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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
主幹調査役
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在はツアー・オブ・ジャパン大会ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。

2020年09月18日

ツール2020最終決戦前レースレビュー 19ステージ終了時点

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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「第107回 ツール・ド・フランス」は第19ステージを終え、今夜はいよいよ最終決戦となる第20ステージ「ラ・プランシュ・デ・ベルフィーユ(登坂距離5.9km/平均勾配8.5%)」へ駆け上がるセミ山岳個人タイムトライアルを迎えます。

また、開催できたことが奇跡だといわれている今年のツール・ド・フランスですが、我々は明日、それよりももっと大きな奇跡を目の当たりにすることになります。そう、すべてのサイクリストの憧れの地でもあるパリ・シャンゼリゼに、コロナ禍を乗り越えたツール・ド・フランス一行が凱旋するのです!

・放送予定はこちら(初回放送)
・配信予定はこちら(オンデマンド)

ということで、総合が大きく動いた第15ステージから第19ステージのレースの模様を改めて振り返ってみたいと思います。


◯第15ステージ結果
1位 POGAČAR Tadej/UAE
2位 ROGLIČ Primož/Jumbo
3位 PORTE Richie/Trek
超級グランコロンビエール峠フィニッシュとなった第15ステージは、ポガチャルがステージ優勝を飾ると共に総合タイム差を40秒に縮める。一方、ディフェンディングチャンピオンのベルナルが力なく大きく遅れてしまった。


◯第16ステージ結果
1位 KÄMNA Lennard/BORA
2位 CARAPAZ Richard/INEOS
3位 REICHENBACH Sébastien/Groupama
20名近い選手が逃げ切ったアタッカーステージの最後を締めくくったのはサガンのマイヨヴェール獲りに苦戦しているボーラのケムナ。一方、マイヨジョーヌ争いから脱落したイネオス勢がステージ狙いのチームへと豹変しカラパスがステージ2位に食い込む。


◯第17ステージ結果
1位 LÓPEZ Miguel Ángel/Astana
2位 ROGLIČ Primož/Jumbo
3位 POGAČAR Tadej/UAE
初登場の激坂&標高の高いロズ峠にフィニッシュする今大会のクイーンステージ。前日に引き続きアシスト業から解放されたカラパスがステージを狙いに飛び出すが最後の峠で吸収。この峠で勝ってきたのは標高の高い峠を得意としているツール初出場のロペス。3つのグランツール全てで総合表彰台に上がれるか?一方、逆転優勝を狙うポガチャルは再びタイムを失う。


◯第18ステージ結果
1位 KWIATKOWSKI Michał/INEOS
2位 CARAPAZ Richard/INEOS
3位 VAN AERT Wout/Jumbo
ステージ優勝と山岳賞争いのために多くの選手がアタックしまくる形でレースがはじまり、最終的に失意のイネオスが感動のワンツーフィニッシュを決める。勝ったクフィアトコフスキはなんとグランツール初ステージ優勝。自分のために走っていればすでに10勝くらいしていてもおかしくない実力を持っているので、これまでいかに献身的に走っていたかがわかる。共に逃げ切ったカラパスも山岳ジャージを獲得し、イネオスの面目躍如といったところ。


◯第19ステージ結果
1位 KRAGH ANDERSEN Søren/Sunweb
2位 MEZGEC Luka/Mitchelton
3位 STUYVEN Jasper/Trek
つい先ほど終了した19ステージは、終盤にアルデンヌクラシックの様なコースレイアウトが待ち受けており、その中でクラシックレースの様な豪華なメンバーが飛び出し、最後はクラウアナスンがステージ2勝目を飾る。注目のマイヨヴェール争いはベネットが力勝負でサガンを押さえ込んだ。


◯第19ステージ終了時点個人総合時間順位
1位 ROGLIČ Primož/Jumbo
2位 POGAČAR Tadej/UAE 0:57
3位 LÓPEZ Miguel Ángel/Astana 1:27
4位 PORTE Richie/Trek 3:06
5位 LANDA Mikel/Bahrain 3:28
6位 MAS Enric/Movistar 4:19
7位 YATES Adam/Mitchelton 5:55
8位 URÁN Rigoberto/EF 6:05
9位 DUMOULIN Tom/Jumbo 7:24
10位 VALVERDE Alejandro/Movistar 12:12
11位 CARUSO Damiano /Bahrain 12:31
12位 MARTIN Guillaume/Cofidis 13:16
13位 CARAPAZ Richard/INEOS 17:48
14位 BARGUIL Warren/Arkéa 28:03
15位 KUSS Sepp/Jumbo 35:54
16位 BILBAO Pello/Bahrain 53:33
17位 QUINTANA Nairo/Arkéa 57:49
18位 ROLLAND Pierre/B&B 1:00:13
19位 VERONA Carlos/Movistar 1:11:30
20位 VAN AERT Wout/Jumbo 1:19:57


