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ドイツのブンデスリーガが無観客で再開され、ほぼ毎週ウィークデーにも開催されるという強行スケジュールが進行しているが、これまでのところ怪我人など大きなアクシデントもなく、感染拡大といった最悪の事態も回避できているようだ。
後を追うように再開された各国リーグも、また日本のJリーグも無事に最後まで日程が消化できればいいと願う毎日である。
そのブンデスリーガでは、ホームチームの勝率が従来と比べて大きく下がったというニュースが伝えられた。無観客開催によってホームの利が失われたというのだ。
6月27日に、いよいよJリーグが再開されるが(J1再開は7月4日)、日本でもこうした変化が起こるのだろうか?
だが、「ホーム・アドバンテージが失われる」という部分に関して言えば、Jリーグでは大きな影響はないだろう。Jリーグの場合は、もともとホームが大きなアドバンテージを持っているわけではないからだ。
J SPORTS 放送情報
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【女子日本代表 世界初三世代ワールドカップ制覇!】 FIFA U-20 女子ワールドカップ フランス 2018 グループC 第3節 日本 vs. パラグアイ
放送日:2020年6月24日(水) 放送時間:午後 10時 30分~深夜 0時 45分
ヨーロッパ各国リーグを見ていて驚くのは、アウェーチームが不必要に(と、思えるほど)守備的な試合をすることが多いという事実だ。アウェーでも普通に戦えば勝てるだろうと思う時でもアウェーチームは消極的なプレーをする。
「歴史」というか、「伝統」とでもいうものなのかもしれない。
遠い昔には、それぞれのグラウンドの違いが大きかった。たとえば、ピッチの大きさなどもそれぞれのグラウンドで違っていたし、今のように砂や土壌を入れ替えて人工の地盤を作るわけではなかったから、そのグラウンドのある場所の土をそのまま使っていた時代では、土質も芝の質もそれぞれ違っていた。また、交通機関が未発達だった時代には国内リーグといっても、移動の負担が大きかったかもしれない。
そんな、歴史的な理由でアウェーチームが不必要に消極的な試合運びをする。それが、ヨーロッパ各国の「サッカーの常識」だったのだろう。
だが、そうした周囲の環境が近代化されてから発足した日本のプロ・リーグ=Jリーグでは、アウェーチームもそれほど引きこもった試合をするわけではない。むしろ、サポーターのことを気にせずに「守備を固めてカウンターを狙う」ことができる分だけ、アウェーチームがホームのビッグクラブを倒すことが多かった。
だから、Jリーグの場合、ドイツでのようにホーム・アドバンテージが失われるといった現象は生じないだろう。むしろ、サポーターがいなければ、ホームチームもカンター狙いを徹底できる分、ホームの勝率が上がるかもしれない。そもそも、順調に事態が進行すれば、7月4日に再開されるJ1リーグは3試合目からは、「5000人」という制限は設けられるものの、観客を入れて開催できるはずなのだ。
Jリーグの場合、試合内容や結果に最も大きな影響を及ぼすのは、何と言っても真夏の暑さと強行日程のはずだ(いや、ほぼすべてが夜間試合となるJリーグよりも、昼間の試合が多い他のカテゴリーのリーグ戦はもっと大きな影響がある)。
再開後の日程を見ると、J1リーグの場合、3週間に1回の割合でウィークデーの試合があり、J2では1週間置きにウィークデー開催がある。そして、その他にYBCルヴァンカップが決勝を含めて5試合組まれている。また、アジア・サッカー連盟(AFC)はACLを通常通りの試合数で開催するとしており、もしそれが実施されたとしたら、参加チームにとっては戦いを続けることが不可能な日程になってしまう。
しかも、再開当初に近隣クラブ同士のカードが組まれているということは、終盤に近付くと遠隔地同士の試合が増えることにもなり、どのクラブにとっても難しい日程となるのは間違いない。
そんな中で、一つ期待(?)できるのはいわゆる「ジャイアントキリング」が増えることだ。
もちろん、リーグ戦を通じての最終順位はビッグクラブが有利だろう。なにしろ、強行日程を乗り切るためにはターンオーバーをしながら戦う必要があるわけで、選手層の厚い、体力のあるクラブの方が普段のリーグ戦以上に有利になる。
だが、個々の試合に限って言えば、「ジャイアントキリング」が起こりやすくなる要素がある。
夏の暑さの中での強行日程で、選手の疲労はピークに達するはずだ。そこで、ビッグクラブはターンオーバーをする。強豪同士の対戦の時には戦力を落としにくいから、下位チーム相手の試合では普段はベンチに座っている若手が試されることになるだろう。そこに、下位クラブが狙いを定めれば、何かを起こすことができる。
また、今シーズンは交代枠が3人から5人に増える。もちろん、選手の疲労を考慮しての交代枠拡大なのだが、同時にこれは戦術的な目的にも使えるわけだ。
前半は守備的なメンバーでスコアレスのままで終わらせ、ある時間帯に一挙に5人を交代させて勝負を仕掛けるとか、逆に下位チームが先制したら、最後は守備要因を一気に増やして守り切ってしまう……。そんな極端な戦い方だってできるのだ。
普通に戦ったら勝てない相手でも、思い切った戦略を立てて戦えば「ジャイアントキリング」を起こすことが可能になるかもしれない。しかも、今季は降格がないから、そうした思い切った手を打って、それがハズれてしまっても禍根や残らないのだ。
通常のリーグ戦とはいろいろな意味で異なっている今季のJリーグ。もちろん、順位争いは大事ではあるけれど、普段のシーズンに比べれば最終順位はさほど重要とも思えない(優勝賞金も半額になるという)。それなら、順位争いよりも、一つひとつの試合に注目して観戦したら面白いのではないだろうか。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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