勢はいつだって失いたくはない。目標はバルセロナのセルヒオ・ブスケツ。納得である。
横浜F・マリノスユース。6番。植田啓太。クールにファイトする司令塔に是非ご注目あれ。
文 土屋雅史(J SPORTS)
土屋 雅史
1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。
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