◯第19ステージ終了時点ポイント賞
1位 BENNETT Sam/Deceuninck 319
2位 SAGAN Peter/BORA 264
3位 TRENTIN Matteo/CCC 250


◯第19ステージ終了時点山岳賞
1位 CARAPAZ Richard/INEOS 74
2位 POGAČAR Tadej/UAE 72
3位 ROGLIČ Primož/Jumbo 67


◯第19ステージ終了時点ヤングライダー賞
1位 POGAČAR Tadej/UAE
2位 MAS Enric/Movistar Team
3位 MADOUAS Valentin/Groupama


◯第19ステージ終了時点チーム総合時間順位
1位 Movistar Team
2位 Team Jumbo-Visma
3位 Bahrain - McLaren


続きまして、少し早めではございますが、今大会のここまでの総括をチーム単位で行ってみたいと思います。


◯INEOS Grenadiers ☆
BERNAL Egan (DNS/17)
☆CARAPAZ Richard 山岳賞
☆KWIATKOWSKI Michał
SIVAKOV Pavel
背中と膝の痛みによりツールを去ることになってしまったベルナル。それでもクフィアトコフスキがステージを獲り、カラパスも山岳ジャージを着用しているのはさすが。しかし、巨大なバジェットを持つ王者チームにとって失意のツールとなってしまったのは間違いない。来季、アダム・イエーツを獲得してイギリスファーストのチームに戻るのか。


◯Team Jumbo-Visma ☆☆☆
☆☆☆ROGLIČ Primož マイヨジョーヌ
DUMOULIN Tom
KUSS Sepp
☆☆☆VAN AERT Wout
完璧なレース運びで総合優勝が目前に迫ったオランダのチームは、チームのキーマンであるゼーマンがUCI検査官に対する暴言で退場処分となってしまったのが唯一の誤算。一人の有能なマネージャーの存在でここまでチームが変わるものなのかと驚くばかり。ゼーマンがいる限りこのチームの快進撃は続く。


◯BORA - hansgrohe ☆☆
☆SAGAN Peter
☆KÄMNA Lennard
SCHACHMANN Maximilian
失格となった年を除いて常にマイヨヴェールを着用してきたサガンがいよいよ負ける時がきた。今後、この敗北をサガン自身がどの様に消化していくのかに注目したい。また、チームはサガン無しでも十分な戦力を有しており、その辺りも若干気になるところ。一先ずジロでの名誉挽回が必須。一方、ケムナは将来ツールを勝てる才能があることを証明した。


◯AG2R La Mondiale ☆☆
BARDET Romain (DNS/14)
COSNEFROY Benoît
LATOUR Pierre (DNF/14)
☆PETERS Nans
来季、シトロエンがスポンサーに加わるのと同時に、チームのツートップであったバルデとラトゥールを放出するAG2R。今年のツールはピーターズがステージ優勝を飾り、コヌフロワが序盤活躍したので一先ず及第点か。


◯Deceuninck - Quick Step ☆☆
☆☆ALAPHILIPPE Julian
☆☆BENNETT Sam ポイント賞
サム・ベネットのマイヨヴェール獲得まであと一歩となったウルフパック。後半調子を落としてしまったもののアラフィリップもステージ優勝とマイヨジョーヌ着用を果たしており、ロックダウン中に心配されていた「スポンサー離れ」は一先ず回避できたか?


◯Groupama - FDJ ☆
PINOT Thibaut
BONNET William (DNF/8)
GAUDU David (DNF/16)
KÜNG Stefan (DNS/17)
MADOUAS Valentin
エースのピノが総合優勝争いから離脱後、攻めに攻めたグルパマだったが、イネオスの様に別の形で結果を残すことはできなかった。「これがターニングポイントになる」というピノのコメントが気になる。


◯Bahrain - McLaren ☆☆
☆LANDA Mikel
BILBAO Pello
CARUSO Damiano
VALLS Rafael (DNS/2)
後半戦に調子を上げてきたランダだったがやはり表彰台は遠かった。一方、クイーンステージではチーム力の高さを示した。チームの首脳陣が変わったことで、今後ユンボの様に化ける可能性もある。


◯EF Pro Cycling ☆☆
☆URÁN Rigoberto
CARTHY Hugh
HIGUITA Sergio (DNF/15)
☆MARTÍNEZ Daniel Felipe
POWLESS Neilson
マルティネスのステージ優勝とウランの総合表彰台で大成功のツールになるはずだったが、後半戦に入りウランが失速し、成長著しいマルティネスにイネオスが触手を伸ばしており、ヴォーターズGMは一転頭を抱えているかもしれない。


