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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、直近で開催された「ツール・ド・フランス」や「ロード世界選手権」などのメジャーサイクリングイベントが、コロナ禍に於ける巨大スポーツイベント開催の可能性を示し、東京五輪開催の扉を開いたと称賛したとのことです。
「自転車競技は非常に特別な役割を果たしてくれました。ツール・ド・フランスとロード世界選手権という国際的かつ複雑な2つの大きなスポーツイベントを見事にやり遂げ、これらの成功がスポーツ界全体に大きな自信を与えています。非常に責任ある方法で組織化してくれたUCIに感謝しています。」とコメント。
これまではワクチンなしで大規模なスポーツイベントを開催できるのかが不安視されていましたが、ここ数ヶ月で巨大スポーツイベントを開催できることが証明されたため、IOCの関係者も自信を深めているようです。
一時は東京五輪開催についてネガティブな噂が多く出回っていたりもしましたが、現在はバッハ会長自身が「東京五輪のキャンセルは考えていない」と明言しており、ツール・ド・フランスの前後で雰囲気がすっかりと変わりました。
また、東京五輪が開催される頃には、現在よりも多くの感染予防及び感染拡大防止ツールの開発が進んでいるとの期待もあるとのことで、ワクチン接種を含めて状況はより好転することが予想されています。
一部から「東京オリンピックゲームはパンデミックゲーム」と揶揄されていたことに対しバッハ会長は、「アフターコロナにふさわしいゲームになるだろう」と力強く語りました。
そして、ツール・ド・フランス開催前にツールのジェネラルディレクターであるプリュドム氏が「ツール開催をフランスのコロナ禍からの復活の象徴としたい」と語ったように、今度は東京五輪開催を世界のコロナ禍からの復活の象徴とする流れが醸成されつつあります。
ツール・ド・フランス開催が決まった当初、私自身はとても前向きな気持ちになった一方で、日本国内では「自粛ムード」がマックスに達していたこともあり、「果たして本当に開催できるのだろうか?」という不安な気持ちが大きくなっていたりもしました...。
しかし、そんな不安をよそに「ツール・ド・フランス」はコロナ禍に於ける大会開催というビッグチャレンジに見事勝利しました。
まだまだ予断を許さない状況ではありますが、一方で、この世に生きるすべての生き物の寿命というのは1秒1秒確実にカウントダウンされ続けています。そして、いつか必ず寿命はやってきます。
改めて、いまできることを精一杯継続していきたいと思います。