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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
ここ10年ほどのテクノロジーの進化は非常に目覚ましいものがあります。
私自身、元々、組織にガチガチに属することが得意なタイプではないので、「どこにいても連絡がとれ」、「大きなファイルでも外部からやりとりでき」、「スケジュールやタスクを効率的に管理できる」現代というのは、なかなか都合の良い時代だなと感じています。
また、現在、自分が関わっている仕事の量を、テクノロジー無しでこなそうとするならば(インターネットや携帯端末が無い時代だったならば)、恐らく社員を数人雇って、更に事務所も構えないととてもさばくことはできないように感じます。
しかし現代は、スマートフォンとノートPCがあれば、どこにいても何時でもほぼ同じ質と量の仕事ができてしまうわけですから、直接会って会議をする必要がある時以外は、もはや会社に通う必要すらないようにも思います。
もちろん、テクノロジーの進化により人間の生活自体が大きく変化してしまった結果、そこから派生する様々な諸問題が発生していることも理解しています。
それは、「テクノロジーの進化」と「人間の進化」のスピードに明らかな違いがあるからでしょう。
この進化のスピードの差を埋めるためには、テクノロジーを使う側の人間になんらかのルールを設定する必要があるように感じます。
人間という生き物は、何ごとに於いても基本的に行き過ぎてしまうという習性があります。
その「行き過ぎ」を制御するのが「適切なルール」になるわけです。
但し、この「適切」というサジ加減が非常に難しく、関わる人の種類やタイミングによって「適切なルール」自体が大きく変化してしまったりもします。
これからは、一部の仕事や分野を除き、テクノロジーに蓋をして生きていくことはできません。
テクノロジーを制するものが時代を制するのは間違いありませんが、一方で、闇雲にテクノロジーに手を出してしまった結果、皮肉にもテクノロジーに翻弄されるというケースも少なくないでしょう。
人間という生き物は、本質的には数百年程度では大きく変わることはできません。
そういった現実を見誤らないよう、テクノロジーを効率的に自分の人生と仕事に取り入れていきたいと思います。