◯Team Arkéa Samsic ☆
☆QUINTANA Nairo
BARGUIL Warren
ROSA Diego (DNF/8)
春先には総合優勝も期待されていたキンタナだったが怪我や落車で灯が消えてしまった。


◯Movistar Team ☆☆
VALVERDE Alejandro
☆MAS Enric
SOLER Marc
後半戦にメキメキと調子と順位を上げてきたマスは現在総合6位。定番のチーム総合もトップに立っており、しっかりとパリでのリザルトを確保するあたりはさすが。


◯Trek - Segafredo ☆
☆PORTE Richie
MOLLEMA Bauke (DNF/13)
PEDERSEN Mads
来季移籍が噂されているポートは現在自身最高順位となる総合4位。個人TTでミラクルを起こすことができればパリでの表象台も不可能ではない。合わせてピータズンがシャンゼリゼを制することができればまさに逆転満塁ホームラン。


◯CCC Team ☆
VAN AVERMAET Greg
TRENTIN Matteo
ZAKARIN Ilnur (DNF/12)
オレンジ色のウェアでは最後のツールになってしまうがまだ勝利に手が届いていない。


◯Cofidis, Solutions Crédits ☆
MARTIN Guillaume
PEREZ Anthony (DNF/3)
VIVIANI Elia
ヴィヴィアーニは不調のままでマルタンも総合12位まで落ちてしまった。今年大幅にチームバジェットを増やしたであろうスポンサーはどう捉えているか。


◯UAE-Team Emirates ☆☆☆
☆☆☆POGAČAR Tadej ヤングライダー賞
ARU Fabio (DNF/9)
FORMOLO Davide (DNS/11)
KRISTOFF Alexander
後半戦に入り少し疲れがみえているポガチャルだが、総合2位、山岳賞、ヤングライダー賞の3つの総合表彰台と、すでに挙げたステージ2勝で十分に満額回答。むしろ今年は勝たない方が将来の勝利数は増えていく気がする。チームの将来にとってもその方が良い?


◯Astana Pro Team ☆☆
☆☆LÓPEZ Miguel Ángel
IZAGIRRE Ion (DNF/11)
LUTSENKO Alexey
3つのグランツールすべてで総合3位を達成しようとしているロペス。一時期チーム消滅の噂があったアスタナだけに今ツールのリザルトはとても前向き。


◯Lotto Soudal ☆☆
☆☆EWAN Caleb
CRAS Steff (DNF/9)
DE GENDT Thomas
DEGENKOLB John (OTL/1)
GILBERT Philippe (DNS/2)
シャンゼリゼのスプリントでユアンがステージ3勝(2年連続)を達成できるか。チームとしては平均年齢が高い印象があるので少し若返りを図りたいところ。


◯Mitchelton-Scott ☆☆
☆YATES Adam
BEWLEY Sam (DNF/10)
CHAVES Esteban
IMPEY Daryl
NIEVE Mikel (DNF/17)
なんやかんやで総合7位に踏みとどまっているAイエーツの実力は高い。近年、ツールのエースを担当してきたアダムがイネオスに移籍するので、来季からはサイモンがツールの総合を担当か。


◯Israel Start-Up Nation ☆
MARTIN Dan
GREIPEL André (DNF/18)
POLITT Nils
グライペルがリタイアしたチームはもはやシャンゼリゼで逃げまくるしかない。


◯Team Total Direct Energie ☆
BONIFAZIO Niccolò
CALMEJANE Lilian (DNF/8)
COUSIN Jérôme (OTL /16)
カルメジャーヌとクザンがリタイアしたチームは残すところボニファシオのシャンゼリゼスプリントのみ。来季はラトゥールが合流するので久々に総合を狙う。


◯NTT Pro Cycling ☆
NIZZOLO Giacomo (DNF/8)
BOASSON HAGEN Edvald
POZZOVIVO Domenico (DNS/10)
意外とシャンゼリゼと相性の良いボアッソンハーゲンがラストチャンスに懸ける。スポンサー継続しますように。


◯Team Sunweb ☆☆☆
BENOOT Tiesj
BOL Cees
☆☆HIRSCHI Marc
☆☆KRAGH ANDERSEN Søren
ここ数年低迷が続いたチームはとうとうステージ3勝を挙げる。しかも若い選手での勝利でありコストパフォーマンスも良い。問題は他のチームに取られてしまわないか。


◯B&B Hotels - Vital Concept p/b KTM ☆
COQUARD Bryan
DEBUSSCHERE Jens (OTL/17)
ROLLAND Pierre
初ツールにしては随所で見せ場をつくれたピノーGMのチーム。来季のワイルドカードも安泰か。そのためにもコカールがシャンゼリゼで手を挙げておきたいところ。

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