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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引き込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。 「栗村修の"輪"生相談」では、日頃のライドのお悩みからトレーニング方法、メンタル面の相談など、サイクリストからの様々な相談にお答えしております。栗村修に聞いてみたい、相談してみたいことを募集中。相談の投稿はこちらから。

2023年07月19日

【輪生相談】ロードバイクの友達はどうやったらできるでしょうか?

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ロードバイクに乗り始めて1年半ほど経ちましたがロードバイクの友達ができず悩んでいますどうやったらできるでしょうか?

(男性 高校生)

■栗村さんからの回答

栗村さん

ロードバイク友達を作る手段はいろいろあります。今ならSNSを使う手もありますが、質問者さんがまだ未成年であることを考えると、ちゃんとした大人がいる場所がいいと思います。王道はスポーツバイクのショップですね。

rinsei0705.jpgチーム一丸となってレースに挑むユンボ・ヴィスマ

安全な走り方から人生との向きあい方まで、大人から習うことはたくさんあると思います。ですので、お近くで、チームを持っているショップを探してみてください。そこに行けば、きっと可愛がってもらえるはずです。自分と同年代のチーム員がいると更にいいですね。

探し方ですが、インターネットで「◯◯(←地域名) 自転車チーム」などでキーワード検索をしたり、若年層のレースなどのリザルトをチェックしたりすると、若い世代が所属しているチームに辿り着けるでしょう。

あるいは、サイクリングロードなどいつも走る場所で挨拶をしてみる手もあります。よく会うサイクリストがいたりしませんか? 「こんにちは」の一言で一生の友人ができるかもしれません。ぼく自身も、走りながらたくさんのサイクリストに出会ってきました。特にヨーロッパにいたときは走る方向が同じで軽く挨拶するとすぐにおしゃべりがはじまったものです。

ただ、実は、僕はこう見えても、練習は一人でするのが好きでした。まあ、選手をしていると常に周囲に人がいるので、練習くらいは自分のペースでやりたかったせいもあるのですが(というのも、短時間・高強度の効率重視の練習が好きだったので)。ですので、自分がどうしたいかで選択肢も変わってきます。

しかし、この歳になって改めて思いますが、友達や仲間は大事です。彼らから得られるものはたくさんあります。と同時に、そういう存在がストレスにならないための、いわば「維持する工夫」も必要であることも、わかってきました。

いっしょに走る仲間だと、まず、実力がある程度近い方がいいでしょう。脚力に差がありすぎると、ペースが合わずに不満が溜まってしまうリスクがあります。特に若いと上りに入るたびにちぎり合いになったりもしますから、この点は大事です。待つのも待たせるのもストレスですからね。

それから、走る目的。ガンガントレーニングをしたいのか、それとも気楽にサイクリングを楽しみたいのか。熱量の度合いや方向性にズレがあると、やっぱり、うまくいかない恐れがあります。チームがあるショップにどうぞ、と書きましたが、そのチームのカラーも、質問者さんのイメージに合うか要チェックです。チームの方向性が自分と合っていないと文字通り「修行」になってしまいます。

あと、近年はロードバイクの高額化が進んでいますから、機材格差も大きすぎないほうがいいかな? これは、気にするかどうかは質問者さん次第でもありますね。人間は本能的に周囲と比べる習性を持っているので「機材マウント」なんていう悲しい言葉があったりします。ちなみにぼくは「安い機材で勝つことがかっこいい」といった変わった価値観を持っている人間です。

もちろん、自分とは違う人間と接することこそ友達付き合いの楽しさでもあります。同じような人間だけで慣れ合っていても、それはそれで意外とすぐに飽きてしまうかもしれません。友人との違いが、質問者さんを成長させてくれることもあるでしょう。

でも、違いが大きすぎるとストレスになってしまう。程度問題だということです。人間関係の難しさ、面白さを経験できるのもロードバイクです。

文:栗村 修・佐藤 喬

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