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サッカー フットサル コラム 2018年6月8日

シャキリ・リヒトシュタイナーの右サイドをどう封じる?強豪・スイス戦で4バックの守備を再構築したい日本

元川悦子コラム by 元川 悦子
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2018年ロシアワールドカップ開幕まであと6日。本大会参加32カ国の準備は最終段階に入っている。オーストリア・ゼーフェルトで合宿中の日本代表も7日にスイス・ルガーノへ移動。8日夜(日本時間9日未明)には残された直前テストマッチ2試合の1つであるスイス戦に挑む。 先月30日に日産スタジアムで戦ったガーナ、12日にインスブルックで激突するパラグアイは今回のワールドカップには出場しないため、ロシアに赴くスイスとのゲームは極めて重要度の高い一戦となる。

スイスは欧州予選でポルトガルと同組。勝ち点も27で並んだが、惜しくもグループ2位となり、プレーオフに進出。北アイルランドに2戦合計1-0で勝利し、3大会連続出場権を獲得している。過去のワールドカップ戦績は自国開催だった54年大会のベスト8が最高だが、2006年と2014年大会でベスト16進出と力をつけている。手強い相手なのは間違いない。直近の6月3日のスペイン戦も1-1で引き分けているが、失点したのは昨年10月の欧州予選・ポルトガル戦以来7試合ぶり。それだけ守備が堅いということだ。決定力不足が深刻な日本にしてみれば、いかにして相手ゴールをこじ開けるかという難題に直面することになる。

その前段階として、強固な守備組織を構築することが重要テーマ。当たり前のことではあるが、ワールドカップは失点ゼロで乗り切れば勝ち点1という最低限の結果が手に入る。海外組を含めたフルメンバーでは昨年8月の最終予選・オーストラリア戦(埼玉)から無失点ゲームができていない日本にしてみれば、まずそこから始めることが肝要だ。

ガーナ戦では3-4-3の新布陣にトライした西野朗監督も今回はスイスと同じ4-2-3-1布陣に戻して戦う方向。アルベルト・ザッケローニ、ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督時代から積み上げてきたフォーメーションで戦うのだから、それを簡単に崩されていたら、それこそ絶望的な空気が漂う。ガーナ戦でミスを犯したGK川島永嗣(メス)には確実なゴールセービングを期待したいし、最終ラインを統率する吉田麻也(サウサンプトン)と昌子源(鹿島)のセンターバックコンビにはスキを作らない緻密な守りを求めたい。

彼らとともにカギを握るのが、長友佑都(ガラタサライ)と宇佐美貴史(デュッセルドルフ)の左のタテ関係。スイスは右MFにシェルダン・シャキリ(ストーク)、右サイドバックにステファン・リヒトシュタイナー(ユベントスから来季アーセナルへ移籍)が陣取る。 「シャキリは左足を持ってるんで、カットインさせてシュートさせると彼の特徴が出る。そこは消しに行きたい。ただ、シャキリだけじゃなくて、リヒトシュタイナーがどんどん上がって、メチャクチャスプリントしてくるんで、前の選手とのマークの受け渡しがすごく難しくなる」と長友は警戒心を募らせていた。シャキリと元同僚であり、リヒトシュタイナーとも同じイタリア・セリエAで戦った経験のある彼の分析は的を得ているはず。左ボランチに入るであろう大島僚太(川崎)含めて、3人で確実にこの2人を封じること。それがスイスの攻撃力を半減させることにつながるだろう。

左MFシュテファン・ツバー(ホッフェンハイム)、あるいは左サイドバックのリカルド・ロドリゲス(ミラン)からの折り返しにシャキリが飛び込むパターンも要注意だ。2016年欧州選手権(フランス)のラウンド16・ポーランド戦での芸術的なバイシクル弾もそういう崩しから生まれている。だからこそ、右サイドのタテ関係を形成する酒井高徳(HSV)と原口元気(デュッセルドルフ)も徹底したマーキングが求められてくる。3月のウクライナ戦(リエージュ)で対峙したイェウヘン・コノプリャンカ(シャルケ)に突破され続けた酒井高徳にとっては汚名返上のビッグチャンス。西野監督はケガ上がりの酒井宏樹(マルセイユ)より、ドイツでキャプテンマークを巻いている彼への期待値が高い様子。それに応えられれば、悲願のワールドカップ出場も見えてくるかもしれない。

スイスを零封するミッションを遂行できれば、あとは攻めの方にフォーカスしていい。キーマンとなるのは、ザック時代以来のトップ下に入る本田圭佑(パチューカ)だ。彼はチーム唯一のレフティということでFKやCKキッカーとしても重要性が高い。そういう意味でも背番号4の動向に注目しつつ、本大会前哨戦を見てみたい。

代替画像

元川 悦子

もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

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