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サッカー フットサル コラム 2019年8月12日

予想以上に成熟度が高かったU−18日本代表。期待されるのは、「1人で決めきる」突出した個性の出現

後藤健生コラム by 後藤 健生
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このコラムでも再三扱ってきたが、最近の日本の若い世代の選手たちは試合運びがとてもうまい。「サッカーの常識」みたいなものが豊富で、自分たちのことだけでなく、相手の出方を常に伺いながら勝つための最適のプレーを選択し、「勝利」という目的から逆算して戦うことができるようになっているのだ。

「自分たちのサッカー」を貫くことだけを目指していた数年前から考えれば、大きな進歩といってよい。

今年の5月から6月にかけてポーランドで行われたU−20ワールドカップに出場したU−20日本代表。そして、トゥーロン国際とコパ・アメリカに分かれて出場したU−22世代つまり東京五輪世代の選手たちは、そうした成熟度の高さを示してくれていた(トゥーロン国際はU−22代表、コパ・アメリカはA代表として出場)。

それよりさらに若い年代であるU−18代表の試合を見ても、同じことを感じた。

静岡県内で開催されているSBSカップ2019に出場したU−18日本代表のことである。2021年のU−20ワールドカップを目指す世代の代表で、今年のU−20代表と同じく、影山雅永監督が指揮を執る。

今年のSBSカップには、ベルギーとコロンビアのU−18代表が来日。日本代表、静岡ユースを含めた4チームの総当たりが行われている。コロンビアは2014年大会、2018年大会と2度のワールドカップで連続して日本と顔を合わせて1勝1敗。ベルギーはロシア大会のラウンド16で壮絶な撃ち合いを演じた相手で、かつて2002年の日韓共催のワールドカップでは初戦で対戦して引き分けたこともあり、ワールドカップという舞台で日本代表の因縁の相手となった感のある国だけに興味深く観戦した。

初戦で、U−18日本代表はベルギーに完勝した。

日本が4−4−2だったのに対して、ベルギーは日本が想定していたのとは違って4−3−3のシステムでスタート。システム上のミスマッチのせいで、ベルギーのアンカーの位置からゲームを操るアンディ・コシがフリーになってしまったが、ベンチからの指示もあって日本はすぐに修正。自分たちのシステムは変えずに、ツートップ(櫻川ソロモン=ジェフ千葉、と藤尾翔太=セレッソ大阪)がコシをチェックすることで、日本がゲームをコントロール。小田裕太郎(ヴィッセル神戸)と藤尾の得点で日本が2対0で勝利した。

実際には日本にはさらにチャンスがあり、本来なら3点か4点奪っていなければならないような完勝だった。

もっとも、ベルギー代表はすでに国内リーグが開幕しているため、ジャッキー・マタイセン監督が思った通りの選手が招集できず、この遠征で初めて顔を合わせたような選手も多かったそうで、さらに長旅の疲れと33度を超える高温に苦しめられていたわけだから、日本の勝利という結果は当然のことと言わざるを得ない。

ただ、相手のシステムが想定と違ってもすぐに対応できるところや、バランス良く戦うことができたあたりは「さすが」である。

もちろん、リスキーなパスを出して相手に奪われてピンチを招いたり、2点リードの後に不必要に攻め急いでパスがそのままゴールラインを割ってしまったりといったような場面も多く、さらにセットプレーも機能しないなどツッコミどころは満載だった。

だが、ベルギーのような寄せ集め状態ではないにしても、U−18日本代表も今年に入って立ち上げたばかりのチームだった。

僕は、SBSカップはほぼ毎年観戦しているが、立ち上げたばかりのU−18代表が出場すると、まだチームがバラバラな状態ということが多い。その点、今年のチームはこの段階で予想以上にまとまっているという印象を受けた。

試合後の記者会見では、敗れたベルギーのマタイセン監督も「日本チームは成熟している」という感想を述べていた。

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