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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。

2020年11月02日

ブエルタ2020各チーム分析!第12ステージ終了時点&ツール2021ルートプレゼン

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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「第75回 ブエルタ・ア・エスパーニャ」は、第12ステージを終えて2回目の休息日を迎えています。前回の休息日はチームバブル内からのPCR検査陽性者はゼロでしたので今回もゼロを期待したいところです。

一方、レースの方はログリッチ(31/スロベニア/ユンボ)とカラパス(27/エクアドル/イネオス )の秒差の戦いが続いていますが、昨日のアングリル決戦では一旦カラパスが若干のリードを奪っている状況です。

ということで、第12ステージまでのリザルトを振り返ってみたいと思いますが、その前に、日本時間の今朝未明にインターネット配信で実施された「第108回 ツール・ド・フランス(2021年)」のルートプレゼンテーションの内容を簡単にご紹介いたします。

01.jpg

◯ルートの印象
オーソドックス・ツール・ド・フランス(時計回り)

◯レース概要
・大会期間:2021年6月26日〜7月18日(全21ステージ)
・平坦ステージ:8
・丘陵ステージ:5
・山岳ステージ:6
・山頂フィニッシュ:3(Tignes/Saint-Lary-Soulan col du Portet/Luz Ardiden)
・個人TT:2(2017年以来となる複数回/合計距離58km)
・休息日:2
・全長:3,383km
・長距離ステージ:第8ステージは2000年以来最長となる248km
・フランス以外に通る国:アンドラ公国
・山脈:アルモリカ→中央山塊→アルプス山脈→ピレネー山脈
・モンバントゥー2回通過ステージあり
・フィニッシュボーナスタイム:全ステージ10秒、6秒、4秒
・ボーナスタイムポイント:6箇所の山頂で8、5、2秒

自転車競技が盛んなブルターニュ地方をスタートしてフランス国内を時計回りで駆け抜ける伝統的なルートとなっています。タイムトライアルが2回設定してあるので、ピノ向きのルートからアラフィリップ向きのルートに切り替えた感じでしょうか...。


ということでブエルタ・ア・エスパーニャに戻ります。


◯第7ステージ結果
1位 WOODS Michael/EF
2位 FRAILE Omar/Astana
3位 VALVERDE Alejandro/Movistar


◯第8ステージ結果
1位 ROGLIČ Primož/Jumbo
2位 CARAPAZ Richard/INEOS
3位 MARTIN Dan/Israel


◯第9ステージ結果
1位 ACKERMANN Pascal/BORA
2位 THIJSSEN Gerben/Lotto
3位 KANTER Max/Sunweb


◯第10ステージ結果
1位 ROGLIČ Primož/Jumbo
2位 GROSSSCHARTNER Felix/BORA
3位 BAGIOLI Andrea/Deceuninck


◯第11ステージ結果
1位 GAUDU David/Groupama
2位 SOLER Marc/Movistar
3位 STORER Michael/Sunweb


◯第12ステージ結果
1位 CARTHY Hugh/EF
2位 VLASOV Aleksandr/Astana
3位 MAS Enric/Movistar


◯第12ステージ終了時点個人総合時間順位
1位 CARAPAZ Richard/INEOS
2位 ROGLIČ Primož/Jumbo 0:10
3位 CARTHY Hugh/EF 0:32
4位 MARTIN Dan/Israel 0:35
5位 MAS Enric/Movistar 1:50
6位 POELS Wout/Bahrain 5:13
7位 GROSSSCHARTNER Felix/BORA 5:30
8位 VALVERDE Alejandro/Movistar 6:22
9位 VLASOV Aleksandr/Astana 6:41
10位 NIEVE Mikel/Mitchelton 6:42


◯第12ステージ終了時点ポイント賞
1位 ROGLIČ Primož/Jumbo 147
2位 CARAPAZ Richard/INEOS 104
3位 MARTIN Dan/Israel 100


◯第12ステージ終了時点山岳賞
1位 MARTIN Guillaume/Cofidis 76
2位 CARAPAZ Richard/INEOS 30
3位 KUSS Sepp/Jumbo 27


◯第12ステージ終了時点ヤングライダー賞
1位 MAS Enric/Movistar
2位 VLASOV Aleksandr/Astana 4:51
3位 GAUDU David/Groupama 6:37


続きまして、チーム単位での戦力分析(第12ステージ終了時点)を行ってみたいと思います。一言コメント付き。


◯Team Jumbo-Visma
☆☆☆ROGLIČ Primož ポイント賞
DUMOULIN Tom (DNS, Stage 8)
☆KUSS Sepp
VINGEGAARD Jonas
ここまでのところ「レインウェア」と「激坂」以外は死角なしのユンボ&ログリッチ。昨日のレース後インタビューで「スプリンターのぼくには坂が厳し過ぎた」とスロベニアンジョークを繰り出していましたが、あながちジャークでもないのかなあと感じたたりもしました。残された重要ステージは明日のTT(激坂含む)と第17ステージ(ラ・コバティーリャ/激坂系ではない)となります。


◯Deceuninck - Quick Step
☆☆☆BENNETT Sam
BAGIOLI Andrea
CATTANEO Mattia
CAVAGNA Rémi
心優しいサム・ベネットは先日の降格できっと落ち込んでいると思われます。最終日はリベンジスプリントで必ずステージ優勝を狙ってくるでしょう。一方、今週は逃げ切り可能ステージが多いので、バジオーリ、カッタネオ、カヴァニャに期待。


