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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引き込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。 「栗村修の"輪"生相談」では、日頃のライドのお悩みからトレーニング方法、メンタル面の相談など、サイクリストからの様々な相談にお答えしております。栗村修に聞いてみたい、相談してみたいことを募集中。相談の投稿はこちらから。

2022年12月07日

【輪生相談】スポーツサイクル乗るのにすね毛の処理やウェアはどうすれば良いのでしょうか?

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スポーツサイクル乗るのにすね毛剃るのが嫌なんですが、ジーンズやチノパンとかで走るのもスポーツっぽくないし、ジャージもダサい気がするし、どうすれば良いのでしょうか?

(会社員 男性)

■栗村さんからの回答

栗村さん

僕はもとプロ選手だったので、すね毛が生えていたり、普段着でロードバイクに乗っている方を見ると違和感を覚えてしまうのですが、すね毛やウェア関係のご質問が多いところを見ると、たぶん一般の方は逆なんですよね。

僕もたまに普段着でロードバイクに乗ることがあるんですが、そのたびに感じるのが「ピタピタの専用ウェアって優秀だよなあ」ということです。専用ウェアは高いですし、着替える手間もあるのですが、あれだけ多くの人が着ているのには理由があるんです。

一方で、ケの関係については事情が少し複雑です。実はすね毛については「剃っていると快適だなあ」と感じたことは一度もなく、あれはどちらかというとビジュアル的な問題なんです。しかしながら、専用パンツのパッド部分に広がるアマゾンの密林エリアは、フロント・リア共に伐採すると快適性が格段に向上することを申し伝えておきます。

少し話が脱線しました。普段着だと、発汗性が悪い、股擦れなどが起きやすい、膝や肩などの動きが阻害される、腰から下着や半ケツが見えてしまう、チェーンリングで裾が汚れる、ポケットの位置が悪い......など、無数の問題が生じるのですが、専用ウェアだとそれらがほぼゼロになるんです。この差は大きいですよ。

もちろん、最近は速乾性などをウリにしている一般向け高機能ウェアも多いですが、それだけで他の要素をカバーするには限界があります。前傾姿勢でサドルにまたがるという独特の姿勢をとるスポーツ自転車用にはつくられていませんから、上記の様にお尻が丸見えになったり、裾がチェーンオイルで真っ黒に汚れたりします。

過酷なレースを走るには専用ジャージの着用が欠かせない

しかし、嫌というものを無理やり買ってもらうわけにもいきませんね。結論としては、ウェアメーカーが出している、カジュアルラインの自転車用ウェアを着てみることをおすすめいたします。「普段着にも見える」トップスやボトムス、アクセサリーなどを展開しているメーカーは少なくありません。

私は前述のとおり最初からガチ勢でしたので、大人になるまでこういったカジュアルラインを使ったことがなかったのですが、最近の製品は本当によく考えられていて、「こんなところにまで!」と驚く様な細かな工夫がたくさん散りばめられています。さらに、着こなしによっては、普段の仕事や人生を賭けたデートにもつかえそうなデザインのものまであります。

ただし、そういうウェアも、快適性を追求していくと専用ウェアには及ばないんです。ですから、やっぱり専用ウェアが一番、という結論になってしまいます。

幸い、ここ10年ほどのサイクルウェア界ではシックなモノトーンカラーが流行っています。落ち着いた雰囲気なので、はじめてスポーツバイクに乗る方もあまり抵抗なく移行できる気がするのですが、いかがでしょうか。膨張色ではないので細くスマートに見え、コンビニやカフェに入ってもダサくはないですよ。ただし、モノトーンは視認性という観点では劣る色でもありますから、蛍光色などがワンポイントで入っているもの、さらにヘルメットやシューズなどに目立つ色を使用することをおすすめいたします。

一見奇抜に見える専用ウェアですが、サイクリストにとってはあの格好が「正装」でもあるんです。それだけメリットが多いということです。一度、試してみる価値はありますよ。

あと最後にすね毛についてですが、いまは夏用のレッグウォーマー(紫外線対策用)も販売されておりますので、必ずしも「専用ウェア=脚を出す」ことではないこともお伝えしておきますね。

文:栗村 修・佐藤 喬

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