◯UAE-Team Emirates
☆DE LA CRUZ David
☆COSTA Rui
☆FORMOLO Davide
☆HENAO Sergio
☆☆PHILIPSEN Jasper
誰でもステージ優勝狙える布陣ですがまだ勝利はゼロ。今週は激しく攻めてくるのは間違いありません。


◯Trek - Segafredo
LÓPEZ Juan Pedro
MOSCHETTI Matteo (OTL, Stage 7)
ELISSONDE Kenny (DNS, Stage 8)
なかなか厳しい感じですがなにが起きるかわからないのがブエルタです。


◯Team Sunweb
POWER Robert
☆ARENSMAN Thymen
KANTER Max
VAN WILDER Ilan (DNF, Stage 1)
好調アレンスマンの逃げ切りとカンターの最終日スプリントにかける。


◯Astana Pro Team
☆☆VLASOV Aleksandr
ARANBURU Alex
FRAILE Omar
☆IZAGIRRE Ion
IZAGIRRE Gorka
SÁNCHEZ Luis León
後半に入り徐々に調子を上げてきているウラソフがステージ優勝を挙げる可能性は高い(総合でも6分41秒遅れているので)。


◯BORA - hansgrohe
☆☆ACKERMANN Pascal
☆☆GROßSCHARTNER Felix
MCCARTHY Jay (DNF, Stage 7)
アッカーマンがステージ1勝。グロスチャートナーは総合7位。ちなみにシリンガーのゼッケンはまだチリンガーのままでしょうか。


◯INEOS Grenadiers
FROOME Chris
☆☆☆CARAPAZ Richard マイヨロホ
明日のタイムトライアルを考えるとカラパスの10秒リードは十分ではありません。少しずつ調子を上げてきているフルームはどんなプランを考えているのか?


◯Mitchelton-Scott
CHAVES Esteban
☆NIEVE Mikel
復活の印象だったチャベスはここへきてちょっとコンディションを落としています...(総合20位)。二エベは総合10位。


◯Groupama - FDJ
PINOT Thibaut (DNS, Stage 3)
☆GAUDU David
LADAGNOUS Matthieu (DNF, Stage 11)
SEIGLE Romain (DNF, Stage 7)
リタイアした絶対エースのピノの分までゴデュががんばりました!マイクの音が割れるほどの雄叫びフィニッシュは久々です。


◯EF Pro Cycling
MARTÍNEZ Daniel Felipe (DNS, Stage 4)
☆☆CARTHY Hugh
☆WOODS Michael
ウッズが起死回生のステージ優勝。そしてカーシーもアングリルを制してプロ初勝利(更に総合3位)。ヴォターズGMの勝利ツイートが炸裂しています。


◯Bahrain - McLaren
POELS Wout
BOLE Grega (DNF, Stage 5)
MOHORIČ Matej (DNS, Stage 3)
WILLIAMS Stephen (DNS, Stage 11)
気がつけばプールスは総合6位。まだまだ上げてきそうです。


◯AG2R La Mondiale
CHAMPOUSSIN Clément
FRANK Mathias (DNF, Stage 1)
GENIEZ Alexandre (DNF, Stage 1)
GODON Dorian
PETERS Nans
JAUREGUI Quentin (DNF, Stage 11)
DOMONT Axel (DNF, Stage 2)
すでに4名のリタイアを出しているAG2Rですが、残ったメンバーが良い走りをみせています。ピーターズとシャンプーさんに引き続き期待です。


◯CCC Team
GESCHKE Simon (DNS, Stage 4)
MARECZKO Jakub (DNF, Stage 11)
ZIMMERMANN Georg
VENTOSO Francisco José (DNF, Stage 5)
まれつ子がリタイアとなったためあとは逃げるしかありません。


◯Lotto Soudal
☆WELLENS Tim
THIJSSEN Gerben
ステージ優勝を挙げたウェレンス先輩に続けと若手ががんばっています。


◯Cofidis, Solutions Crédits
☆☆MARTIN Guillaume 山岳賞
BARCELÓ Fernando (DNS, Stage 6)
BERHANE Natnael (DNF, Stage 5)
PÉRICHON Pierre-Luc
2週目に入りマルタンが一気に山岳賞トップに躍り出ています。ハマればステージ優勝も可能な勢いを感じます。


◯NTT Pro Cycling
DLAMINI Nic (DNF, Stage 11)
DYBALL Benjamin
GASPAROTTO Enrico
MÄDER Gino
ガスパロットあたりがステージ優勝を挙げそうな感じはします。


◯Movistar Team
☆VALVERDE Alejandro
☆☆MAS Enric ヤングライダー賞
☆☆SOLER Marc
VERONA Carlos
連日チームとして積極的な走りをみせているモビスター。マスも総合5位につけているので最終週もモチベーションは高い。


◯Israel Start-Up Nation
☆☆MARTIN Dan
総合4位マーティンのタイム差はまだ35秒。意外性のかたまりと言って良いブエルタではなにが起きるかわからない。


◯Team Total Direct Energie
TERPSTRA Niki
HIVERT Jonathan
SICARD Romain
逃げて逃げてチャンスは掴みたい。


◯Caja Rural - Seguros RGA
ABERASTURI Jon
GARCÍA Jhojan
SÁEZ Héctor (DNF, Stage 11)
引き続き攻めて攻めて、あとは最終日のアベラストゥーリのスプリントにかけます。


◯Burgos-BH
MADRAZO Ángel
マドラソ!マドラソ!ブルゴス!ブルゴス!

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